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キャットファイトはオオカミも喰わない
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「ああ…ジーナ…ありがとう…」
「…殿…これ…一体何ですか…?」
僕はしゃがんで彼女から受け取った物を地面に置いて風呂敷を広げた…
「これは…鏡やね?」
「うん!…もうそろそろかな…?」
それは愛ちゃんから借りてきた神道を司るミラールの美しい鏡であった…
時計が約束の時間を指した時、鏡から…
「ダーリーン!!」
「優也さん…!」
「優也くん!!」
ティナ、ナギさん、愛ちゃんが飛び出してきた…
ジーナさんは目を丸くしている…
「あ、アンタら…一体どうやって…?」
「ああ…実はこの鏡は別の次元へ繋がっているんだよ…ジーナさんの壺と同じように…ね…」
「別の…次元…?」
「そう…ティナの話でピンときたんだ…
この鏡は二つ合わせると合わせ鏡と言って
メビウスループのように空間の入り口と空間の出口を繋いでしまって迷い込んだ者を出られなくするんだよ…でも…」
「でも?」
「鏡と鏡を別々に置くとどちらかを入り口に、どちらかを出口にという風にワープゾーンとしてして使う事が出来るんだよ…」
「わぁぷ?」
「と、とにかくジュエラとここが鏡の中の空間で繋がったという事だよ…
もし本当にじゅうたんが墜落しそうなら早めにこの鏡でジュエラに戻って別の手を考えようと思ってたんだよ…」
「あーん!ダーリン!寂しかったわ…」
僕の腕に飛び込んでくるティナ…
「あっ!ちょっと…ウチの殿にあんまりベタベタせんとってや!そら魅力的な人やから他にも女が放っておかへんのは分かるで…
でも今は殿とウチのスゥイートタイムやったんやで…気を遣うてーや!」
「何言ってるのよ…ダーリンはあなたが可愛そうだから寄り添って何とか帰れるように頑張ってあげてるんじゃないの…
勝手に優しさを愛情と勘違いしないでよね!」
「何やねん!」
「何よ!」
二人のキャットファイトを横目にナギさんが僕に語りかけてこられた。
「…優也さん…このジャングルの向こう側に行くんですよね…」
「はい…でも猛獣の声が…それに魔物もいるかもしれない…」
「フェンリルちゃん…!」
ナギさんは自分の右隣に向かって声をかけた。すると小さな光の粒子が集まって一頭のオオカミの姿へと変わった…
「優也…久しぶりだな…」
「やあ…」
フェンリルは僕の友達の精霊…昔、ジュエラにあるエメラルダの森で仲良くなったオオカミ達の守り神のような存在だった…
ちょっとした気まぐれかもしれないが彼はしばらくの間、僕の守り神になってくれていた。
僕は人間界に帰る事も多いので今は僕よりエメラルダの森によく足を運んでいるナギさんを守ってくれている優しくて頼り甲斐のある精霊だ…
フェンリルはふとプラティナとバトル中のジーナの方に目を向けた…
「…あの娘…?」
「あら…どうかしたの?」
「いや…何でもねぇ…」
「…そう…フェンリルちゃん…このジャングルの向こう側まで行きたいんだけど…」
「じゃあ…森の主と話をつけてきてやるよ…」
「ありがとう…お願いね…」
ナギさんに頼まれたフェンリルはすぐにジャングルの中へと入って行った…
「…殿…これ…一体何ですか…?」
僕はしゃがんで彼女から受け取った物を地面に置いて風呂敷を広げた…
「これは…鏡やね?」
「うん!…もうそろそろかな…?」
それは愛ちゃんから借りてきた神道を司るミラールの美しい鏡であった…
時計が約束の時間を指した時、鏡から…
「ダーリーン!!」
「優也さん…!」
「優也くん!!」
ティナ、ナギさん、愛ちゃんが飛び出してきた…
ジーナさんは目を丸くしている…
「あ、アンタら…一体どうやって…?」
「ああ…実はこの鏡は別の次元へ繋がっているんだよ…ジーナさんの壺と同じように…ね…」
「別の…次元…?」
「そう…ティナの話でピンときたんだ…
この鏡は二つ合わせると合わせ鏡と言って
メビウスループのように空間の入り口と空間の出口を繋いでしまって迷い込んだ者を出られなくするんだよ…でも…」
「でも?」
「鏡と鏡を別々に置くとどちらかを入り口に、どちらかを出口にという風にワープゾーンとしてして使う事が出来るんだよ…」
「わぁぷ?」
「と、とにかくジュエラとここが鏡の中の空間で繋がったという事だよ…
もし本当にじゅうたんが墜落しそうなら早めにこの鏡でジュエラに戻って別の手を考えようと思ってたんだよ…」
「あーん!ダーリン!寂しかったわ…」
僕の腕に飛び込んでくるティナ…
「あっ!ちょっと…ウチの殿にあんまりベタベタせんとってや!そら魅力的な人やから他にも女が放っておかへんのは分かるで…
でも今は殿とウチのスゥイートタイムやったんやで…気を遣うてーや!」
「何言ってるのよ…ダーリンはあなたが可愛そうだから寄り添って何とか帰れるように頑張ってあげてるんじゃないの…
勝手に優しさを愛情と勘違いしないでよね!」
「何やねん!」
「何よ!」
二人のキャットファイトを横目にナギさんが僕に語りかけてこられた。
「…優也さん…このジャングルの向こう側に行くんですよね…」
「はい…でも猛獣の声が…それに魔物もいるかもしれない…」
「フェンリルちゃん…!」
ナギさんは自分の右隣に向かって声をかけた。すると小さな光の粒子が集まって一頭のオオカミの姿へと変わった…
「優也…久しぶりだな…」
「やあ…」
フェンリルは僕の友達の精霊…昔、ジュエラにあるエメラルダの森で仲良くなったオオカミ達の守り神のような存在だった…
ちょっとした気まぐれかもしれないが彼はしばらくの間、僕の守り神になってくれていた。
僕は人間界に帰る事も多いので今は僕よりエメラルダの森によく足を運んでいるナギさんを守ってくれている優しくて頼り甲斐のある精霊だ…
フェンリルはふとプラティナとバトル中のジーナの方に目を向けた…
「…あの娘…?」
「あら…どうかしたの?」
「いや…何でもねぇ…」
「…そう…フェンリルちゃん…このジャングルの向こう側まで行きたいんだけど…」
「じゃあ…森の主と話をつけてきてやるよ…」
「ありがとう…お願いね…」
ナギさんに頼まれたフェンリルはすぐにジャングルの中へと入って行った…
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