上 下
93 / 109

魔女会議?

しおりを挟む
「でも…王女様…やっぱりそれはいけません…

バビロナの人々がどれだけあなたを必要としていると思ってらっしゃるんですか…?」


「でも…」





…パチパチパチパチパチパチ!!!


突然、何処からともなく大きな拍手の音が聞こえてきた…



「…流石はエルフの姉ちゃん!!

よう言うてくれた!!

ウチの姉ちゃんは美人で頭も良くて優しい…

それでいて歴代最強の王女やけど…

今回だけはウチ、納得いかへんなあ…」



「ジーナ!!」

「ジ、ジーナ様⁉︎」



…二人の背後に瞬間移動して来たジーナがひょっこりと顔を見せた。


彼女はジーニャの元へ駆け寄って…


「姉ちゃん!!

姉ちゃんはイミテの時と言い…ホンマに男に尽くすタイプなんやね…


でも…そんな尽くし方…殿は喜ぶどころかきっと怒るんと違うかなぁ…」



「ジーナ……」







「…魔女っ子ちゃん!!

たまには良い事言うじゃない!!!」



…頭上からの声…

サブリナもケリーもクリスも…

マーブルもジーニャとジーナも眩しそうに空を見上げると…



魔法の箒に乗った三人の美しい魔女がゆっくりと降りて来た…




「プ…プラティナ様…

それに…ナギ様、アイ様も…」





「…でもやっぱりダメよ…

ダーリンにいくら好かれようとしても…

ダーリンは私のダーリンなんだからね!!!」

   

 
…後半が少し力強くなったプラティナのいつもの台詞セリフにナギとアイはクスッと笑って微笑み合った…



「ねえ!!マーブルさん…

イミテの事で私が気に入らないのなら…

こんなまどろっこしい事しないで直接言ってくれたらいいんじゃないの…⁉︎

全力でぶつかり合って…決着をつけましょうよ…!!」



「け…決着…⁉︎」




その言葉にその場にいる全ての者が驚きの表情でプラティナを見つめている…



マーブルは少し考えている様子を見せた…

そして…




「アッハッハッハハッハッハッ…!!」


いつもなら口元を手で隠すように上品に笑う彼女に似つかわしくないような高らかな笑い声が辺りに響き渡った…




「プラティナ王女…

私はあなたを誤解していたようだわ…


一歩間違えたら…私達は義理とは言っても姉妹の関係になっていた…


そんな事…考えるだけで背筋が寒くなるくらい気持ち悪かったけど…


今の言葉を聞いて…少しあなたの事…好きになれた気がするわ…


いいわ…望むところよ…


この場で決着をつけてあげるわ…」



マーブルはジーニャの方に向き直って…


「…ジーニャ王女様…

あなたの覚悟…その大きさに敬意を表しております…


でも…今回は謹んでお断り致します…


その代わり…

あなたも全力で私にぶつかって来て下さい…」




ジーニャは身につけているブレスレットの宝石を見つめた…


見る角度によってフォレストグリーンにもバーガンディーにも見えるそのアレキサンドライトの宝石は正に彼女の瞳の色と同じ…


彼女の悲しみを映し出していたその緑の瞳は…
自分の真剣な提案を白紙へと戻した彼女への
怒りにも似た感情のために真っ赤に染まってきていた…



「本当に良いのですか?…

自分で言うのもおこがましいですが、私は相当の修行を積んだ闇魔術師ネクロマンサーです…


加えて精霊の女王…マザーハーロット様の加護を受けております… 


失礼だとは思いますが…


手加減をしないといけないのならどうか私の願いを受け入れて下さい…」



「アッハッハッハハッハッハッ…!!!」


また高らかに彼女の笑い声が響いた…




「手加減…⁉︎

そんな心配をするのなら…

どうか自分の身を守る事に気を配られた方が宜しいかと存じます…」










しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

処理中です...