奥さまは魔王女 2nd season 〜ジーナは可愛い魔女〜

奏 隼人

文字の大きさ
上 下
87 / 103

みんなで婚礼の儀…?

しおりを挟む

マザー・ハーロットは懐からガラス製のゴブレットを出して…皆に見せた。

「そなた達なら種族の壁を超えた…愛の絆で結ばれる事が出来ると申したな…」

ジーニャとジーナ…優也達全員が彼女の問いかけに大きく頷いた。


「わらわのこの杯…そなた達の愛の絆とやらが本物であると示せたならこの杯が愛の葡萄酒ぶどうしゅで満たされていくはずじゃ…

それがが出来たのなら…その愛の葡萄酒を飲み干した者の願いを一つかなえてやろう…」

「ほ、本当ですか…?」

「姐さん…ありがとうございます…」

ジーニャとジーニャの表情は綻んだが…


「でも愛の絆が本物だと示すだなんて…」


「なあに…この場で婚礼の儀を挙げるのじゃよ…

そして二人が本当に愛の絆で結ばれていたら…二人の愛は葡萄酒へと必ず変わっていくのじゃ…」
 

 
「コンレイ…?ね、姉ちゃん…コンレイって何?」

「…結婚式の事よ…」

「け、結婚式…!殿とウチが結婚式…」



ジーナの頭の中には結婚行進曲が鳴り響く…

腕を組んでバージンロードを歩く…

指輪を交換して…ヴェールを上げて誓いのキスを…



「や、やる!!やりまっせ!!姐さん…!!」


「ダ、ダメよ…」


ティナがジーナの言葉を遮る…


「ダーリンは私の…私だけのダーリンだからね!!」


ジーニャはプラティナの前に立ち…また深々と頭を下げる…


「プラティナ様…お願いします…私はいやらしい気持ちでは無く優也様の事を心より尊敬いたしております。

そしてあなたの事も…どうかバビロナの復興の為にご協力下さい…」


ティナは皆の視線を受けてバツの悪そうな表情で…

「わ、分かったわよ…今回…今回だけだからね…

その代わり私にも条件があるわよ…」


ジーナは困った表情で

「な、なんや…乳嫁…か、金か…⁉︎」

「何バカな事言ってんのよ…第一…アンタ一文無しじゃないのよ…」

「あっちゃー!バレたか…!えへへ…」


「違うわよ…私もここでもう一度…ダーリンと結婚式がしたいの!」

「何やて…アンタ…昔に殿と結婚式したんちゃうんか?」

「…したわよ…でも他の女性と嘘でもダーリンが結婚式をするのよ…私もしたいじゃない…」

「しゃーないなぁ…でもウチらが先やで…」

「何で上からなのよ…!」




「あ、あの…」

ナギさんが二人に小さな声で話しかけた。

「私もここで…結婚式…挙げたいです…」

すると愛ちゃんも…

「わ、私もお願いしようかしら…?


だってここ…沢山の光が集まった美しいチャペルみたいだから…良いでしょ…?」


ジーナはまた難しい表情をした…

「なんや…また増えたんかいな…まあ…ええよな…減るもんじゃ無いしな…姉ちゃん…!」

「だから…なんで上からなのよ…」



ジーニャは優也に向き直って…


「…というわけで優也様…

申し訳ございませんが私達とあなたが婚礼の儀を通じて愛の絆を示さなければ願いは叶いません…

私は優也様を心から信頼しております…

そして妹のジーナも…


それが…その気持ちが愛かと言われたら私には何も言えません…


あなたとプラティナ様の間にはどなたにも負けない強い愛の絆がもうあるからです…


しかし…私は心からあなたを愛します…
妹やナギ様、アイ様とも一緒に婚礼の儀に臨んでいただけませんか…

どうかお願い致します…」


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

愛され妻と嫌われ夫 〜「君を愛することはない」をサクッとお断りした件について〜

榊どら
恋愛
 長年片思いしていた幼馴染のレイモンドに大失恋したアデレード・バルモア。  自暴自棄になった末、自分が不幸な結婚をすればレイモンドが罪悪感を抱くかもしれない、と非常に歪んだ認識のもと、女嫌いで有名なペイトン・フォワードと白い結婚をする。  しかし、初顔合わせにて「君を愛することはない」と言われてしまい、イラッときたアデレードは「嫌です。私は愛されて大切にされたい」と返した。  あまりにナチュラルに自分の宣言を否定されたペイトンが「え?」と呆けている間に、アデレードは「この結婚は政略結婚で私達は対等な関係なのだから、私だけが我慢するのはおかしい」と説き伏せ「私は貴方を愛さないので、貴方は私を愛することでお互い妥協することにしましょう」と提案する。ペイトンは、断ればよいのに何故かこの申し出を承諾してしまう。  かくして、愛され妻と嫌われ夫契約が締結された。  出鼻を挫かれたことでアデレードが気になって気になって仕方ないペイトンと、ペイトンに全く興味がないアデレード。温度差の激しい二人だったが、その関係は少しずつ変化していく。  そんな中アデレードを散々蔑ろにして傷つけたレイモンドが復縁を要請してきて……!? *小説家になろう様にも掲載しています。

婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね

いくみ
ファンタジー
パトリシアは卒業パーティーで婚約者の王子から婚約破棄を言い渡される。 しかし、これは、本人が待ちに待った結果である。さぁこれからどうやって私の13年を返して貰いましょうか。 覚悟して下さいませ王子様! 転生者嘗めないで下さいね。 追記 すみません短編予定でしたが、長くなりそうなので長編に変更させて頂きます。 モフモフも、追加させて頂きます。 よろしくお願いいたします。 カクヨム様でも連載を始めました。

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。

向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。 それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない! しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。 ……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。 魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。 木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~

やみのよからす
ファンタジー
 病院で病死したはずの月島玲子二十五歳大学研究職。目を覚ますと、そこに広がるは広大な森林原野、後ろに控えるは赤いドラゴン(ニヤニヤ)、そんな自分は十歳の体に(材料が足りませんでした?!)。  時は、自分が死んでからなんと三千万年。舞台は太陽系から離れて二百二十五光年の一惑星。新しく作られた超科学なミラクルボディーに生前の記憶を再生され、地球で言うところの中世後半くらいの王国で生きていくことになりました。  べつに、言ってはいけないこと、やってはいけないことは決まっていません。ドラゴンからは、好きに生きて良いよとお墨付き。実現するのは、はたは理想の社会かデストピアか?。  月島玲子、自重はしません!。…とは思いつつ、小市民な私では、そんな世界でも暮らしていく内に周囲にいろいろ絆されていくわけで。スーパー玲子の明日はどっちだ? カクヨムにて一週間ほど先行投稿しています。 書き溜めは100話越えてます…

ただの魔法使いです

端木 子恭
ファンタジー
「将来店を買って本屋をする。それだけでいいんです」  魔法使いのグラントはささやかな願いのために生きている。  幼い頃に孤児として貧民街に流れ着いた彼は、野心とは無縁の生活をしていた。  ある冬の日、グラントはおつかい帰りに吹雪で遭難しかけ、助けてくれたシェリーと友達になる。  そこから彼の日常が変わっていった。  ただの魔法使いなのに、気づけば騒動に巻き込まれている。彼の願いとはかけ離れて。

処理中です...