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正義と誇りと名誉にかけて
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そして…いよいよジーニャを取り返すべく、ジーナの案内で優也、プラティナ、ナギ、そして実体化したヴァルプルギスはバビロナ空中庭園がそびえ立つ丘陵の林に身を隠していた…
「ひょっとしたらもうイミテはこちらの場所を把握しているかも知れない…皆の者…気をつけるのじゃぞ…」
ヴァルプルギスの言葉を全員が噛み締めた次の瞬間…
「はっ!!」
優也達はいつの間にか夥しい数の大蛇が周りを取り囲んでいることに気付いた。
「コ、コイツらは…?」
「…バジリスク…コッカトリスの幼体じゃ…油断するでない!幼体と言っても立派な召喚獣で猛毒の牙を持っておる…もちろん魔法は無効じゃ…」
ヴァルが言い終わるのを待たずにバジリスクはいきなり僕に向かって飛び掛かってきた…
「わ、わ、わ…クロノ!」
時間を止めて済んでの所で大蛇の牙を交わした。
「と、殿は時間を…」
「うむ…優也は人間じゃが、レガシーを使いこなす…お主の姉上と同じようにな…」
「す、凄い…こんな凄い魔法の使い手…初めてや…」
ますますジーナの…優也への想いは大きくなっていく…
「ダ、ダメよ…ダーリン…この蛇…数が多過ぎるわ…」
「ゆ、優也さん…蛇達の力が強過ぎて私のツタの結界も突破されそう…くっ!」
その時、今にも襲ってきそうなバジリスクの前に鎧を着た屈強な男が立ち塞がった。
一匹のバジリスクが男に向かって襲いかかる…
「うおぉぉぉぉぉ!」
柄に琥珀色の宝石が光る刀を思い切り振り抜いた…
真っ二つになるバジリスク…
「ロジャー将軍!」
ロジャーはジーナに向かって笑顔を見せた。
そしてバジリスクに向き直って叫んだ。
「姫は絶対に私が守る…もう…二度と悲しい想いはさせん!」
しかしバジリスクは群を成し、ジリジリと優也達に詰め寄ってくる。
「くっ…」
空中庭園の上から見つめるイミテと視線を背けるジーニャ…
「ハッハッハッ!もう終わりだね!」
「ジーナ…ロジャー将軍…何故なの…?
私は何の為にこうして…」
涙を浮かべるジーニャ…
「シャアァァァァ!」
同時に二体のバジリスクが襲ってきた…
ロジャーの刀が一体のバジリスクを切り裂く…
しかしもう一体の牙が彼を捉えたかのように思えた。
「将軍!!…危ない!!」
その時…
「バシュッ!」
もう一体のバジリスクも真っ二つに引き裂かれた…
「優也くん…お待たせ!」
「あ、愛ちゃん…」
「連れて来たわよ…みんなを…」
ロジャーを救った剣は彼と同じように屈強な鎧の兵士の物だった。
その鎧には真紅のソーディアの紋章が刻まれてあった…
「我が名はソーディア軍一番隊隊長…レーヴァ!
己の信じる正義と誇り高き我が国…そして主…ナギ様に仕える名誉にかけてバビロナ王朝…ジーナ王女に助太刀いたす!」
「レーヴァ隊長!!」
「レーヴァさん…!!」
レーヴァはナギと優也に向かってニコッと笑いかけるとロジャー将軍に歩み寄る…
「かたじけない!」
頭を下げるロジャー。
レーヴァはロジャーの目を見つめた…
「貴方も私と同じ…自分の信念と主の…守るべき王女の為に剣を振るうのですね…
曇り無きその瞳の光に敬意を表してこのレーヴァと我ら…世界最強のソーディア軍が貴方達に加勢させて頂きますぞ!うおぉぉぉ…!!!」
ロジャーは敵に向かっていく誇り高い若き剣士の背中を見て昔を思い出した…
フフッ…昔のワシにそっくりじゃ…
自分の剣に守るべきものの為に闘う誇りを持っている…
ワシもこうしてはおれん!!
