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素敵な名前
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「とにかく…こうしちゃいられないわ…彼女は大事な…ニコラの研究の結晶だから…
ダイスケ君、すぐに準備をしてその子と一緒に私の車に乗って…なるべく早くね!!分かった⁉︎」
兄貴もそうだったけど…今、シズカさんは研究者の瞳をしている…
こういう時の彼らは納得いくまで寝食を忘れてでも調べてみたくなる性分であることはよく分かっているつもりである…
シズカさんの運転する車はまだ未知の存在である彼女の健康状態が心配であるのとバイオツリーシステムの研究データを取るためにスクール内の医療機関のある棟に向かっていた…
「さあ…着いたわ…いらっしゃい…」
僕は部屋にいた彼女を連れてシズカさんの後を追った…
そして二時間が過ぎた…
メディカルチェックを終えた彼女は検査着からまた僕のトレーニングウェアに着替えた…
「ふう…ダイスケさん…これでいいですか?」
「お疲れ様…君のカラダに何処か悪い所があるとダメだから…
これからは時々、診てもらわないとね…」
「私…あまりこういうの好きじゃないです…」
「仕方ないよ…僕だってメディカルチェックは毎年受けるよ…」
「じゃあ…ダイスケさんが一緒に居てくれるなら…」
シズカはすぐにメディカルチェックのデータを調べていた…
「スゴイわ…奇跡の融合ね…ほぼ人間と同じだわ…
違うのはAIと脳が結合しているために情報処理速度が半端なく早いこと…
I.Q190に匹敵するわね…しかもまだ伸びしろがあるかも…
そしてもう一つ、ツリーシステムの骨格がポリ・スティール・カーボネート…限りなくしなやかで強い…
常人では考えられない身体の柔らかさとその骨にまとわりついた筋肉の強さと相まってとんでもないパワーを生み出すわ…
ニコラ…私達の娘はとんでもないスーパーウーマンよ…」
昼食を摂るために僕と彼女はスクールの食堂に向かった…
「…僕はハンバーグにしようかな…?キミはどうする?」
「何を食べてもいいんですか?」
「うん…大丈夫。好きな物を食べなよ…」
「じゃあ…これ!」
彼女が選んだのは…ジャンボパフェ?
「これ、すっごく美しい!パーフェクトな造形、糖質も十分とれるし、エネルギーになります!」
「そ、そう…⁉︎」
驚いた事に彼女はジャンボパフェを一人でペロリと平らげた…
「あー美味しかった!!」
目を丸くしている僕に彼女は…
「ダイスケさん…食べないんですか?ダメですよ…エネルギー補給しなきゃ…健康状態が低下します…」
そう言って彼女はフォークでハンバーグを僕の口の前に持ってくる…
「はい、あーんして…」
女性に免疫の無い僕は照れまくった…
「ひ、一人で食べられるよ…」
「だってこうやって貰うと男の人は嬉しいってネットワークにありましたよ…」
「そりゃあ…まあ…」
「あーんして…うふふ。」
僕は彼女に言われるがまま、口を開けて食べさせて貰った…
人生初の「あーんして」の相手は超美少女だった…
その時、シズカさんが食堂に入ってきた…
「おまたせ、彼女は完全に人間よ…健康状態もオッケー!!問題無し!!
さて…誰が面倒を見るかだけど…
私が連れて帰ろうかと思うんだけどダイスケ君はどう…?ニコラと私の娘みたいなものだし…」
「…私はダイスケさんと一緒がいいです。」
彼女が僕とシズカさんの会話に割って入った。
「…ご、ごめんなさい…ワガママ言って…でも私を作ってくれたのはダイスケさんです…
その頃は音声でしか分からなかったけど、私を組み立てて大切に飾ってくれた事…嬉しかった…私の大事なご主人様です。」
「そう…」
シズカさんは笑いながらため息をついて
「ふぅ…だって!じゃあダイスケ君…ヨロシクね!」
「えっ!ヨロシクって…」
「だって…本人が貴方と一緒がいいって言うんですもの…」
「良いんですか…?」
彼女はまたあの完璧な笑顔を僕に見せた…
「…じゃあ…一緒に帰ろうか!」
「はい!」
「ダイスケ君!大切な事忘れてるわよ…」
「大切な事?」
「な・ま・え…」
「あっ…」
「とびっきり可愛いのを付けてあげてね…」
僕は彼女のパッケージに書いてあった名前を思い出した
『RealIntlligence Kinetic A ndroid』
頭文字を取って『RIKA』…リカ!!
