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みんなで婚礼の儀…?
しおりを挟むマザー・ハーロットは懐からガラス製の杯を出して…皆に見せた。
「そなた達なら種族の壁を超えた…愛の絆で結ばれる事が出来ると申したな…」
ジーニャとジーナ…優也達全員が彼女の問いかけに大きく頷いた。
「わらわのこの杯…そなた達の愛の絆とやらが本物であると示せたならこの杯が愛の葡萄酒で満たされていくはずじゃ…
それがが出来たのなら…その愛の葡萄酒を飲み干した者の願いを一つかなえてやろう…」
「ほ、本当ですか…?」
「姐さん…ありがとうございます…」
ジーニャとジーニャの表情は綻んだが…
「でも愛の絆が本物だと示すだなんて…」
「なあに…この場で婚礼の儀を挙げるのじゃよ…
そして二人が本当に愛の絆で結ばれていたら…二人の愛は葡萄酒へと必ず変わっていくのじゃ…」
「コンレイ…?ね、姉ちゃん…コンレイって何?」
「…結婚式の事よ…」
「け、結婚式…!殿とウチが結婚式…」
ジーナの頭の中には結婚行進曲が鳴り響く…
腕を組んでバージンロードを歩く…
指輪を交換して…ヴェールを上げて誓いのキスを…
「や、やる!!やりまっせ!!姐さん…!!」
「ダ、ダメよ…」
ティナがジーナの言葉を遮る…
「ダーリンは私の…私だけのダーリンだからね!!」
ジーニャはプラティナの前に立ち…また深々と頭を下げる…
「プラティナ様…お願いします…私はいやらしい気持ちでは無く優也様の事を心より尊敬いたしております。
そしてあなたの事も…どうかバビロナの復興の為にご協力下さい…」
ティナは皆の視線を受けてバツの悪そうな表情で…
「わ、分かったわよ…今回…今回だけだからね…
その代わり私にも条件があるわよ…」
ジーナは困った表情で
「な、なんや…乳嫁…か、金か…⁉︎」
「何バカな事言ってんのよ…第一…アンタ一文無しじゃないのよ…」
「あっちゃー!バレたか…!えへへ…」
「違うわよ…私もここでもう一度…ダーリンと結婚式がしたいの!」
「何やて…アンタ…昔に殿と結婚式したんちゃうんか?」
「…したわよ…でも他の女性と嘘でもダーリンが結婚式をするのよ…私もしたいじゃない…」
「しゃーないなぁ…でもウチらが先やで…」
「何で上からなのよ…!」
「あ、あの…」
ナギさんが二人に小さな声で話しかけた。
「私もここで…結婚式…挙げたいです…」
すると愛ちゃんも…
「わ、私もお願いしようかしら…?
だってここ…沢山の光が集まった美しいチャペルみたいだから…良いでしょ…?」
ジーナはまた難しい表情をした…
「なんや…また増えたんかいな…まあ…ええよな…減るもんじゃ無いしな…姉ちゃん…!」
「だから…なんで上からなのよ…」
ジーニャは優也に向き直って…
「…というわけで優也様…
申し訳ございませんが私達とあなたが婚礼の儀を通じて愛の絆を示さなければ願いは叶いません…
私は優也様を心から信頼しております…
そして妹のジーナも…
それが…その気持ちが愛かと言われたら私には何も言えません…
あなたとプラティナ様の間にはどなたにも負けない強い愛の絆がもうあるからです…
しかし…私は心からあなたを愛します…
妹やナギ様、アイ様とも一緒に婚礼の儀に臨んでいただけませんか…
どうかお願い致します…」
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