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フィギュアな彼女
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「じゃあ…これから私は…ダイスケさんにコーディネートして貰えるんですか?」
「勿論よ…その為に私と二人でアルタイルに行くんだから…ね、ダイスケ君…」
ミヤはまた大粒の涙をポロポロと流し始めた…
「嬉しい…これでまた私は翔べるんだわ…」
ダイスケはゆっくりとミヤのベッドの方に歩み寄ってミヤに声をかけた…
「よろしくね…ミヤさん!」
そう言って僕は手を差し出した。
彼女は涙を拭って僕のその手を握り…
そして笑顔を見せた…
「よろしくお願いします!」
ミヤはベッドから起き上がってリカの前に立った…そして右手を差し出して握手を求める…
「リカさん…私…あなたのような純粋な心の人に出会って毎日が変わったわ…
今までの苦しいだけのスケートから滑る楽しさを思い出したわ…
あなたのおかげよ…ありがとう…」
その言葉にリカのエメラルドグリーンの瞳から涙が溢れ出た…
「うううう…」
「どうしたの?私…なんか悪い事を言ったかしら…」
「違いますよ…」
僕はリカの背中に手を添えて彼女にタオルを渡した…
「リカがスケートを滑るのは人間としての自分の価値を見出す事…だからミヤさんに認めてもらえて彼女は今、本当に人間になれたんです…」
「人間…に…?」
「いいんです…とにかくミヤさんの金メダルに匹敵するものを彼女は手に入れたから…」
ミヤとリカのその姿をカオリもマイも涙を浮かべて見つめていた…
やがてカオリが「そや!じゃあ…ヴェガのコーチは一体誰が…?」と首を傾げた。
「私もちょっとだけしか知らないんだけど、
何でも後任にはデネブから名コーチが来るらしいのよ…秘蔵っ子を連れて…」
ジュンの言葉にカオリは「ブルブル…そんなん来なくてええわ…次はウチとマイがエースになってミヤさんやリカちゃん、姐さん達を倒してみせるんやから…」とおどけて見せた。
「あらあら…期待してるわよ…!また泣かないでよね…」
「ね、姐さん…それは言いっこ無しやで…!」
また部屋中が笑いに包まれたその時…
コンコン!!
部屋をノックする音が聞こえてムクを抱いたシズカが顔を見せた…
「なぁに…?楽しそうね…続きはみんなでカフェに行ってからにしない…?学生杯の打ち上げよ…」
「えっ…もしかしてシズカさんのおごりですか?」
「もう…仕方ないわね…さあ!行くわよ!」
「やったぁ!!」
そして、また僕達は新しい仲間を迎えて楽しい何時もの日常を過ごす事になった…
「ダイちゃーん!練習終わったからカフェに行きましょうよ!私達の食生活も管理してよね…あははは…」
ミキは嬉しそうに笑った…
「ダイスケさん…その…また今日もパフェを食べていいですか?」
リカのその言葉に僕は笑顔で大きく頷いた。リカは嬉しそうにまた僕の大好きな笑顔を見せてくれる…
「ダイスケさん…というわけで…これ!差し上げますからよろしくお願いします!」
ミヤさんから手渡されたのは〝スイーツ割引券〟と書かれたクーポン券だった…
「ミヤさん…これってまさか…僕が払うの…?」
「あははは…ダイスケさん…早く早く!」
リンクに舞う女神達は嬉しそうに駆け出した…
ヴェガでのあの日…アップルブロッサムの丘で吹いた頬を突き刺すような冷たい風が吹いた…
アルタイルにももうすぐ冬がやって来る…僕は秋の高い空を見上げた…
一人ぼっちだった僕に信じられないくらい素敵な彼女が出来た…
兄貴は失ってしまったけれどその代わりに彼女は僕に素晴らしい毎日とかけがえの無い仲間を与えてくれた…
彼女は僕が作ったフィギュアだったが…今では誰にも愛される可愛い人間の女の子…
あなたの部屋に大切にしているフィギュアはありますか?これからもその子をずっと大切にしてあげてくださいね…
きっと毎日…笑顔であなたの事を嬉しそうに見つめてくれますよ…
フィギュアな彼女 第一部 完
