フィギュアな彼女

奏 隼人

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車椅子

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僕とリカが公認でお付き合いすることになって数日が経ったある日、ノブから通話の着信があって電話を取った僕は先日、見学中に突然帰ってしまった事を謝った。

「ああ、そんな事全然、構わないよ…むしろコーチは興奮しすぎてダイちゃんに酷い言い方をしたって後悔していたみたいだったよ…

それでね、キチンとお詫びをしたいのでいつでもいいから彼女を連れてサークルに顔を出してくれないかなって…どうかな?」


僕は側でバニラアイスを食べるリカに事情を話すと「私も…ちゃんとお詫びします。コーチに謝りたいです…」と彼女は恥ずかしそうに頷いた。





午前中にカリキュラムを終えた僕達は午後から二人でスケートリンクに足を運ぶことにした…

「はい!今のところをもう一度最初からやってみましょう…!」

…リンクの側で選手を指導するミドリコーチの側に僕達は歩み寄った。

「あの…」

「ああ…あなた達…」

「こんにちは…先日はすみませんでした…良ければまた見学させてもらってもよろしいでしょうか?」

リカも僕の横で頭を下げた…

「あの…こないだは生意気な事を言ってしまってすみませんでした。スケート…とても楽しかったのでまた見学させて頂きたくて来ました…」

ミドリコーチは少し涙を浮かべて

「いいえ…いいのよ…ダイスケ君だったわね。見学に来てくれたあなたにあんな言い方をしてしまって…私こそ指導者として失格だわ。とても反省しています。許してくれるかしら…?」

ミドリコーチの誠実な対応に少し恐縮した僕達は…「いえ…とんでもないです。リカやノブと一緒に楽しくスケートが出来れば良いなと思っています。」

「そう…嬉しいわ!少しずつ頑張ってね…」



ミドリコーチはリカの前に歩み寄った…

「あなた…リカさんだったわね…あなたには
素晴らしい素質があるわ。

あなたさえ良ければ一緒にスケート競技を頑張ってやってみない?あなたのやる気にもよるけど私はナショナルチームに入れるくらいの選手になると思っているわ…どうかしら?」


「は…はい!その…ダイスケさんと一緒になら頑張れると思います…」

「そう…あなた達は付き合っているの?」

ミドリコーチの言葉に僕達は真っ赤になって「ま、まあ…一応…」と返事をした。

「うふふ…可愛いわね…お互いを応援して上手くなるといいわね…頑張りましょう…よろしくね!」

ミドリコーチは笑顔で僕達と握手をしてくださった。

こうして僕達二人はスケートサークルに入部することになった。




ふと隣のリンクを見るとエキスパートクラスのメンバーが練習している…

ミキもいるのかな…?

ミキを探して選手達を目で追っていくと意外な場所で彼女の姿を目にした僕は思わず声を上げてしまった…


「えっ…?」

ミキはリンクの横で車椅子に乗っていた…
右足首には包帯を巻いている…

僕はその光景を見てすぐにコーチの元に駆け寄った…

「コーチ!ミキは…彼女はどうしたんですか?」
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