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フィギュアは何処に?
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その日の真夜中…
ダイスケが寝息を立てている横でテーブルの上のブレスフォンはネットワークアクセスを開始する…
高速で流れるモニターの文字…それを見つめる緑色の瞳…
そしてカーテン越しの白い光に照らされて僕は朝を迎えた…「う…うん…」
寝返りをうって腕を下ろしたところに…
「プニュッ…」柔らかい感触を感じた…
「何だ?」
この感触は…小説や漫画だといきなり横に可愛い女の子が寝ていて…ええっ!
僕は目を疑った…僕の横に確かに女の子が寝ている…そして見えている限りではどうも服を着ていなさそうな…
それにしても可愛いな…でも…この子何処かで見たような…
僕がじっと顔を見つめていた時、彼女の目がパチッと開いて僕を見た…
「あっ!おはようございます…」
「お、おはよう…」
「アラームは後…三分四十秒位で鳴る予定ですが…もう起きられるのですね。じゃあ私も…」
彼女は布団から出ようとしていた…
「ちょ、ちょっとダメだよ…」
僕は彼女の腕を掴んだ。
「…どうしてですか?」
「だって君…その…服を…着てないんじゃないか?」
「あはは…昨日濡れちゃったから…、それにあの服ゴワゴワして気持ち悪いんですよ…」
彼女が指差したその先には、昨日ハンガーに掛けたフィギュアの服が……ん…?あれ…?
辺りを見回す僕。
…無い。
…何処にも無い。
昨日システムと一体化してしまったフィギュアが忽然と消えてしまった…
泥棒?…じゃあ一番事情を知っていると思われる人が僕の側にいる。
「ねぇ?キミ…あそこにあったフィギュア知らない?」
彼女は笑顔で「はい。知ってますよ。」と返事をした。
…やっぱり⁉︎
「どこに持っていったの?」
「イヤだなあ…ここにあるじゃ無いですか?」
彼女はニッコリと微笑む。
「キミが持っているって事?」
「えーっと…持っているっていうか…」
どうも話が噛み合わない…
「と、とりあえず、服を着てよ。」
「私…服を持って無いんです。」
「じ、じゃあ…取り敢えず…これでも着ててよ。」
僕は彼女に自分のTシャツとトレーニングウェアを渡した…
「これしか無いんだ…ブカブカだと思うけど…」
「分かりました…ありがとうございます…!!」
「わ…わわわわ…!!」
彼女はベッドの上で着替え出した…
ダイスケは真っ赤になって背中を向ける…
「キ、キミは誰なの?どこから来たの?」
「…ゴメンなさい…本当に分からないんです…気がついたら…箱の中で…」
彼女は悲しそうな声で呟く…
…箱?…箱入り娘ってこと?…
その時…頭の中にハッと…よく小説や漫画にある「記憶喪失」というワードが浮かんだ…
まさか…この娘、家も分からなくなってここに…
僕は自分の思考をフル稼動させて考えた。
まず、どうにかしなきゃいけない事は二つ…
一つめはシステムがフィギュアに取り込まれてそのフィギュアが行方不明になった事。
そしてもう一つはここにいる彼女をどうするか…
惑星警察にお願いするべきなのか…?
そして導き出された僕の答えは…
「もしもし…シズカさん?
昨夜はどうも…色々大変な所、申し訳ないんですが兄貴から預かったシステムがマズいことになって…
後、もう一つ相談したい事があるんです。すみませんが僕の部屋まで来て貰えませんか?」
ダイスケが寝息を立てている横でテーブルの上のブレスフォンはネットワークアクセスを開始する…
高速で流れるモニターの文字…それを見つめる緑色の瞳…
そしてカーテン越しの白い光に照らされて僕は朝を迎えた…「う…うん…」
寝返りをうって腕を下ろしたところに…
「プニュッ…」柔らかい感触を感じた…
「何だ?」
この感触は…小説や漫画だといきなり横に可愛い女の子が寝ていて…ええっ!
僕は目を疑った…僕の横に確かに女の子が寝ている…そして見えている限りではどうも服を着ていなさそうな…
それにしても可愛いな…でも…この子何処かで見たような…
僕がじっと顔を見つめていた時、彼女の目がパチッと開いて僕を見た…
「あっ!おはようございます…」
「お、おはよう…」
「アラームは後…三分四十秒位で鳴る予定ですが…もう起きられるのですね。じゃあ私も…」
彼女は布団から出ようとしていた…
「ちょ、ちょっとダメだよ…」
僕は彼女の腕を掴んだ。
「…どうしてですか?」
「だって君…その…服を…着てないんじゃないか?」
「あはは…昨日濡れちゃったから…、それにあの服ゴワゴワして気持ち悪いんですよ…」
彼女が指差したその先には、昨日ハンガーに掛けたフィギュアの服が……ん…?あれ…?
辺りを見回す僕。
…無い。
…何処にも無い。
昨日システムと一体化してしまったフィギュアが忽然と消えてしまった…
泥棒?…じゃあ一番事情を知っていると思われる人が僕の側にいる。
「ねぇ?キミ…あそこにあったフィギュア知らない?」
彼女は笑顔で「はい。知ってますよ。」と返事をした。
…やっぱり⁉︎
「どこに持っていったの?」
「イヤだなあ…ここにあるじゃ無いですか?」
彼女はニッコリと微笑む。
「キミが持っているって事?」
「えーっと…持っているっていうか…」
どうも話が噛み合わない…
「と、とりあえず、服を着てよ。」
「私…服を持って無いんです。」
「じ、じゃあ…取り敢えず…これでも着ててよ。」
僕は彼女に自分のTシャツとトレーニングウェアを渡した…
「これしか無いんだ…ブカブカだと思うけど…」
「分かりました…ありがとうございます…!!」
「わ…わわわわ…!!」
彼女はベッドの上で着替え出した…
ダイスケは真っ赤になって背中を向ける…
「キ、キミは誰なの?どこから来たの?」
「…ゴメンなさい…本当に分からないんです…気がついたら…箱の中で…」
彼女は悲しそうな声で呟く…
…箱?…箱入り娘ってこと?…
その時…頭の中にハッと…よく小説や漫画にある「記憶喪失」というワードが浮かんだ…
まさか…この娘、家も分からなくなってここに…
僕は自分の思考をフル稼動させて考えた。
まず、どうにかしなきゃいけない事は二つ…
一つめはシステムがフィギュアに取り込まれてそのフィギュアが行方不明になった事。
そしてもう一つはここにいる彼女をどうするか…
惑星警察にお願いするべきなのか…?
そして導き出された僕の答えは…
「もしもし…シズカさん?
昨夜はどうも…色々大変な所、申し訳ないんですが兄貴から預かったシステムがマズいことになって…
後、もう一つ相談したい事があるんです。すみませんが僕の部屋まで来て貰えませんか?」
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