8 / 92
君の温もり
しおりを挟む
僕達はそれから色々サークルを回った…
「どう?何かやりたい事は…?」
「すみません…特に無かったです…」
「ゆっくりでいいからさ…自分のやりたい事を見つけなよ…」
「ダイスケさん…私、思うんです…
やっぱり私がこの世に生まれて来た意義はフィギュアとして人の目を楽しませて喜んでもらえるようにする事…
だから私はダイスケさんに喜んでもらえたらそれで嬉しいのです…
…男性は女性とのキスやハグの直接的なコミュニケーションが嬉しいとネットワークで見ました。
ダイスケさんも…私がダイスケさんに触れたら喜んでもらえますか…?」
そう言って彼女は目を閉じて僕にキスを求めた…でも…
「僕は嬉しくないよ…」
目を伏せた僕を見てリカは不思議そうな表情をした。
「えっ?」
「君に慰めるような事をしてもらっても僕は嬉しくない…君は兄貴の形見…兄貴から命を受け継いだんだ…
僕もシズカさんも君が血の通わないフィギュアから人間として産まれてくれて嬉しいんだよ…
だから君は人間として君の好きなように生きるべきなんだよ…」
「そんな…私…私…」
彼女の目から涙が溢れ出す…
僕はリカを抱きしめる…
「ゴメンよ…君を困らせてしまったね…でもこれから僕も一緒に君が生きて行く道を一緒に見つける…絶対に一人きりにはしないよ…」
「本当…ですか?」
「もちろん!」僕は大きく頷いた…
彼女は真っ赤になって…
「あら?…あらら?」
「どうしたの?」
「ちょっと…私…体温が上昇してるかもしれません…」
「た、体調が悪いの?」
「分かりません…でも…ダイスケさん…すみませんがさっきのように私の身体をギュッと抱きしめて貰えませんか?」
「こ、こう…?」
僕はもう一度、彼女の身体を抱きしめた…
彼女の鼓動がトクントクンと脈打っているのを感じる…とてもアンドロイドとは思えない…本当の人間…本当の命である…
「ありがとうございます…
上手く表現出来ませんがカーッと熱くなったのがダイスケさんにこうしてもらっているとその…人間の方はお風呂に入るとリラックス出来るんでしょう…?
そんな感じだと思うのですが…」
「へえ~僕は温泉のような存在なのか…アハハ…」
「あっ!いえ…その…心が包まれているっていうか…私、やっぱり人間じゃないから上手く言えないのかも…」
「君は人間だよ…だって触れ合うと鼓動も聞こえるし…ほら、手からこんなに温もりが伝わってくる…君はとても可愛い女の子だからさ…」
僕が手を握るとリカはまた顔を真っ赤にした…
「ダ、ダイスケさん…私、またパフェが食べたいです…なんとか体温を下げないと…」
「おっ!リカのやりたい事を言ってくれたね…じゃあ…これから一緒に食べに行こうよ…!」
「はい!」
僕はリカと手を繋いで食堂に向かった。
彼女の温もりを感じながら…
「どう?何かやりたい事は…?」
「すみません…特に無かったです…」
「ゆっくりでいいからさ…自分のやりたい事を見つけなよ…」
「ダイスケさん…私、思うんです…
やっぱり私がこの世に生まれて来た意義はフィギュアとして人の目を楽しませて喜んでもらえるようにする事…
だから私はダイスケさんに喜んでもらえたらそれで嬉しいのです…
…男性は女性とのキスやハグの直接的なコミュニケーションが嬉しいとネットワークで見ました。
ダイスケさんも…私がダイスケさんに触れたら喜んでもらえますか…?」
そう言って彼女は目を閉じて僕にキスを求めた…でも…
「僕は嬉しくないよ…」
目を伏せた僕を見てリカは不思議そうな表情をした。
「えっ?」
「君に慰めるような事をしてもらっても僕は嬉しくない…君は兄貴の形見…兄貴から命を受け継いだんだ…
僕もシズカさんも君が血の通わないフィギュアから人間として産まれてくれて嬉しいんだよ…
だから君は人間として君の好きなように生きるべきなんだよ…」
「そんな…私…私…」
彼女の目から涙が溢れ出す…
僕はリカを抱きしめる…
「ゴメンよ…君を困らせてしまったね…でもこれから僕も一緒に君が生きて行く道を一緒に見つける…絶対に一人きりにはしないよ…」
「本当…ですか?」
「もちろん!」僕は大きく頷いた…
彼女は真っ赤になって…
「あら?…あらら?」
「どうしたの?」
「ちょっと…私…体温が上昇してるかもしれません…」
「た、体調が悪いの?」
「分かりません…でも…ダイスケさん…すみませんがさっきのように私の身体をギュッと抱きしめて貰えませんか?」
「こ、こう…?」
僕はもう一度、彼女の身体を抱きしめた…
彼女の鼓動がトクントクンと脈打っているのを感じる…とてもアンドロイドとは思えない…本当の人間…本当の命である…
「ありがとうございます…
上手く表現出来ませんがカーッと熱くなったのがダイスケさんにこうしてもらっているとその…人間の方はお風呂に入るとリラックス出来るんでしょう…?
そんな感じだと思うのですが…」
「へえ~僕は温泉のような存在なのか…アハハ…」
「あっ!いえ…その…心が包まれているっていうか…私、やっぱり人間じゃないから上手く言えないのかも…」
「君は人間だよ…だって触れ合うと鼓動も聞こえるし…ほら、手からこんなに温もりが伝わってくる…君はとても可愛い女の子だからさ…」
僕が手を握るとリカはまた顔を真っ赤にした…
「ダ、ダイスケさん…私、またパフェが食べたいです…なんとか体温を下げないと…」
「おっ!リカのやりたい事を言ってくれたね…じゃあ…これから一緒に食べに行こうよ…!」
「はい!」
僕はリカと手を繋いで食堂に向かった。
彼女の温もりを感じながら…
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

