32 / 105
ギフト
しおりを挟む
「ティナ…」
僕は王宮へ走る途中でティナやミスやリルのことを思い浮かべた…
すると…突然頭の中にティナの声が…
「ダ、ダーリン⁉︎…今、何処にいるの?」
「パパ!」
「パパだ、パパだ!わーい!」
「今、エメラルダの森の入口に…それよりナギさんが大変なんだ!今、ムラサメが人を呼びに行ってる…人手が必要なんだ。」
「分かったわ…こっちもみんなを連れていく…お父様にも頼んでみるわ!」
「ありがとう…鍾乳洞の中にナギさんが…お医者さんが説明してくれるよ…場所はね…」
それから僕は森の中の岩肌をくまなく調べた。しかし、お医者さんから見せてもらった辞典の絵のような薬草が見つからない…
その時、ミスとリルの声が聞こえる…
「パパ!」
「いたいた!」
ミスとリルが突然目の前に現れた。
「お前達…テ、テレポートか?」
「あはは…」
「パパ見つけたよ!」
「パパ…今、薬草を探してるんだ!」
「じゃあ、僕らも一緒に探すよ!」
ミスとリルと三人で岩肌を探す…
しかし…いくら探しても薬草は見つからない…
時間が経つに連れみんなに疲労と焦りの色が出てきた。
優也は一旦ナギの様子を見に帰った…
「ナギ…私よ…プラティナよ…分かる…⁉︎」
そこにはお医者様と一緒にティナが付き添ってくれていた…帰って来た優也の顔を見てホッとするティナ…
「ゴホン!!ゴホッ…ゴホゴホッ…」
その時、急にナギが咳込んで吐血した…
朦朧としていた意識もあまりの苦しみで終には気を失ってしまった…
「いかん!毒の回りが早い!このままでは…」
「くっ…姉ちゃん…」
ムラサメもその場に立ち尽くすだけ…
優也は幼い頃、自分の祖母が亡くなる時に子供ながらに背中をさすってあげたことをふと思い出した。
ナギを横にして優也はナギの背中を一生懸命さする…
ダメだ…絶対死んだらダメだよ…ナギさん…
優也の頬を涙が伝う…
優也の優しい心にムラサメは自分の武力の意味の無さを痛感し、ティナはその博愛の精神に改めて自分の心の小ささを感じていた。
その時…みんなの目には優也の手が少しぼうっと白い炎のような光を帯びて…ナギの表情が心なしか楽になったような感じに見えた…
医者もその様子を見て驚きを隠せない…
「不思議だ…毒の回りが遅くなっている…こんなことが…しかし…時間を稼げても薬草が無いと…」
「もう一度…ダメかもしれないけど…」
優也は諦めたく無くてもう一度薬草を捜しに行くために立ち上がった…すると…
鍾乳洞の入口の光の中に小さな影が見えた…その影はこちらに向かってだんだん近づいてくる…優也達は身を寄せながらその影をじっと見つめた。
その影はいつも優也が仲良くしているオオカミだった…オオカミはナギの側に咥《くわ》えてきた物を置いた…
医者はそれを見て叫んだ…
「こ、これは…スクリュード!!し、信じられないが…早速すり潰して姫に…」
…それからしばらくしてナギは目を覚ました…
「こ…ここは…そうか…私、目眩がして…」
「姉ちゃん!良かった!ワイは…ワイは…」
横になっているナギに覆い被さるようにしてムラサメは泣き崩れた…
「もう少ししたら動いても大丈夫でしょう。
皆様…それでは私は先に失礼します。」
お医者様はニッコリと笑って先に帰って行かれた。
「優也さん…ゴメンなさい…私…」
「お礼はコイツに言ってくださいね…薬草を…
あれ?アイツ…」
……オオカミの姿はもうそこには無かった。
そこにいるみんながオオカミに心の中で感謝の言葉を浮かべていた…
僕は王宮へ走る途中でティナやミスやリルのことを思い浮かべた…
すると…突然頭の中にティナの声が…
「ダ、ダーリン⁉︎…今、何処にいるの?」
「パパ!」
「パパだ、パパだ!わーい!」
「今、エメラルダの森の入口に…それよりナギさんが大変なんだ!今、ムラサメが人を呼びに行ってる…人手が必要なんだ。」
「分かったわ…こっちもみんなを連れていく…お父様にも頼んでみるわ!」
「ありがとう…鍾乳洞の中にナギさんが…お医者さんが説明してくれるよ…場所はね…」
それから僕は森の中の岩肌をくまなく調べた。しかし、お医者さんから見せてもらった辞典の絵のような薬草が見つからない…
その時、ミスとリルの声が聞こえる…
「パパ!」
「いたいた!」
ミスとリルが突然目の前に現れた。
「お前達…テ、テレポートか?」
「あはは…」
「パパ見つけたよ!」
「パパ…今、薬草を探してるんだ!」
「じゃあ、僕らも一緒に探すよ!」
ミスとリルと三人で岩肌を探す…
しかし…いくら探しても薬草は見つからない…
時間が経つに連れみんなに疲労と焦りの色が出てきた。
優也は一旦ナギの様子を見に帰った…
「ナギ…私よ…プラティナよ…分かる…⁉︎」
そこにはお医者様と一緒にティナが付き添ってくれていた…帰って来た優也の顔を見てホッとするティナ…
「ゴホン!!ゴホッ…ゴホゴホッ…」
その時、急にナギが咳込んで吐血した…
朦朧としていた意識もあまりの苦しみで終には気を失ってしまった…
「いかん!毒の回りが早い!このままでは…」
「くっ…姉ちゃん…」
ムラサメもその場に立ち尽くすだけ…
優也は幼い頃、自分の祖母が亡くなる時に子供ながらに背中をさすってあげたことをふと思い出した。
ナギを横にして優也はナギの背中を一生懸命さする…
ダメだ…絶対死んだらダメだよ…ナギさん…
優也の頬を涙が伝う…
優也の優しい心にムラサメは自分の武力の意味の無さを痛感し、ティナはその博愛の精神に改めて自分の心の小ささを感じていた。
その時…みんなの目には優也の手が少しぼうっと白い炎のような光を帯びて…ナギの表情が心なしか楽になったような感じに見えた…
医者もその様子を見て驚きを隠せない…
「不思議だ…毒の回りが遅くなっている…こんなことが…しかし…時間を稼げても薬草が無いと…」
「もう一度…ダメかもしれないけど…」
優也は諦めたく無くてもう一度薬草を捜しに行くために立ち上がった…すると…
鍾乳洞の入口の光の中に小さな影が見えた…その影はこちらに向かってだんだん近づいてくる…優也達は身を寄せながらその影をじっと見つめた。
その影はいつも優也が仲良くしているオオカミだった…オオカミはナギの側に咥《くわ》えてきた物を置いた…
医者はそれを見て叫んだ…
「こ、これは…スクリュード!!し、信じられないが…早速すり潰して姫に…」
…それからしばらくしてナギは目を覚ました…
「こ…ここは…そうか…私、目眩がして…」
「姉ちゃん!良かった!ワイは…ワイは…」
横になっているナギに覆い被さるようにしてムラサメは泣き崩れた…
「もう少ししたら動いても大丈夫でしょう。
皆様…それでは私は先に失礼します。」
お医者様はニッコリと笑って先に帰って行かれた。
「優也さん…ゴメンなさい…私…」
「お礼はコイツに言ってくださいね…薬草を…
あれ?アイツ…」
……オオカミの姿はもうそこには無かった。
そこにいるみんながオオカミに心の中で感謝の言葉を浮かべていた…
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる