奥さまは魔王女

奏 隼人

文字の大きさ
上 下
18 / 105

じいじとばあば

しおりを挟む

ミスとリルが吹き飛ばした跡をしばらく見つめていたゴルドだったが…やがてプラティナに向かって…

「ティナよ…あの子達は…お前の子達か?」

「そうよ…愛する旦那様との愛の結晶よ!」


その言葉に大きく頷いて、ゴルドはミスとリルのところに歩み寄った。

「お前達…ワシはな、ティナの…ママのお父さんだ!!

つまり…お前達のじいじだ!可愛いのう!
どれ…こっちへおいで!」



しかし…ミスとリルは冷ややかな眼差しをゴルドに向けていた…

「ほんとうにあたしたちのじいじ?」

「じいじならママだけじゃなく、パパのこともだいじにするよね!」

「このひと…さっき、パパのことかたなできろうとしてたよ!ミス、ちゃんとみてたもん。」

「じゃあ…おねえちゃん、こいつもやっちゃおうよ!」

ミスとリルは両手を前に突き出した…


「えっ…⁉︎」

ゴルドは本気で驚いて後退りしながら…

「わーっ!あれは冗談!!冗談だよ!!嫌だなあ…あっはっは!!これからじいじがパパに謝るからちゃんと見てるんだよ!!」

ゴルドは今度は優也の所に近づいていく…

「本当に済まなかった!!一国の主として恥ずかしい限りじゃ!!ワシは人間を色眼鏡で見てたんじゃの…国王失格じゃ!!

魔族にも人間にも良い奴、悪い奴が居る。それを見極めないといけなかった…この通りじゃ…」

ゴルドは優也に向かって頭を下げた…

「そんな…やめて下さい!!頭をお上げ下さい…」


顔を上げたゴルドは申し訳無さそうに肩をすくめながら…

「それと…一つお願いがあるのじゃが…孫を…抱かせては貰えんだろうか…婿殿よ!!」

「お義父さん…」

「ティナも…済まなかったな…お前はいい婿殿に巡り合ったな。ワシもシルヴァと出会った時の事を思い出したよ…」

ゴルドとシルヴァは微笑み合った…

「ミス!リル!じいじとばあばが抱かせて欲しいんだって…」

プラティナが嬉しそうに二人を呼んだ…

「じゃあ…じいじ!リルをかたぐるまして!」

「はいはい!お安い御用さ!」

ミスは…ばあばの膝の上にチョコンと座って…

「ねえ…ばあばもパパのこときらいなの?」

「何を言ってるの!ばあばがミスちゃんのパパを嫌いな訳無いじゃない…ママとパパはずうっと一緒にいて欲しいって思ってるわよ!」

僕とティナは顔を見合わせて微笑み合った…
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

初恋の呪縛

緑谷めい
恋愛
「エミリ。すまないが、これから暫くの間、俺の同僚のアーダの家に食事を作りに行ってくれないだろうか?」  王国騎士団の騎士である夫デニスにそう頼まれたエミリは、もちろん二つ返事で引き受けた。女性騎士のアーダは夫と同期だと聞いている。半年前にエミリとデニスが結婚した際に結婚パーティーの席で他の同僚達と共にデニスから紹介され、面識もある。  ※ 全6話完結予定

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

いくら時が戻っても

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
大切な書類を忘れ家に取りに帰ったセディク。 庭では妻フェリシアが友人二人とお茶会をしていた。 思ってもいなかった妻の言葉を聞いた時、セディクは――― 短編予定。 救いなし予定。 ひたすらムカつくかもしれません。 嫌いな方は避けてください。 ※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

処理中です...