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ALL FOR ONE
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「こっちは出来たわ…」
「私も…」
ヴェガの三人のエリジブルは心なしか元気が無い…
彼女達に責任は微塵も無いがあんな事があって平常心でいられる訳が無いだろう…
何とか成功させて彼女達にも伸び伸びと滑ってもらいたい…
「ありがとうございます!
さあ…絶対に成功させるぞ!!
みんなが心置き無く滑れるように…!!」
僕はわざと大袈裟に彼女達に声かけをした…
その言葉にヴェガのメンバーも苦笑いのような笑みを浮かべてくれた…
ちょうどその時…
「すみません!部長から説明を受けました!サインを頂きに上がりました!」
「ありがとうございます!こちらです…」
僕はエリジブルの選手五人のサインをサークルの部員の女の子に渡した…
学生杯と言っても星間戦…三万人を収容出来る会場は超満員…ボルテージは最高潮である…
そんな中、一人のスケートサークルの女子部員が女性のスケートファンに声をかけた…
「すみません!私、アルタイルスクールのスケートサークル部員ですが…」
「…はい?」
「実は今日ウチの選手の演出でそのネイルブレードが必要なんです。一枚だけで結構です…お譲り頂けないでしょうか?
実はここに今日出場する五人の選手のサインをご用意してあります。これのいずれかと交換して頂けたら…」
「えっ?ミ、ミヤさんのサイン…
私、大ファンなんです!一枚と交換して頂けるんですか?」
「ええ…ネイルブレードは一枚あたり200ララ位ですよね…宜しくお願いします…」
「勿論です!ああ!嬉しい!ありがとうございます!」
すると近くでその様子を見ていた他のファンが「あの…私も交換してもらえるでしょうか?」
「ありがとうございます!助かります!」
「なぁ…リカ選手って新人か?」
「バカ!あのイーナダンスの…」
「ああ!あのアイドルみたいに可愛い子か?」
「すみません!俺はリカ選手のサインと交換してください!」
瞬く間にサインは飛ぶように無くなっていき、代わりにネイルブレードがどんどん集まっていく…
そのネイルブレードはダイスケ達が待っているロッカールーム横の使っていない部屋へと運ばれた…
「お待たせしました…」
「ありがとうございます!さあ…始めましょうか!」
ダイスケは透明軟質プラスチック素材のネイルブレードを中のギミックに傷をつけないように借りてきたパンチで穴を開けた…
その穴にソフトワイヤーを通したものをシズカとミドリコーチとジュンコーチの三人はマネキンに着せたリカの練習着に一斉に縫い付け始めた…
時計は開始一時間前を指していた…
ミドリコーチは大きな声で叫んだ…
「リカさんは着替え以外の用意…
それ以外の人は自分の出場の準備をするのよ!勿論、ミヤさん…カオリさん…マイさんもよ!
大丈夫!私達三人で絶対間に合わせて見せるから!」
ジュンコーチはミドリコーチを見つめた…
「コーチ…私達は…」
「こんな事の為に大事な才能が埋もれてしまうなんて…大損害だわ…ね…シズカ…」
シズカさんも必死に手を動かしているがニコッと笑って頷いた…
「ほら…何してるの…行くわよ…コーチの話を聞いたでしょう!…信じるのよ…今はそれだけしかないわ…」
ミキはカオリとマイの背中を押すようにして部屋を出た…
しかしミヤはジュンコーチの元に駆け寄って「私にも手伝わせてください!お願いします!衣装の仕上げもやり遂げて…必ず結果も残してみせます!」
コーチはミヤを見つめて…そして苦笑いをした…
「あなたらしいわね…パーフェクトクイーン…
分かったわ…でも三十分前までよ!それを超えたらあなたが嫌だって言ってもここを追い出すわ!
…それでいい?」
「はい!分かりました…」
ミヤはネイルブレードを一つ握りしめてソフトワイヤーを穴に通す作業を始めた。
「助かるわ…ありがとう…」
縫い付けに集中しながらも心のこもったシズカの言葉にミヤにも少しだけ笑顔が戻った…
「ようし…僕は演出プログラムを大会本部に行って変更してもらってくるよ…
リカは衣装が出来たらすぐにここで着替えてリンクへ急いで…いいね!」
「はい!」
「私も…」
ヴェガの三人のエリジブルは心なしか元気が無い…
彼女達に責任は微塵も無いがあんな事があって平常心でいられる訳が無いだろう…
何とか成功させて彼女達にも伸び伸びと滑ってもらいたい…
「ありがとうございます!
