フィギュアな彼女

奏 隼人

文字の大きさ
上 下
52 / 92

リンクの妖精=プールサイドの妖精

しおりを挟む
その頃…リンクではリカのエキシビジョンの演技が終わろうとしていた。


ヴェガとアルタイルに伝わる織姫と彦星伝説をモチーフにしたミルキーウェイストーリーという曲に合わせて舞うリカにギャラリーは魅了された…

何よりもギャラクシーチューブでリカのスケーティングを見てファンになり、今日初めて彼女を見た彼等にとってはその演技の美しさは格別だったに違いない…


今日は黒の練習着だが、本番はシズカさんが作ったミルキーウェイのスパンコールが綺麗に輝く衣装で更に滑りに華を添えることであろう…

リカの演技が終わった後、ジュンコーチがマイクを持って観客席に向かって「皆さん今日はアルタイルスクールの皆さんが我々のスクールにお立ち寄りくださいました。

明日から星間杯が始まり、我々もライバル校としてトップを争うことになります。でも…その前に我々は同じスケートを愛して極めていく仲間でもあるのです。全力を出し尽くして戦えるように両校に対しての応援をよろしくお願い致します!」

ミドリコーチもジュンコーチに寄り添って二人で観客席に向かって深々とお辞儀をされた…

観客席からは惜しみない拍手が起こって選手達には笑顔の花が咲く…

観客席の最上段から僕とノブ…そしてミヤさんも顔を見合わせて微笑み合った…




そしてリカ達…選手やコーチもロッカールームに引き上げたのを見て観客席の通路は帰路につく人々で一杯になった…

僕も席から立ち上がってリカを迎えに行こうとしたその時、「ねえ…ダイちゃん!」「あの…ダイスケさん!」ノブとミヤさんが同時に僕に話しかけた…

二人は顔を見合わせて驚いた…

「あっ!先にどうぞ!」

「いえ…そちらからどうぞ…」

「すみません…じゃあ…」

ノブが申し訳無さそうに僕に向かって「ダイちゃん…この後、昼食を食べてからはどうするの?観光?」

「いや…本当はね、ここのプールで泳ごうかなと思ってたんだけど、さっきネットで調べたら本日は貸し切りの為にお休みだって…仕方ないからノブの言うように少しだけ観光でもしようかな…」

「あの!」

その時、ミヤさんが僕達に声をかけた。僕には不思議とその表情は明るくて嬉しそうに思えた…

「実はプールを借り切ったのは私達なんです…」


「えっ?そうなんですか…」

「ご存知の通り私達エリジブルは薬物検査ドーピングチェックがあるので試合前と試合後は不特定多数の方々と同じ施設を利用することに制限がかかるのです。

でもアルタイルのスケートサークルの方々と一緒ならきっと許可が降りるはずです。良かったらお食事とプール…私達とご一緒しませんか?」
 
「本当ですか…本当に良いのでしたら嬉しいけど…」

僕はチラッとノブの表情を見てから…彼女に質問した。

「ぼ、僕達は男子部員ですけど…ミヤさん達とご一緒してよろしいのでしょうか?」

「もちろんです…ウフフ…」



…ということで僕達はリカとミキ…アルタイル スクールとミヤさん達…ヴェガスクールのエリジブルの選手みんなで一緒にプールに行く事になった…時間もお昼には少し早いのでプールサイドカフェでみんなで食べる事になった。

プールサイドでノブと二人、女子の着替えを待っていると…「あ~ん!ゴメンなぁ…待たせてしもたかなぁ…」

「おおお~っ!」みんなの水着姿が眩し過ぎて僕とノブはしばらく直視出来ずにその場に佇んだ…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

御手洗さんの言うことには…

daisysacky
ライト文芸
ちょっと風変わりな女子高校生のお話です。 オムニバスストーリーなので、淡々としていますが、気楽な気分で読んでいただけると ありがたいです。

サイケデリック!ブルース!オルタナティブ!パンク!!

大西啓太
ライト文芸
日常生活全般の中で自然と編み出された詩集。

小鬼は優しいママが欲しい

siyami kazuha
ライト文芸
「ねえ、君は今、幸せ? 俺は今──」 「健やかに育て、健やかに巣立てと思っているのに」 誰かがわかってくれれば、それでいい。 母親との折り合いが悪く、心に傷を負った新米高校生アイドルの小鬼と、そのマネージャーをしている元アイドルのパパとの、ちょこっと優しくてちょっぴり切ない二人暮らし。

【完結】背中に羽をもつ少年が32歳のこじらせ女を救いに来てくれた話。【キスをもう一度だけ】

remo
ライト文芸
ーあの日のやり直しを、弟と入れ替わった元カレと。― トラウマ持ちの枯れ女・小牧ゆりの(32)      × 人気モデルの小悪魔男子・雨瀬季生(19)     ↓×↑ 忘れられない元カレ警察官・鷲宮佑京(32)    ――――――――― 官公庁で働く公務員の小牧ゆりの(32)は、男性が苦手。 ある日、かつて弟だった雨瀬季生(19)が家に押しかけてきた。奔放な季生に翻弄されるゆりのだが、季生ならゆりののコンプレックスを解消してくれるかも、と季生に男性克服のためのセラピーを依頼する。 季生の甘い手ほどきにドキドキが加速するゆりの。だが、ある日、空き巣に入られ、動揺している中、捜査警察官として来た元カレの鷲宮佑京(32)と再会する。 佑京こそがコンプレックスの元凶であり、最初で最後の忘れられない恋人。佑京が既婚だと知り落ち込むゆりのだが、再会の翌日、季生と佑京が事故に遭い、佑京は昏睡状態に。 目覚めた季生は、ゆりのに「俺は、鷲宮佑京だ」と告げて、…――― 天使は最後に世界一優しい嘘をついた。 「もう一度キスしたかった」あの日のやり直しを、弟と入れ替わった元カレと。 2021.12.10~

処理中です...