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お部屋デート
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僕はミヤさんの布団の中の暑さと息苦しさですっかり逆上《のぼ》せてしまっていた…
グッタリして意識が朦朧としてしまっている僕の頭を膝枕に乗せてミヤさんは手の平を僕の額や頬に当てて熱を冷ましてくれていたのだった…
「う…うん…」
「ダイスケさん!気が付きましたか?良かった…」
「僕は…えーっとミヤさんと話してたらコーチの声がして…布団に飛び込んで…そして逆上せてしまったんですね…すみません!」
申し訳ない気持ちが伝わったのだろうか…?
彼女は「そんな…仕方無かったですから…でも…ダイスケさん…私の…その…アレ…見ました?」
「…えっ?ミヤさんのアレ…?何の事か分からないけど真っ暗で何も見えなかったですよ…ただ…柔らかい感触だけが…」
ダイスケは思い出して真っ赤になった…
ミヤもダイスケの表情を見て自分も真っ赤になった。
「もう…思い出さないで!ダイスケさんのエッチ!」
「あああ!!…すみません!ゴメンなさい!」
ミヤさんにエッチと言われて僕の顔は赤から青に変わった…
ひたすら謝るダイスケを見てミヤは愛おしくなった…
クスッと笑ってから「私もゴメンなさい!あなたのおかげで元気が出ました…
明日は敵同士だけど…お互いに頑張りましょうね…」
そう言ってミヤは握手を求めた。
「は、はい…!!」
ダイスケは嬉しそうな笑顔で…右手を服でゴシゴシ拭いてからミヤの手を握った。
「じゃあ…帰ります!」
「はい!」
その時、ダイスケのお腹がグウ~ッと鳴った…続いてミヤもグウ~ッと鳴る…
「は、腹減った…なんか帰って食べないと…!」
「私も…夕飯食べてないんです…あっ!そうだ…!」
ミヤはテーブルの上のサンドウィッチとカフェ・オ・レを持って来た…
「冷たくなっちゃったけど…一緒に食べましょう…ウフフ…」
「い、いいんですか…?」
「わざわざ来て貰ったお礼です…」
「ありがとうございます…パクッ…う、美味い…」
美味しそうにサンドウィッチを食べるダイスケを見つめるミヤ…いつの間にか彼女に笑顔が戻っていた…
「ねぇ…ダイスケさん…」
「モグモグ…は、はい!」
「いつか私がお料理を作ったら…食べて貰えますか…?」
「えっ…そんなの絶対に食べるに決まってるじゃないですか…ミヤさんの手料理なんてきっと男なら誰でも食べたいと思いますよ…
さあ…ミヤさんも食べて下さいよ!食べないと明日に響きますよ…!」
「は、はい!」
ミヤは嬉しそうにダイスケと一緒にサンドウィッチを頬張った。
ジュンは自分の部屋に戻ってきていた…
さっき、ミドリと話していた内容をもう一度頭の中で整理していた…
「あなたしかいないの…お願い…引き受けて貰えないかしら…?」
「…少しだけ…時間を貰えませんか…?」
ジュンは思いがけないミドリの言葉に心が揺れていた…
その時…
ザッ!…タッタッタッタッ…
庭に誰かいる!ジュンは慌てて一階のベランダの窓を開けて外を見た…
若い男の子の走って行く後ろ姿…
そして上の階のベランダから白い物がぶら下がっているのが見えた…
「カーテン?」
声や音を立てずにそっと上の階のベランダを覗くとミヤが小さくなっていく男の子の背中をいつまでも見送っていた…
ジュンは吹っ切れたように笑う…
「なるほど…これは私が一肌脱ぐしかないわね…」
踵を返してジュンは部屋を出てミドリの部屋へ向かった。
ドアをノックするジュン…
しばらくしてドアを開けてミドリが顔を見せた…
「あら…どうしたの…?」
「コーチ…先程のお話…お受けさせて貰おうと思います…!
