奥さまは魔王女

奏 隼人

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魔法使い

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「優也さん…私…普通じゃないんです。」

「あはは…そんなの分かりますよ。

外国の方でしょ?ビザとかをお持ちなのか…それとも帰化されてるのかは気になってましたが…」


「…あれをご覧になってください…」


プラティナさんが指を指した先…キッチンのカウンターにはウォーターサーバーとコップが置いてあった。彼女が指をクイッと動かすとなんと…ウォーターサーバーが宙を舞ってコップに水を注いだ…

優也は呆気に取られて…

「す…すごい!プラティナさん…マジシャンだったのですか!一体どうやって…どんなタネがあるんですか?」


その瞬間、僕の身体が宙を舞う…「うわっ…とっと…」そしてゆっくりベッドの上に降りる…いや、降ろしてもらったのだ…彼女に…


「分かりましたか?」


…どうやらマジックでは無さそうだ…


「プラティナさん…貴女は一体…」


「私はこの世界の人間ではないのです…この世界の言い方で言えば魔法使いなのです。」


「魔法使い…」


「私、祖母から小さい頃聞いた事があります。人間の世界では私達…魔法使いは忌み嫌われる存在…私達の世界の者は遠い昔に魔女狩りに遭って火あぶりになったって…それ以来、二つの種族は決して交わることの出来ない仲だって…

もし優也さんが魔法使いと一緒に住んでいるっていう事が世間に知られたら私はどうなってもいいですが、優也さんが酷い目に…

そんなの耐えられません!!やっぱり私、ここを出て行かないと…」


「プラティナさん!!ちょっと待ってください!!

魔法が使える事以外は貴女は普通の若くて綺麗な…そして優しい心を持った素敵な女性です。

人間か魔法使いかなんてそんな事であなたを失うなんて…そんなの…考えられないです…

だって僕はあなたの事が…す、好きだから…

今更だけど…本当に僕とお付き合いしてもらえませんか?」


プラティナさんは涙を浮かべる…

「でも…私といるとあなたが不幸になっちゃいますよ…」


「大丈夫。僕があなたを守ってみせます。絶対に幸せにすると約束します。だから…」


あの時に聞いた父親と同じその言葉にプラティナは溢れてくる涙を止める事が出来なかった…


「ああ…もう我慢出来ない!!

私もとっても優しいあなたが大好きなんです…

ずっと一緒にいさせてください…」


「プラティナさん…」


優也とプラティナは自然に口唇を重ねあう…


キッチンカウンターに置かれたウォーターサーバーの水に入った太陽の光がまるで二人を祝福するように部屋中を虹色に照らしていた…
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