さあ…絶対に成功させるぞ!!
みんなが心置き無く滑れるように…!!」
僕はわざと大袈裟に彼女達に声かけをした…
その言葉にヴェガのメンバーも苦笑いのような笑みを浮かべてくれた…
ちょうどその時…
「すみません!部長から説明を受けました!サインを頂きに上がりました!」
「ありがとうございます!こちらです…」
僕はエリジブルの選手五人のサインをサークルの部員の女の子に渡した…
学生杯と言っても星間戦…三万人を収容出来る会場は超満員…ボルテージは最高潮である…
そんな中、一人のスケートサークルの女子部員が女性のスケートファンに声をかけた…
「すみません!私、アルタイルスクールのスケートサークル部員ですが…」
「…はい?」
「実は今日ウチの選手の演出でそのネイルブレードが必要なんです。一枚だけで結構です…お譲り頂けないでしょうか?
実はここに今日出場する五人の選手のサインをご用意してあります。これのいずれかと交換して頂けたら…」
「えっ?ミ、ミヤさんのサイン…
私、大ファンなんです!一枚と交換して頂けるんですか?」
「ええ…ネイルブレードは一枚あたり200ララ位ですよね…宜しくお願いします…」
「勿論です!ああ!嬉しい!ありがとうございます!」
すると近くでその様子を見ていた他のファンが「あの…私も交換してもらえるでしょうか?」
「ありがとうございます!助かります!」
「なぁ…リカ選手って新人か?」
「バカ!あのイーナダンスの…」
「ああ!あのアイドルみたいに可愛い子か?」
「すみません!俺はリカ選手のサインと交換してください!」
瞬く間にサインは飛ぶように無くなっていき、代わりにネイルブレードがどんどん集まっていく…
そのネイルブレードはダイスケ達が待っているロッカールーム横の使っていない部屋へと運ばれた…
「お待たせしました…」
「ありがとうございます!さあ…始めましょうか!」
ダイスケは透明軟質プラスチック素材のネイルブレードを中のギミックに傷をつけないように借りてきたパンチで穴を開けた…
その穴にソフトワイヤーを通したものをシズカとミドリコーチとジュンコーチの三人はマネキンに着せたリカの練習着に一斉に縫い付け始めた…
時計は開始一時間前を指していた…
ミドリコーチは大きな声で叫んだ…
「リカさんは着替え以外の用意…
それ以外の人は自分の出場の準備をするのよ!勿論、ミヤさん…カオリさん…マイさんもよ!
大丈夫!私達三人で絶対間に合わせて見せるから!」
ジュンコーチはミドリコーチを見つめた…
「コーチ…私達は…」
「こんな事の為に大事な才能が埋もれてしまうなんて…大損害だわ…ね…シズカ…」
シズカさんも必死に手を動かしているがニコッと笑って頷いた…
「ほら…何してるの…行くわよ…コーチの話を聞いたでしょう!…信じるのよ…今はそれだけしかないわ…」
ミキはカオリとマイの背中を押すようにして部屋を出た…
しかしミヤはジュンコーチの元に駆け寄って「私にも手伝わせてください!お願いします!衣装の仕上げもやり遂げて…必ず結果も残してみせます!」
コーチはミヤを見つめて…そして苦笑いをした…
「あなたらしいわね…パーフェクトクイーン…
分かったわ…でも三十分前までよ!それを超えたらあなたが嫌だって言ってもここを追い出すわ!
…それでいい?」
「はい!分かりました…」
ミヤはネイルブレードを一つ握りしめてソフトワイヤーを穴に通す作業を始めた。
「助かるわ…ありがとう…」
縫い付けに集中しながらも心のこもったシズカの言葉にミヤにも少しだけ笑顔が戻った…
「ようし…僕は演出プログラムを大会本部に行って変更してもらってくるよ…
リカは衣装が出来たらすぐにここで着替えてリンクへ急いで…いいね!」
「はい!」
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