婚約破棄ですか、すでに解消されたはずですが
ふじよし
恋愛
パトリツィアはティリシス王国ラインマイヤー公爵の令嬢だ。
隣国ルセアノ皇国との国交回復を祝う夜会の直前、パトリツィアは第一王子ヘルムート・ビシュケンスに婚約破棄を宣言される。そのかたわらに立つ見知らぬ少女を自らの結婚相手に選んだらしい。
けれど、破棄もなにもパトリツィアとヘルムートの婚約はすでに解消されていた。
※現在、小説家になろうにも掲載中です
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
透明の「扉」を開けて
美黎
ライト文芸
先祖が作った家の人形神が改築によりうっかり放置されたままで、気付いた時には家は没落寸前。
ピンチを救うべく普通の中学2年生、依る(ヨル)が不思議な扉の中へ人形神の相方、姫様を探しに旅立つ。
自分の家を救う為に旅立った筈なのに、古の予言に巻き込まれ翻弄されていく依る。旅の相方、家猫の朝(アサ)と不思議な喋る石の付いた腕輪と共に扉を巡り旅をするうちに沢山の人と出会っていく。
知ったからには許せない、しかし価値観が違う世界で、正解などあるのだろうか。
特別な能力なんて、持ってない。持っているのは「強い想い」と「想像力」のみ。
悩みながらも「本当のこと」を探し前に進む、ヨルの恋と冒険、目醒めの成長物語。
この物語を見つけ、読んでくれる全ての人に、愛と感謝を。
ありがとう
今日も矛盾の中で生きる
全ての人々に。
光を。
石達と、自然界に 最大限の感謝を。

君はプロトタイプ
真鳥カノ
ライト文芸
西暦21XX年。
大地も海も空も、命すらも作り物の世界。
天宮ヒトミは、『天宮 愛』のクローンとして生まれ育った。
生涯を愛に尽くすために存在すると思っていたけれど、それはかなわなくなってしまった。
自分が『ヒトミ』なのか『愛』なのか、迷う曖昧な心を持て余す中、一人の少年と出会う。
以前、『愛』が想いを寄せていた少年『深海尚也』だ。
そう思っていたけれど、少し様子が違う。
彼もまた、尚也のクローンだったのだ。
オリジナルを失ったクローンの二人が目指すものは、オリジナルの完全複製か、それとも……?
目指すものすら曖昧な未完成のクローンたちの生きる道とは……。
※こちらの作品はエブリスタ様、Solispia様にも掲載しております。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

セリフ&声劇台本
まぐろ首領
ライト文芸
自作のセリフ、声劇台本を集めました。
LIVE配信の際や、ボイス投稿の際にお使い下さい。
また、投稿する際に使われる方は、詳細などに
【台本(セリフ):詩乃冬姫】と記入していただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
また、コメントに一言下されば喜びます。
随時更新していきます。
リクエスト、改善してほしいことなどありましたらコメントよろしくお願いします。
また、コメントは返信できない場合がございますのでご了承ください。
日本語しか話せないけどオーストラリアへ留学します!
紫音
ライト文芸
「留学とか一度はしてみたいよねー」なんて冗談で言ったのが運の尽き。あれよあれよと言う間に本当に留学することになってしまった女子大生・美咲(みさき)は、英語が大の苦手。不本意のままオーストラリアへ行くことになってしまった彼女は、言葉の通じないイケメン外国人に絡まれて……?
恋も言語も勉強あるのみ!異文化交流ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる