上 下
36 / 103

優也を救え!!

しおりを挟む
ジーナは優也と近くの森にテレポートした…
ロジャーが治めるあの森である。

「ううっ…」

「殿!…殿!しっかりして下さい!!将軍…!!」


ジーナの声に応じるように姿を見せたミミズクのロジャー…その大きな瞳でもがき苦しむ優也の様子を伺っている…


「姫様…どうやら彼は毒に侵されております…それもかなり強い毒に…このままでは危険ですぞ!!


「将軍…殿を…殿を助けて…」
涙ながらに懇願するジーナ…

ロジャー将軍は申し訳無さそうに俯く…

「この森の解毒草ではとても…すみません…魔法で何とか出来ませんかな…?」

「将軍…ウチらはこの身体になってからは魔法因子が定着せえへんから使える魔法力も限られてくるから無理やわ…」


「ジーニャ姫はどうされたのですか…?」

「姉ちゃんなら大丈夫。あの場に何がおったんかは分からへんけど、小さな頃からずっと黒魔術とネクロマンサーの修業を積んで来はったんやで。たとえ魔法力が限られていたとしても自分の身を守ること位…

姉ちゃんが倒れたらこの国は大変な事になる…それは姉ちゃん自身が一番分かってはるから絶対に逃げ延びてるわ…ウチには分かるんや…」


「フム…仰る通りですな…では、これからどうされるおつもりですか?」


「…取り敢えずジュエラの人達に助けを求めてみるわ…バビロナの事で殿をこんな目に遭わせてしまって合わせる顔が無いけど…事は一刻を争うんや!」

「分かりました…お気をつけて…何かお力添え出来る事がございましたらお申しつけ下さいませ…」

「ありがとう…将軍…」

ジーニャは意識を失ってしまった優也を抱きしめて鏡の中に飛び込んだ…






「トントントントン…」
無言でキッチンに立つプラティナ。

「ママ…げんきないね…」
「しかたないわよ…パパがかえってくるまでは…」

「ピン…ポーン」玄関のチャイムが鳴った。

「はい…」精彩を欠いた表情のまま玄関に向かったプラティナはモニターを確認することも無くドアを開けた。

次の瞬間…彼女は大きく目を見開いた…


「まあ…






お母様!一体どうされたのですか?お父様は?」

「ティナ…気を確かに持って聞くのですよ…
先程、優也さんが戻られました…」

プラティナは急に明るさを取り戻した…

「まあ…ダーリンが…でもどうして家に帰ってこないのかしら…早く会いたいわ…」

「…優也さんは今、毒に侵されて危険な状態なの…ジュエラの名医を揃えて診て頂いてるんだけどベッドの上で苦しそうに…」

「ええっ…」一瞬、プラティナは目の前がぼやけて軽い目眩に襲われてしゃがみ込んだ…「ティナ…!」

そうだ…私の大事な優也さんが大変な時に倒れるわけにはいかない…

プラティナはゆっくりと起き上がった…

「お母様…ゴメンなさい…ミスとリルをお願いします…」

「分かりました…あなたが少しでも支えになってあげてね…」

プラティナはシルヴァの言葉に頷くとリビングのドアからジュエラへと向かった…



ソファーの上にはプラティナのエプロンが無造作に置かれたままだった…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました

菱沼あゆ
キャラ文芸
「同窓会っていうか、クラス会なのに、知らない人が隣にいる……」  クラス会に参加しためぐるは、隣に座ったイケメンにまったく覚えがなく、動揺していた。  だが、みんなは彼と楽しそうに話している。  いや、この人、誰なんですか――っ!?  スランプ中の天才棋士VS元天才パティシエール。 「へえー、同窓会で再会したのがはじまりなの?」 「いや、そこで、初めて出会ったんですよ」 「同窓会なのに……?」

元構造解析研究者の異世界冒険譚

犬社護
ファンタジー
主人公は持水薫、女30歳、独身。趣味はあらゆる物質の立体構造を調べ眺めること、構造解析研究者であったが、地震で後輩を庇い命を落とす。魂となった彼女は女神と出会い、話をした結果、後輩を助けたこともあってスキル2つを持ってすぐに転生することになった。転生先は、地球からはるか遠く離れた惑星ガーランド、エルディア王国のある貴族の娘であった。前世の記憶を持ったまま、持水薫改めシャーロット・エルバランは誕生した。転生の際に選んだスキルは『構造解析』と『構造編集』。2つのスキルと持ち前の知能の高さを生かし、順調な異世界生活を送っていたが、とある女の子と出会った事で、人生が激変することになる。 果たして、シャーロットは新たな人生を生き抜くことが出来るのだろうか? ………………… 7歳序盤まではほのぼのとした話が続きますが、7歳中盤から未開の地へ転移されます。転移以降、物語はスローペースで進んでいきます。読者によっては、早くこの先を知りたいのに、話が進まないよと思う方もおられるかもしれません。のんびりした気持ちで読んで頂けると嬉しいです。 ………………… 主人公シャーロットは、チートスキルを持っていますが、最弱スタートです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい

梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。

転生勇者の異世界見聞録

yahimoti
ファンタジー
ゲームのメインストーリーが終わったエンドロール後の異世界に転生したのは定年後の会社員。体は子供だけど勇者としての転生特典のチートがある。まあ、わしなりにこの剣と魔法の異世界を楽しむのじゃ。1000年前の勇者がパーティメンバーを全員嫁さんにしていた?何をしとるんじゃ勇者は。わしゃ知らんぞ。

処理中です...