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動き出した時間

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また俯いて考え込むサブリナ…




優也はニッコリと笑ってワゴンを押し始めて


最後のベッドの側までやってきた…






「少しは眠れたかい…?」


「…………」


「君とゆっくり話したいと思っていたんだ…

ゆっくり休んだら…

一緒に来て欲しい所があって…」







考え込んでいたサブリナだったが…

優也が隣のベッドの側で誰かに話しかけているのが聞こえた…



優也様…誰とお話してるんだろう…?




「いいかな…マーブルさん…」




「分かりました…」




……えっ!!!




……オ、オバさん…


…優也様……

そのオバさんは無事だったんですか…⁉︎



…ウッサイわね…

…アンタにオバさんって言われる筋合いなんてないわよ…



……サブリナさん…失礼だよ…

…彼女は僕よりも年下なんだから…



…ダ、ダーリン…

本当にマーブルさんには怪我は無かったの…




…うん…君達と一緒だよ…

今日一日ゆっくりしてれば大丈夫…








……良かった…






…えっ…⁉︎



プラティナの言葉に驚くサブリナ…



優也はずっと微笑んでいる。





マーブルは涙ぐんで…

あの時の事を思い出していた………………












「私…本当に…弟のためにプラティナを…⁉︎

いいえ…きっと…本当はあなたが…」












「クロノ!!!」





…時間が止まった。















…はっ…!!


マーブルは目を開けると…身体が宙に浮いていた…


キョロキョロと辺りを見回すと目の前にシルクハットをかぶった…

燃えるように紅い瞳の優也の顔があった…


……えっ…⁉︎


「気がついたか…⁉︎」



優也が彼女の身体を抱き抱えて立っていた…



「あの……私……」


「すまない…お前に悲しい思いをさせて…」


「…えっ…⁉︎

…どうして……どうして……⁉︎

私…あなたの奥様を倒そうとしてたんですよ…


なのに…何故…」








優也は変身を解いて…微笑んだ…



「君は…「えなさい…」とだけ召喚獣に命令していた…闘わなくていいと…




…あの召喚獣をとても大切に想っている…

…君の行動を見てたら分かったんだ…


僕も…そして…ティナもね!!




そんな思い遣りのある人が王宮や人々を襲う事などあろう筈が無い…

優しい心の持ち主の君が…





だからティナはギリギリでわざと狙いを外した。

…でも…とてつもない極大魔法だったから…

きっと…すごく心配していたと思うよ…」




「プ…プラティナさんが…



そして…

優也様が私を助けて下さったのですね…

私が堕ちる前に…そして…

万が一の爆発なんかに巻き込まれないように…」



「まあ…

僕は自分では気が付かなかったんだけどね…」



「そんな…私なんか…

理解って貰えなくても仕方ない女ですよ…」


「そう…?

僕は素敵な女性だと思ってるよ…⁉︎」


「…ええっ?」


「きっと…酷い女性にあんな心のこもった…

料理は…肉じゃがは作れないよ…」



その言葉にマーブルは耳まで真っ赤になって…



「じゃ、じゃあ…もし…いつか…

私がまたあなたに私の作った料理を…

召し上がって欲しいとお願いしたら…」



「すごく…嬉しいよ!!楽しみにしてる…」




優也は嬉しそうに笑った…







ブウゥゥゥゥゥゥゥゥ…ン……



魔法アルティマはそのまま空高く舞い上がり…大気圏を抜け…やがて宇宙空間へ…





カァッッッッッッッッッッッ!!!!!




宇宙空間へ出た魔法アルティマはしばらくして爆発した…



閃光が辺りを包んで…


全力を尽くして闘った魔女達を照らす…


まるで彼女達全員を称えている花火のようだった。
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