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
「勿論よ…その為に私と二人でアルタイルに行くんだから…ね、ダイスケ君…」
ミヤはまた大粒の涙をポロポロと流し始めた…
「嬉しい…これでまた私は翔べるんだわ…」
ダイスケはゆっくりとミヤのベッドの方に歩み寄ってミヤに声をかけた…
「よろしくね…ミヤさん!」
そう言って僕は手を差し出した。
彼女は涙を拭って僕のその手を握り…
そして笑顔を見せた…
「よろしくお願いします!」
ミヤはベッドから起き上がってリカの前に立った…そして右手を差し出して握手を求める…
「リカさん…私…あなたのような純粋な心の人に出会って毎日が変わったわ…
今までの苦しいだけのスケートから滑る楽しさを思い出したわ…
あなたのおかげよ…ありがとう…」
その言葉にリカのエメラルドグリーンの瞳から涙が溢れ出た…
「うううう…」
「どうしたの?私…なんか悪い事を言ったかしら…」
「違いますよ…」
僕はリカの背中に手を添えて彼女にタオルを渡した…
「リカがスケートを滑るのは人間としての自分の価値を見出す事…だからミヤさんに認めてもらえて彼女は今、本当に人間になれたんです…」
「人間…に…?」
「いいんです…とにかくミヤさんの金メダルに匹敵するものを彼女は手に入れたから…」
ミヤとリカのその姿をカオリもマイも涙を浮かべて見つめていた…
やがてカオリが「そや!じゃあ…ヴェガのコーチは一体誰が…?」と首を傾げた。
「私もちょっとだけしか知らないんだけど、
何でも後任にはデネブから名コーチが来るらしいのよ…秘蔵っ子を連れて…」
ジュンの言葉にカオリは「ブルブル…そんなん来なくてええわ…次はウチとマイがエースになってミヤさんやリカちゃん、姐さん達を倒してみせるんやから…」とおどけて見せた。
「あらあら…期待してるわよ…!また泣かないでよね…」
「ね、姐さん…それは言いっこ無しやで…!」
また部屋中が笑いに包まれたその時…
コンコン!!
部屋をノックする音が聞こえてムクを抱いたシズカが顔を見せた…
「なぁに…?楽しそうね…続きはみんなでカフェに行ってからにしない…?学生杯の打ち上げよ…」
「えっ…もしかしてシズカさんのおごりですか?」
「もう…仕方ないわね…さあ!行くわよ!」
「やったぁ!!」
そして、また僕達は新しい仲間を迎えて楽しい何時もの日常を過ごす事になった…
「ダイちゃーん!練習終わったからカフェに行きましょうよ!私達の食生活も管理してよね…あははは…」
ミキは嬉しそうに笑った…
「ダイスケさん…その…また今日もパフェを食べていいですか?」
リカのその言葉に僕は笑顔で大きく頷いた。リカは嬉しそうにまた僕の大好きな笑顔を見せてくれる…
「ダイスケさん…というわけで…これ!差し上げますからよろしくお願いします!」
ミヤさんから手渡されたのは〝スイーツ割引券〟と書かれたクーポン券だった…
「ミヤさん…これってまさか…僕が払うの…?」
「あははは…ダイスケさん…早く早く!」
リンクに舞う女神達は嬉しそうに駆け出した…
ヴェガでのあの日…アップルブロッサムの丘で吹いた頬を突き刺すような冷たい風が吹いた…
アルタイルにももうすぐ冬がやって来る…僕は秋の高い空を見上げた…
一人ぼっちだった僕に信じられないくらい素敵な彼女が出来た…
兄貴は失ってしまったけれどその代わりに彼女は僕に素晴らしい毎日とかけがえの無い仲間を与えてくれた…
彼女は僕が作ったフィギュアだったが…今では誰にも愛される可愛い人間の女の子…
あなたの部屋に大切にしているフィギュアはありますか?これからもその子をずっと大切にしてあげてくださいね…
きっと毎日…笑顔であなたの事を嬉しそうに見つめてくれますよ…
フィギュアな彼女 第一部 完
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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