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優也を救え!!
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ジーナは優也と近くの森にテレポートした…
ロジャーが治めるあの森である。
「ううっ…」
「殿!…殿!しっかりして下さい!!将軍…!!」
ジーナの声に応じるように姿を見せたミミズクのロジャー…その大きな瞳でもがき苦しむ優也の様子を伺っている…
「姫様…どうやら彼は毒に侵されております…それもかなり強い毒に…このままでは危険ですぞ!!
「将軍…殿を…殿を助けて…」
涙ながらに懇願するジーナ…
ロジャー将軍は申し訳無さそうに俯く…
「この森の解毒草ではとても…すみません…魔法で何とか出来ませんかな…?」
「将軍…ウチらはこの身体になってからは魔法因子が定着せえへんから使える魔法力も限られてくるから無理やわ…」
「ジーニャ姫はどうされたのですか…?」
「姉ちゃんなら大丈夫。あの場に何がおったんかは分からへんけど、小さな頃からずっと黒魔術とネクロマンサーの修業を積んで来はったんやで。たとえ魔法力が限られていたとしても自分の身を守ること位…
姉ちゃんが倒れたらこの国は大変な事になる…それは姉ちゃん自身が一番分かってはるから絶対に逃げ延びてるわ…ウチには分かるんや…」
「フム…仰る通りですな…では、これからどうされるおつもりですか?」
「…取り敢えずジュエラの人達に助けを求めてみるわ…バビロナの事で殿をこんな目に遭わせてしまって合わせる顔が無いけど…事は一刻を争うんや!」
「分かりました…お気をつけて…何かお力添え出来る事がございましたらお申しつけ下さいませ…」
「ありがとう…将軍…」
ジーニャは意識を失ってしまった優也を抱きしめて鏡の中に飛び込んだ…
「トントントントン…」
無言でキッチンに立つプラティナ。
「ママ…げんきないね…」
「しかたないわよ…パパがかえってくるまでは…」
「ピン…ポーン」玄関のチャイムが鳴った。
「はい…」精彩を欠いた表情のまま玄関に向かったプラティナはモニターを確認することも無くドアを開けた。
次の瞬間…彼女は大きく目を見開いた…
「まあ…
お母様!一体どうされたのですか?お父様は?」
「ティナ…気を確かに持って聞くのですよ…
先程、優也さんが戻られました…」
プラティナは急に明るさを取り戻した…
「まあ…ダーリンが…でもどうして家に帰ってこないのかしら…早く会いたいわ…」
「…優也さんは今、毒に侵されて危険な状態なの…ジュエラの名医を揃えて診て頂いてるんだけどベッドの上で苦しそうに…」
「ええっ…」一瞬、プラティナは目の前がぼやけて軽い目眩に襲われてしゃがみ込んだ…「ティナ…!」
そうだ…私の大事な優也さんが大変な時に倒れるわけにはいかない…
プラティナはゆっくりと起き上がった…
「お母様…ゴメンなさい…ミスとリルをお願いします…」
「分かりました…あなたが少しでも支えになってあげてね…」
プラティナはシルヴァの言葉に頷くとリビングのドアからジュエラへと向かった…
ソファーの上にはプラティナのエプロンが無造作に置かれたままだった…
ロジャーが治めるあの森である。
「ううっ…」
「殿!…殿!しっかりして下さい!!将軍…!!」
ジーナの声に応じるように姿を見せたミミズクのロジャー…その大きな瞳でもがき苦しむ優也の様子を伺っている…
「姫様…どうやら彼は毒に侵されております…それもかなり強い毒に…このままでは危険ですぞ!!
「将軍…殿を…殿を助けて…」
涙ながらに懇願するジーナ…
ロジャー将軍は申し訳無さそうに俯く…
「この森の解毒草ではとても…すみません…魔法で何とか出来ませんかな…?」
「将軍…ウチらはこの身体になってからは魔法因子が定着せえへんから使える魔法力も限られてくるから無理やわ…」
「ジーニャ姫はどうされたのですか…?」
「姉ちゃんなら大丈夫。あの場に何がおったんかは分からへんけど、小さな頃からずっと黒魔術とネクロマンサーの修業を積んで来はったんやで。たとえ魔法力が限られていたとしても自分の身を守ること位…
姉ちゃんが倒れたらこの国は大変な事になる…それは姉ちゃん自身が一番分かってはるから絶対に逃げ延びてるわ…ウチには分かるんや…」
「フム…仰る通りですな…では、これからどうされるおつもりですか?」
「…取り敢えずジュエラの人達に助けを求めてみるわ…バビロナの事で殿をこんな目に遭わせてしまって合わせる顔が無いけど…事は一刻を争うんや!」
「分かりました…お気をつけて…何かお力添え出来る事がございましたらお申しつけ下さいませ…」
「ありがとう…将軍…」
ジーニャは意識を失ってしまった優也を抱きしめて鏡の中に飛び込んだ…
「トントントントン…」
無言でキッチンに立つプラティナ。
「ママ…げんきないね…」
「しかたないわよ…パパがかえってくるまでは…」
「ピン…ポーン」玄関のチャイムが鳴った。
「はい…」精彩を欠いた表情のまま玄関に向かったプラティナはモニターを確認することも無くドアを開けた。
次の瞬間…彼女は大きく目を見開いた…
「まあ…
お母様!一体どうされたのですか?お父様は?」
「ティナ…気を確かに持って聞くのですよ…
先程、優也さんが戻られました…」
プラティナは急に明るさを取り戻した…
「まあ…ダーリンが…でもどうして家に帰ってこないのかしら…早く会いたいわ…」
「…優也さんは今、毒に侵されて危険な状態なの…ジュエラの名医を揃えて診て頂いてるんだけどベッドの上で苦しそうに…」
「ええっ…」一瞬、プラティナは目の前がぼやけて軽い目眩に襲われてしゃがみ込んだ…「ティナ…!」
そうだ…私の大事な優也さんが大変な時に倒れるわけにはいかない…
プラティナはゆっくりと起き上がった…
「お母様…ゴメンなさい…ミスとリルをお願いします…」
「分かりました…あなたが少しでも支えになってあげてね…」
プラティナはシルヴァの言葉に頷くとリビングのドアからジュエラへと向かった…
ソファーの上にはプラティナのエプロンが無造作に置かれたままだった…
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