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君の温もり
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僕達はそれから色々サークルを回った…
「どう?何かやりたい事は…?」
「すみません…特に無かったです…」
「ゆっくりでいいからさ…自分のやりたい事を見つけなよ…」
「ダイスケさん…私、思うんです…
やっぱり私がこの世に生まれて来た意義はフィギュアとして人の目を楽しませて喜んでもらえるようにする事…
だから私はダイスケさんに喜んでもらえたらそれで嬉しいのです…
…男性は女性とのキスやハグの直接的なコミュニケーションが嬉しいとネットワークで見ました。
ダイスケさんも…私がダイスケさんに触れたら喜んでもらえますか…?」
そう言って彼女は目を閉じて僕にキスを求めた…でも…
「僕は嬉しくないよ…」
目を伏せた僕を見てリカは不思議そうな表情をした。
「えっ?」
「君に慰めるような事をしてもらっても僕は嬉しくない…君は兄貴の形見…兄貴から命を受け継いだんだ…
僕もシズカさんも君が血の通わないフィギュアから人間として産まれてくれて嬉しいんだよ…
だから君は人間として君の好きなように生きるべきなんだよ…」
「そんな…私…私…」
彼女の目から涙が溢れ出す…
僕はリカを抱きしめる…
「ゴメンよ…君を困らせてしまったね…でもこれから僕も一緒に君が生きて行く道を一緒に見つける…絶対に一人きりにはしないよ…」
「本当…ですか?」
「もちろん!」僕は大きく頷いた…
彼女は真っ赤になって…
「あら?…あらら?」
「どうしたの?」
「ちょっと…私…体温が上昇してるかもしれません…」
「た、体調が悪いの?」
「分かりません…でも…ダイスケさん…すみませんがさっきのように私の身体をギュッと抱きしめて貰えませんか?」
「こ、こう…?」
僕はもう一度、彼女の身体を抱きしめた…
彼女の鼓動がトクントクンと脈打っているのを感じる…とてもアンドロイドとは思えない…本当の人間…本当の命である…
「ありがとうございます…
上手く表現出来ませんがカーッと熱くなったのがダイスケさんにこうしてもらっているとその…人間の方はお風呂に入るとリラックス出来るんでしょう…?
そんな感じだと思うのですが…」
「へえ~僕は温泉のような存在なのか…アハハ…」
「あっ!いえ…その…心が包まれているっていうか…私、やっぱり人間じゃないから上手く言えないのかも…」
「君は人間だよ…だって触れ合うと鼓動も聞こえるし…ほら、手からこんなに温もりが伝わってくる…君はとても可愛い女の子だからさ…」
僕が手を握るとリカはまた顔を真っ赤にした…
「ダ、ダイスケさん…私、またパフェが食べたいです…なんとか体温を下げないと…」
「おっ!リカのやりたい事を言ってくれたね…じゃあ…これから一緒に食べに行こうよ…!」
「はい!」
僕はリカと手を繋いで食堂に向かった。
彼女の温もりを感じながら…
「どう?何かやりたい事は…?」
「すみません…特に無かったです…」
「ゆっくりでいいからさ…自分のやりたい事を見つけなよ…」
「ダイスケさん…私、思うんです…
やっぱり私がこの世に生まれて来た意義はフィギュアとして人の目を楽しませて喜んでもらえるようにする事…
だから私はダイスケさんに喜んでもらえたらそれで嬉しいのです…
…男性は女性とのキスやハグの直接的なコミュニケーションが嬉しいとネットワークで見ました。
ダイスケさんも…私がダイスケさんに触れたら喜んでもらえますか…?」
そう言って彼女は目を閉じて僕にキスを求めた…でも…
「僕は嬉しくないよ…」
目を伏せた僕を見てリカは不思議そうな表情をした。
「えっ?」
「君に慰めるような事をしてもらっても僕は嬉しくない…君は兄貴の形見…兄貴から命を受け継いだんだ…
僕もシズカさんも君が血の通わないフィギュアから人間として産まれてくれて嬉しいんだよ…
だから君は人間として君の好きなように生きるべきなんだよ…」
「そんな…私…私…」
彼女の目から涙が溢れ出す…
僕はリカを抱きしめる…
「ゴメンよ…君を困らせてしまったね…でもこれから僕も一緒に君が生きて行く道を一緒に見つける…絶対に一人きりにはしないよ…」
「本当…ですか?」
「もちろん!」僕は大きく頷いた…
彼女は真っ赤になって…
「あら?…あらら?」
「どうしたの?」
「ちょっと…私…体温が上昇してるかもしれません…」
「た、体調が悪いの?」
「分かりません…でも…ダイスケさん…すみませんがさっきのように私の身体をギュッと抱きしめて貰えませんか?」
「こ、こう…?」
僕はもう一度、彼女の身体を抱きしめた…
彼女の鼓動がトクントクンと脈打っているのを感じる…とてもアンドロイドとは思えない…本当の人間…本当の命である…
「ありがとうございます…
上手く表現出来ませんがカーッと熱くなったのがダイスケさんにこうしてもらっているとその…人間の方はお風呂に入るとリラックス出来るんでしょう…?
そんな感じだと思うのですが…」
「へえ~僕は温泉のような存在なのか…アハハ…」
「あっ!いえ…その…心が包まれているっていうか…私、やっぱり人間じゃないから上手く言えないのかも…」
「君は人間だよ…だって触れ合うと鼓動も聞こえるし…ほら、手からこんなに温もりが伝わってくる…君はとても可愛い女の子だからさ…」
僕が手を握るとリカはまた顔を真っ赤にした…
「ダ、ダイスケさん…私、またパフェが食べたいです…なんとか体温を下げないと…」
「おっ!リカのやりたい事を言ってくれたね…じゃあ…これから一緒に食べに行こうよ…!」
「はい!」
僕はリカと手を繋いで食堂に向かった。
彼女の温もりを感じながら…
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