「シズカさん!リカ…ちゃん!でどうかな?」
「…私よりも、もう彼女の中では決まったみたいよ…」
「リカ…私の名前はリカ…ありがとう…ダイスケさん…ありがとう…ママ…」
「マ、ママ…?」
「だって私のパパはニコラ…ママはシズカでしょ?」
「リカ…あなた…うっ…うううう…」
シズカさんは目頭を押さえてリカを抱きしめた…
「ありがとう…リカ…さあ!ダイスケ君、行くわよ…!」
「ど、何処に?」
「決まってるじゃない!リカの可愛いお洋服を沢山買うのよ!それともあなたがリカの下着を買ってあげるのかしら?」
僕はその言葉に驚く…
「あっ!!いや!!あの…その…是非、お供致します!荷物持ちは任せてください!」
シズカさんとリカは僕の慌てた表情を見て楽しそうに笑った…
ダイスケ君、すぐに準備をしてその子と一緒に私の車に乗って…なるべく早くね!!分かった⁉︎」
兄貴もそうだったけど…今、シズカさんは研究者の瞳をしている…
こういう時の彼らは納得いくまで寝食を忘れてでも調べてみたくなる性分であることはよく分かっているつもりである…
シズカさんの運転する車はまだ未知の存在である彼女の健康状態が心配であるのとバイオツリーシステムの研究データを取るためにスクール内の医療機関のある棟に向かっていた…
「さあ…着いたわ…いらっしゃい…」
僕は部屋にいた彼女を連れてシズカさんの後を追った…
そして二時間が過ぎた…
メディカルチェックを終えた彼女は検査着からまた僕のトレーニングウェアに着替えた…
「ふう…ダイスケさん…これでいいですか?」
「お疲れ様…君のカラダに何処か悪い所があるとダメだから…
これからは時々、診てもらわないとね…」
「私…あまりこういうの好きじゃないです…」
「仕方ないよ…僕だってメディカルチェックは毎年受けるよ…」
「じゃあ…ダイスケさんが一緒に居てくれるなら…」
シズカはすぐにメディカルチェックのデータを調べていた…
「スゴイわ…奇跡の融合ね…ほぼ人間と同じだわ…
違うのはAIと脳が結合しているために情報処理速度が半端なく早いこと…
I.Q190に匹敵するわね…しかもまだ伸びしろがあるかも…
そしてもう一つ、ツリーシステムの骨格がポリ・スティール・カーボネート…限りなくしなやかで強い…
常人では考えられない身体の柔らかさとその骨にまとわりついた筋肉の強さと相まってとんでもないパワーを生み出すわ…
ニコラ…私達の娘はとんでもないスーパーウーマンよ…」
昼食を摂るために僕と彼女はスクールの食堂に向かった…
「…僕はハンバーグにしようかな…?キミはどうする?」
「何を食べてもいいんですか?」
「うん…大丈夫。好きな物を食べなよ…」
「じゃあ…これ!」
彼女が選んだのは…ジャンボパフェ?
「これ、すっごく美しい!パーフェクトな造形、糖質も十分とれるし、エネルギーになります!」
「そ、そう…⁉︎」
驚いた事に彼女はジャンボパフェを一人でペロリと平らげた…
「あー美味しかった!!」
目を丸くしている僕に彼女は…
「ダイスケさん…食べないんですか?ダメですよ…エネルギー補給しなきゃ…健康状態が低下します…」
そう言って彼女はフォークでハンバーグを僕の口の前に持ってくる…
「はい、あーんして…」
女性に免疫の無い僕は照れまくった…
「ひ、一人で食べられるよ…」
「だってこうやって貰うと男の人は嬉しいってネットワークにありましたよ…」
「そりゃあ…まあ…」
「あーんして…うふふ。」
僕は彼女に言われるがまま、口を開けて食べさせて貰った…
人生初の「あーんして」の相手は超美少女だった…
その時、シズカさんが食堂に入ってきた…
「おまたせ、彼女は完全に人間よ…健康状態もオッケー!!問題無し!!
さて…誰が面倒を見るかだけど…
私が連れて帰ろうかと思うんだけどダイスケ君はどう…?ニコラと私の娘みたいなものだし…」
「…私はダイスケさんと一緒がいいです。」
彼女が僕とシズカさんの会話に割って入った。
「…ご、ごめんなさい…ワガママ言って…でも私を作ってくれたのはダイスケさんです…
その頃は音声でしか分からなかったけど、私を組み立てて大切に飾ってくれた事…嬉しかった…私の大事なご主人様です。」
「そう…」
シズカさんは笑いながらため息をついて
「ふぅ…だって!じゃあダイスケ君…ヨロシクね!」
「えっ!ヨロシクって…」
「だって…本人が貴方と一緒がいいって言うんですもの…」
「良いんですか…?」
彼女はまたあの完璧な笑顔を僕に見せた…
「…じゃあ…一緒に帰ろうか!」
「はい!」
「ダイスケ君!大切な事忘れてるわよ…」
「大切な事?」
「な・ま・え…」
「あっ…」
「とびっきり可愛いのを付けてあげてね…」
僕は彼女のパッケージに書いてあった名前を思い出した
『RealIntlligence Kinetic A ndroid』
頭文字を取って『RIKA』…リカ!!
「シズカさん!リカ…ちゃん!でどうかな?」
「…私よりも、もう彼女の中では決まったみたいよ…」
「リカ…私の名前はリカ…ありがとう…ダイスケさん…ありがとう…ママ…」
「マ、ママ…?」
「だって私のパパはニコラ…ママはシズカでしょ?」
「リカ…あなた…うっ…うううう…」
シズカさんは目頭を押さえてリカを抱きしめた…
「ありがとう…リカ…さあ!ダイスケ君、行くわよ…!」
「ど、何処に?」
「決まってるじゃない!リカの可愛いお洋服を沢山買うのよ!それともあなたがリカの下着を買ってあげるのかしら?」
僕はその言葉に驚く…
「あっ!!いや!!あの…その…是非、お供致します!荷物持ちは任せてください!」
シズカさんとリカは僕の慌てた表情を見て楽しそうに笑った…
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