…ですが…一つだけお願いがあります…」
グッタリして意識が朦朧としてしまっている僕の頭を膝枕に乗せてミヤさんは手の平を僕の額や頬に当てて熱を冷ましてくれていたのだった…
「う…うん…」
「ダイスケさん!気が付きましたか?良かった…」
「僕は…えーっとミヤさんと話してたらコーチの声がして…布団に飛び込んで…そして逆上せてしまったんですね…すみません!」
申し訳ない気持ちが伝わったのだろうか…?
彼女は「そんな…仕方無かったですから…でも…ダイスケさん…私の…その…アレ…見ました?」
「…えっ?ミヤさんのアレ…?何の事か分からないけど真っ暗で何も見えなかったですよ…ただ…柔らかい感触だけが…」
ダイスケは思い出して真っ赤になった…
ミヤもダイスケの表情を見て自分も真っ赤になった。
「もう…思い出さないで!ダイスケさんのエッチ!」
「あああ!!…すみません!ゴメンなさい!」
ミヤさんにエッチと言われて僕の顔は赤から青に変わった…
ひたすら謝るダイスケを見てミヤは愛おしくなった…
クスッと笑ってから「私もゴメンなさい!あなたのおかげで元気が出ました…
明日は敵同士だけど…お互いに頑張りましょうね…」
そう言ってミヤは握手を求めた。
「は、はい…!!」
ダイスケは嬉しそうな笑顔で…右手を服でゴシゴシ拭いてからミヤの手を握った。
「じゃあ…帰ります!」
「はい!」
その時、ダイスケのお腹がグウ~ッと鳴った…続いてミヤもグウ~ッと鳴る…
「は、腹減った…なんか帰って食べないと…!」
「私も…夕飯食べてないんです…あっ!そうだ…!」
ミヤはテーブルの上のサンドウィッチとカフェ・オ・レを持って来た…
「冷たくなっちゃったけど…一緒に食べましょう…ウフフ…」
「い、いいんですか…?」
「わざわざ来て貰ったお礼です…」
「ありがとうございます…パクッ…う、美味い…」
美味しそうにサンドウィッチを食べるダイスケを見つめるミヤ…いつの間にか彼女に笑顔が戻っていた…
「ねぇ…ダイスケさん…」
「モグモグ…は、はい!」
「いつか私がお料理を作ったら…食べて貰えますか…?」
「えっ…そんなの絶対に食べるに決まってるじゃないですか…ミヤさんの手料理なんてきっと男なら誰でも食べたいと思いますよ…
さあ…ミヤさんも食べて下さいよ!食べないと明日に響きますよ…!」
「は、はい!」
ミヤは嬉しそうにダイスケと一緒にサンドウィッチを頬張った。
ジュンは自分の部屋に戻ってきていた…
さっき、ミドリと話していた内容をもう一度頭の中で整理していた…
「あなたしかいないの…お願い…引き受けて貰えないかしら…?」
「…少しだけ…時間を貰えませんか…?」
ジュンは思いがけないミドリの言葉に心が揺れていた…
その時…
ザッ!…タッタッタッタッ…
庭に誰かいる!ジュンは慌てて一階のベランダの窓を開けて外を見た…
若い男の子の走って行く後ろ姿…
そして上の階のベランダから白い物がぶら下がっているのが見えた…
「カーテン?」
声や音を立てずにそっと上の階のベランダを覗くとミヤが小さくなっていく男の子の背中をいつまでも見送っていた…
ジュンは吹っ切れたように笑う…
「なるほど…これは私が一肌脱ぐしかないわね…」
踵を返してジュンは部屋を出てミドリの部屋へ向かった。
ドアをノックするジュン…
しばらくしてドアを開けてミドリが顔を見せた…
「あら…どうしたの…?」
「コーチ…先程のお話…お受けさせて貰おうと思います…!
…ですが…一つだけお願いがあります…」
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