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本当のエース
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見た目も勝ち気な彼女…カオリのスケーティング自体も攻める演技を展開するものだった…
演技は心を映す鏡…次は何を見せてくれるんだろう…ワクワクするような滑りの中、彼女は跳んだ…
彼女はスピードを殺さないようにして踏み切る…
「はっ!」
「あ、あんなスピードから踏み切りを…」
ミドリもリカも驚きの表情を隠せない。
スピードをつけて跳躍距離を伸ばして滞空時間を稼ぐ…その時間を使って彼女は優雅に身体を回転させる。 〝スピード & テクニック〟これが彼女のスケートの真髄であった。
「ウフフフ…」
演技を終えて決めポーズでカオリはマイに負けないくらいのドヤ顔を決めた…勿論、リカはカオリのスケーティングにも引き込まれて
惜しみない拍手を満面の笑みで送っている…
カオリはリンクからリカを指差した。
「次はアンタやで!リカちゃん!さあ…見せてもらおうか…グラビティ・ゼロの世界を…」
「えっ?グラビティ?」
「何でもあらへん!ウチらはあんたを見に来たんやで…さあ!」
「わ、分かりました…」
リカはトレーニングウェアのジップに手をかけて上着を脱いだ…
ミドリはリカに振り付けと曲を与えていた…
それが「織姫と彦星の伝説」である…
リカは織姫風の衣装を身に着けて彦星を想って会える日を待つ健気な女性を演じる…
リカはリンクに降りて真っ直ぐリンクの中央へ向かった…そしてスタートポジションに就いた…
「リカさん…行くわよ…」
ミドリコーチはデータを取るためのタブレット端末を操作してリンクに曲を流す…
リカの演技が始まった。
ヴェガのメンバーに負けない綺麗で滑らかな所作から最初のジャンプへの体勢に入る…
前向きに踏み切ろうとしているのでアクセルだと誰もが思ったがリカは上半身をまるでスピードスケートの選手のダッシュのように一瞬ひねった…
その時、ミドリが驚きの表情で突然叫んだ…
「リカさん!」
リカはハッと何かに気づいたようにいつもの体勢に戻す…
しかし、踏み切る直前に一連の動作を行ったために、わずかにバランスを崩して二回転して着地した…
カオリはニヤリと笑ってから「あーあ!調子悪いんかな?リカちゃん…動画撮った時はMAXやったんかな…?」とマイに話しかけた…
マイもニヤリと笑ったがその問いには答えなかった…
しかし後ろにいたミヤは目を大きく見開いてリカを追っていた…
「あ…あの子…今、何かやろうとしたわ!でもコーチが制して途中で止めたのよ…」
その後のリカは申し分無かった…
ムクや多くの人とのコミュニケーションが彼女に素晴らしい感性を与えて、表現力は格段にアップしていた…彼女の感情の波はミドリが人形に例えたようなそれとは全く別物…豊かな感情の表現にみんな驚いた…
更にMAYAのヨガトレーニングがリカの長い手足の所作をより美しく見せた…強いて言うならやはりジャンプが曖昧になった所だけが惜しむべき演技となった…
タオルを持ってカオリが駆け寄る…
「リカちゃ~ん!惜しかったなぁ…」
タオルを受け取ってリカはお辞儀しながら「はい!ヴェガの皆さんの演技が見られて本当に勉強になります。もっと練習しないと…」
「せやせや!ウチとかマイマイの演技見て、早よう上手くなってや…」
その時、スタンドから聞き覚えのある大きな声が聞こえた…
「何よ!リカさん…あなたこんな中堅クラスに偉そうにされてよく黙ってるわね!」
みんなが視線を向けたその先にはシズカさんの押す車椅子に乗った紛れも無いアルタイルのエースがいた…
「ミキ…⁉︎」
「ミキさん…!!」
演技は心を映す鏡…次は何を見せてくれるんだろう…ワクワクするような滑りの中、彼女は跳んだ…
彼女はスピードを殺さないようにして踏み切る…
「はっ!」
「あ、あんなスピードから踏み切りを…」
ミドリもリカも驚きの表情を隠せない。
スピードをつけて跳躍距離を伸ばして滞空時間を稼ぐ…その時間を使って彼女は優雅に身体を回転させる。 〝スピード & テクニック〟これが彼女のスケートの真髄であった。
「ウフフフ…」
演技を終えて決めポーズでカオリはマイに負けないくらいのドヤ顔を決めた…勿論、リカはカオリのスケーティングにも引き込まれて
惜しみない拍手を満面の笑みで送っている…
カオリはリンクからリカを指差した。
「次はアンタやで!リカちゃん!さあ…見せてもらおうか…グラビティ・ゼロの世界を…」
「えっ?グラビティ?」
「何でもあらへん!ウチらはあんたを見に来たんやで…さあ!」
「わ、分かりました…」
リカはトレーニングウェアのジップに手をかけて上着を脱いだ…
ミドリはリカに振り付けと曲を与えていた…
それが「織姫と彦星の伝説」である…
リカは織姫風の衣装を身に着けて彦星を想って会える日を待つ健気な女性を演じる…
リカはリンクに降りて真っ直ぐリンクの中央へ向かった…そしてスタートポジションに就いた…
「リカさん…行くわよ…」
ミドリコーチはデータを取るためのタブレット端末を操作してリンクに曲を流す…
リカの演技が始まった。
ヴェガのメンバーに負けない綺麗で滑らかな所作から最初のジャンプへの体勢に入る…
前向きに踏み切ろうとしているのでアクセルだと誰もが思ったがリカは上半身をまるでスピードスケートの選手のダッシュのように一瞬ひねった…
その時、ミドリが驚きの表情で突然叫んだ…
「リカさん!」
リカはハッと何かに気づいたようにいつもの体勢に戻す…
しかし、踏み切る直前に一連の動作を行ったために、わずかにバランスを崩して二回転して着地した…
カオリはニヤリと笑ってから「あーあ!調子悪いんかな?リカちゃん…動画撮った時はMAXやったんかな…?」とマイに話しかけた…
マイもニヤリと笑ったがその問いには答えなかった…
しかし後ろにいたミヤは目を大きく見開いてリカを追っていた…
「あ…あの子…今、何かやろうとしたわ!でもコーチが制して途中で止めたのよ…」
その後のリカは申し分無かった…
ムクや多くの人とのコミュニケーションが彼女に素晴らしい感性を与えて、表現力は格段にアップしていた…彼女の感情の波はミドリが人形に例えたようなそれとは全く別物…豊かな感情の表現にみんな驚いた…
更にMAYAのヨガトレーニングがリカの長い手足の所作をより美しく見せた…強いて言うならやはりジャンプが曖昧になった所だけが惜しむべき演技となった…
タオルを持ってカオリが駆け寄る…
「リカちゃ~ん!惜しかったなぁ…」
タオルを受け取ってリカはお辞儀しながら「はい!ヴェガの皆さんの演技が見られて本当に勉強になります。もっと練習しないと…」
「せやせや!ウチとかマイマイの演技見て、早よう上手くなってや…」
その時、スタンドから聞き覚えのある大きな声が聞こえた…
「何よ!リカさん…あなたこんな中堅クラスに偉そうにされてよく黙ってるわね!」
みんなが視線を向けたその先にはシズカさんの押す車椅子に乗った紛れも無いアルタイルのエースがいた…
「ミキ…⁉︎」
「ミキさん…!!」
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