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結婚は…?
しおりを挟む買い物から帰ってきた僕達はマンションの玄関に車を停めて荷物を運び込む…
「よいしょっと…重いから僕が運びますよ…」
「だ、大丈夫ですか…?
それに…こんなに沢山揃えて頂いて…
理由を何も話すことの出来ない私なんかの為に…」
「気にしないで下さい…
それより管理人さんに一度ご挨拶しておいて下さいね。僕は荷物を運んでおきますから…」
「分かりました…ゴメンなさい…」
プラティナは管理人室のインターホンを押した…
「はいはい…どなた…?」
「あっ!!あの…初めまして…私…」
「ああ…夕べの…」
「私…覚えてなくて…優也さんに聞きました…
着替えさせてもらって身体も拭いて頂いたようで…
本当にありがとうございました…」
「彼とは仲直りしたのかい?」
「えっ?…仲直り…ですか…⁉︎」
「とぼけなくてもいいんだよ…昨夜、私からあの人にガツンと言ってやったからね…
あの人さ…あんたの事、本当に好きだから大事にするってさ。
でも…あんたも知ってるだろうけど…あの人…仙石さんね…とっても優しい人なんだよ…
私が前にギックリ腰やった時にゴミの収集場の掃除が大変でね、その時、見るに見かねたのか…僕がやりますよ!!って…助けてくれたんだよ。」
「まあ…優也さん…本当に優しい方なんですね。」
その時…丁度、管理人室の外を荷物を運び込んでいる優也が通ったのを二人は見ながら
「あらま!沢山の荷物だね…ここに一緒に住むのかい…⁉︎
あまり間取りは広くないけど二人なら大丈夫だろう!
ま、とにかく…これからは仲良くするんだよ。困った事があったら何でも言っておくれよ。力になるからね…」
そう言って管理人さんは綺麗に畳んだ服を彼女に渡してくださった。
「はい…ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」
愛情がこもったその言葉にプラティナは幼い頃の自分の祖母を思い出して涙を浮かべた。
その時、荷物を運び終わった優也が管理人室に改めて挨拶に来た…
「あっ…どうも…その…昨日はすいませんでした。」
「ああ、昨日も見たけど本当に綺麗な彼女だね。
外国の人かい?どこで知り合ったんだい?」
「いやあ…まあ…何て言うか…」
「まあいいや…二人とも仲良くするんだよ…
結婚はまだなのかい?」
「け、結婚?」
僕とプラティナさんは顔を見合わせる…
「あらあら…二人とも顔が真っ赤だよ。あんた達…歳は幾つなんだい?」
「僕は今年で三十です。」
「私は…二十六になります。」
「それじゃもういつでもいい年頃だよ。遅いくらいだね…結婚して子供が出来たらきっと人生が何倍にも楽しくなるよ…
上手く行かなかったものもすんなり上手く行くようになるしね…さあ!まだ片付けがあるんだろ?二人で頑張ってね!!」
そう言って管理人さんは僕達を見送ってくれた。
部屋へ向かう途中でプラティナさんは僕に
「優也さんと私はお付き合いしてることになってるんですね…」
「あ…すみません…そう言わないと管理人さんに協力してもらえないと思って…」
「いえ…良いんです…」
そう言うと彼女は少し悲しげな表情を見せた…
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