奥さまは魔王女

奏 隼人

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四人の行方

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僕とティナが手を繋いで屋台を見ながら花火を見上げていたその時、「おーい!ティナ~!婿殿~!」二人の頭の中にお義父さんの声が響き渡った…」

「えっ!ミスとリルがどこにもいない?」

「そうなんじゃよ…みんなで花火を見ていて…神社から下りるには階段しかないはずなんじゃがのう…」

「分かりました…とりあえずこちらを少し探してからそちらに向かいますね…」

「すまんが…頼んだぞ。

ワシらももう一度探してみるからな。」

僕とティナは二人が屋台の方に戻って来ていないか探し始めた…

「あなた…」

シルヴァが心配そうな顔でゴルドを見つめる…

「大丈夫じゃ…婿殿とティナも一緒に探してくれておるからの。さあ…ワシらも社の方をもう一度探してみようではないか…」

「はい。あなた…」


ゴルドとシルヴァは社の方を隈なく探した。

「あっ!あなた…これは!」

「何じゃ?」

「ミスちゃんのマスコットですよ。この社の中に入っていったのかしら…?」

「よし、中を調べてみよう!」

二人は中に入って行った。ゴルドが指をパチンと鳴らすと宙に浮かんだ燭台が二つ現れて部屋の中を照らす…

ロウソクが照らし出した部屋にはキラキラと輝く鏡が二つ…

「何じゃこれは?合わせ鏡?」

その時…一方の鏡からリルの声が聞こえた…

「じいじ…」

もう一方からはミスの声が…

「ばあば…」

「ミスちゃん!!」「リルくん!!」

ゴルドとシルヴァは鏡を覗き込む…


「うわぁぁぁぁぁぁ!」


ミスとリルと同じように二人は鏡の中に吸い込まれていった…



神社へ来た優也とティナはゴルドとシルヴァの姿を探した…

しかし…四人の姿を見つけることは出来なかった。


「お父様とお母様まで…どうしたのかしら…」

その時、社の方からふらりと巫女の服を着た愛ちゃん…いや、アイさんが現れた…


僕はその姿を見てドキッとした。

…何だか今までの落ちついた彼女とは違う…そう…恐ろしさに満ちたオーラのようなモノを感じていた。


「あっ!!…アイ…さん。こんばんは…

ちょっと家族とはぐれてしまって…ここら辺で私の両親と子供達を見かけませんでしたか?」

ティナの悲痛な投げかけにアイさんの答えは耳を疑うものだった…


アイさんはニヤリと笑いながら「あら…知っておりますわよ…

お子様達は私達、ミラール王国が丁重にお預かりしておりますわ…

ついでにご両親もね…」
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