奥さまは魔王女 2nd season 〜ジーナは可愛い魔女〜

奏 隼人

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決心

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時間が動き出し、対峙しているイミテと優也達はミスとリルが放ったガンマータの威力に驚いていた…


「アイツら…」

「うわわわ…ボクちゃんに嫌な事を思い出させたな…あのチビ達め…!」



無邪気に笑い合う童達二人に幼き日の自分と恋心を抱く相手を重ね合わせジーニャは涙を浮かべた…



「あのような幼き者達でさえ…家族と一緒に闘っておる…それに比べて私はジーナを…


国王である前に私は姉ではないのか…?
妹も幸せに出来ず、何の大義の有様か…」



その時…

「クワックワックワッ…ギャアギャア…!!」

イミテが呼んだのかコッカトリスが旋回していた上空から対峙している優也達の間に急降下してきた…


…バサバサバサバサ…



「…くっ!」



「ハッハッハッ!こうなったらボクちゃんが直々に
引導を渡してやるよ…ジーニャ…来い!」



イミテの言葉にジーニャは黙ったまま動かない…



「どうした…ボクちゃんが命令しているんだぞ…?
お前はボクちゃんの妻になるのではないのか?」


「私は…行けません…」

目を伏せるジーニャ…


「ぬぬぬぬ…ボクちゃんに逆らうんだな…?
いいだろう…反逆罪でバビロナをもう一度死の国にしてやるよ…」

そう言うと彼はコッカトリスの背中に飛び乗った…

 
「先ずはボクちゃんに逆らったお前から石像に変えてやるよ…」


ジーニャをじっと見つめるコッカトリス…今にも彼女に襲いかかろうとしていたその時…


「え~い!」

バリバリバリバリッ!

閃光が走り、カミナリがコッカトリスの上に落ちた…

「ウワァァァァァァ!」

「ギャギャギャギャギャ!」

イミテの前に黒いローブ姿でほうきにまたがった魔女達が現れた…

 
「そこまでよ…お久しぶりね…キモ男さん!
よくもダーリンに酷いことをしてくれたわね…」

「ぬぬぬぬ…プラティナ…」

「ティナ…」

「ダーリン!助けにきたわよ…リルかと思ったらあなただったなんて…

小さな頃から可愛い人だったのね!あーん!抱きしめたいわ…」


「優也…わらわもいるぞ…」

「優也さん…助けに来ました…」


「ヴァル…それにナギさんも…」



キュルキュルキュルキュル…

空中庭園の建物に巻きついているツタが巨大化してコッカトリスを拘束する…

「ギャギャギャギャギャ…ギャアッ!」



「サイクロ…」


ヴァルが呟いた極大風属性呪文レガシーは優也と合体していない霊体のまま繰り出された為、威力は落ちていたが…

それでも高圧縮の風の刃が絡まっているツタごとコッカトリスを切り刻んだ…


「ギャギャギャギャギャ…ギャア!」


「優也くん…!これ……!」

ほうきに乗った愛ちゃんが僕の側に来て手渡したのは…鏡で出来た盾…?


「きっと後で必要だから持って行きなさい!」


「分かった!」僕は盾を腕に装着つけた…



「お前達!ボクちゃんをコケにしやがって!
もう許さないからな…」


コッカトリスと共に血だらけになったイミテはポケットから一錠の薬を取り出した…
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