「フシュルル…」バジリスク達はとぐろを巻いてこちらを威嚇している…
「行くぞ!」
「うぉぉぉぉぉぉぉあ!」
無数の剣がバジリスク達を切り裂いていく…
「ぬぬぬぬぬぬ…ジュエラやソーディアからどうやってあの人数をテレポート…?ふ、不可能だ…」
イミテは歯軋りを覚えた…
「ひょっとしたらもうイミテはこちらの場所を把握しているかも知れない…皆の者…気をつけるのじゃぞ…」
ヴァルプルギスの言葉を全員が噛み締めた次の瞬間…
「はっ!!」
優也達はいつの間にか夥しい数の大蛇が周りを取り囲んでいることに気付いた。
「コ、コイツらは…?」
「…バジリスク…コッカトリスの幼体じゃ…油断するでない!幼体と言っても立派な召喚獣で猛毒の牙を持っておる…もちろん魔法は無効じゃ…」
ヴァルが言い終わるのを待たずにバジリスクはいきなり僕に向かって飛び掛かってきた…
「わ、わ、わ…クロノ!」
時間を止めて済んでの所で大蛇の牙を交わした。
「と、殿は時間を…」
「うむ…優也は人間じゃが、レガシーを使いこなす…お主の姉上と同じようにな…」
「す、凄い…こんな凄い魔法の使い手…初めてや…」
ますますジーナの…優也への想いは大きくなっていく…
「ダ、ダメよ…ダーリン…この蛇…数が多過ぎるわ…」
「ゆ、優也さん…蛇達の力が強過ぎて私のツタの結界も突破されそう…くっ!」
その時、今にも襲ってきそうなバジリスクの前に鎧を着た屈強な男が立ち塞がった。
一匹のバジリスクが男に向かって襲いかかる…
「うおぉぉぉぉぉ!」
柄に琥珀色の宝石が光る刀を思い切り振り抜いた…
真っ二つになるバジリスク…
「ロジャー将軍!」
ロジャーはジーナに向かって笑顔を見せた。
そしてバジリスクに向き直って叫んだ。
「姫は絶対に私が守る…もう…二度と悲しい想いはさせん!」
しかしバジリスクは群を成し、ジリジリと優也達に詰め寄ってくる。
「くっ…」
空中庭園の上から見つめるイミテと視線を背けるジーニャ…
「ハッハッハッ!もう終わりだね!」
「ジーナ…ロジャー将軍…何故なの…?
私は何の為にこうして…」
涙を浮かべるジーニャ…
「シャアァァァァ!」
同時に二体のバジリスクが襲ってきた…
ロジャーの刀が一体のバジリスクを切り裂く…
しかしもう一体の牙が彼を捉えたかのように思えた。
「将軍!!…危ない!!」
その時…
「バシュッ!」
もう一体のバジリスクも真っ二つに引き裂かれた…
「優也くん…お待たせ!」
「あ、愛ちゃん…」
「連れて来たわよ…みんなを…」
ロジャーを救った剣は彼と同じように屈強な鎧の兵士の物だった。
その鎧には真紅のソーディアの紋章が刻まれてあった…
「我が名はソーディア軍一番隊隊長…レーヴァ!
己の信じる正義と誇り高き我が国…そして主…ナギ様に仕える名誉にかけてバビロナ王朝…ジーナ王女に助太刀いたす!」
「レーヴァ隊長!!」
「レーヴァさん…!!」
レーヴァはナギと優也に向かってニコッと笑いかけるとロジャー将軍に歩み寄る…
「かたじけない!」
頭を下げるロジャー。
レーヴァはロジャーの目を見つめた…
「貴方も私と同じ…自分の信念と主の…守るべき王女の為に剣を振るうのですね…
曇り無きその瞳の光に敬意を表してこのレーヴァと我ら…世界最強のソーディア軍が貴方達に加勢させて頂きますぞ!うおぉぉぉ…!!!」
ロジャーは敵に向かっていく誇り高い若き剣士の背中を見て昔を思い出した…
フフッ…昔のワシにそっくりじゃ…
自分の剣に守るべきものの為に闘う誇りを持っている…
ワシもこうしてはおれん!!
「フシュルル…」バジリスク達はとぐろを巻いてこちらを威嚇している…
「行くぞ!」
「うぉぉぉぉぉぉぉあ!」
無数の剣がバジリスク達を切り裂いていく…
「ぬぬぬぬぬぬ…ジュエラやソーディアからどうやってあの人数をテレポート…?ふ、不可能だ…」
イミテは歯軋りを覚えた…
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