80 / 109
スタンバイOK
しおりを挟む優也はレーヴァ将軍に頼んで射程距離の一番長い大型の弓を持って来て貰った…
「すみません…お力になれなくて…
しかしこの弓は…
元我が主君のマサムネ様にソーディアの宝物庫から
お貸し頂いた正真正銘の銘弓…
『ヤドリギの弓と矢』です…が…」
「あ…どうも…
あ、憧れのソーディア師団長…
レーヴァさんに会えるなんて…
へえ…これが伝説の弓…
ア、アタシに使えるかなぁ…」
珍しそうにヤドリギの弓矢を眺めるクリスを見つめて…
「す、すみません…優也殿…
ヤドリギの弓を託すのは本当にあの女の子で間違い無いのですね…」
「あははは…レーヴァさん…
あなたの命をかけて守るべき主君はどなたですか…」
「な、何を仰るんですか…勿論…あっ…!!」
レーヴァは優也の横で森の穏やかな木漏れ日のように微笑んでいるナギの姿を見た…
「ハッハッハッ…私としたことが…
将軍などと呼ばれて調子に乗って…
まだまだですね…」
レーヴァはクリスの肩をポンと叩いた。
「…優也殿が君を推薦したんだ…
喜んでこれを君に託そう。
私も信じている…頑張ってくれ給え…」
レーヴァから直々にヤドリギの弓矢を託されたクリスは…
「あ、ありがとうございます…
このクリス…命に換えても必ず成功させてご覧に入れます…」
彼女の敬礼にレーヴァも笑みを浮かべて敬礼で応えた…
「じゃあ…皆さん…作戦通りで!!
頑張りましょう!!」
「ダーリン!!じゃあ…行ってくるわね…」
「うん!!頼むよ…ティナ…
愛ちゃんもナギさんも宜しくね!!」
「了解よ!!」
「が、頑張ります!!」
魔法の箒にのった三人の魔女は颯爽と飛び立った…
「宜しくね…クリスさん…」
「こ、こちらこそ…王女様…」
プラティナが跨った後ろにチョコンと乗ったクリス…
その背には小柄な彼女より大きな弓を担いでいる…
再びジュエラ王宮に到達した巨大ゴーレムは更に凶暴に暴れ続け、今にも王宮を破壊しようとしていた…
魔法飛行隊はゴーレムの周りをぐるぐると回り始めた…
「…あなたね、ここは私の大切な実家よ!!
手を出したらどうなるか…
思い知らせてあげるわ!!!」
…グオォォォォォ!!!
…ゴーレムはそんなプラティナの想いを受け入れる様子も無く、更に凶暴そうな雄叫びを上げていた。
「…マーブルさん…お願いします!!」
「はい…」
パチンと指を鳴らしたマーブル…
優也の作戦通りに彼女の魔法によって鳳は
掌に乗るくらいのミニサイズになった。
「さあっ…行ってらっしゃい!!」
大空に羽ばたいた鳳はプラティナ達とゴーレムの方へと飛び立った…
「じゃあ…僕達も…行きましょう!!」
再び優也はヴァルプルギスモードに戻る…
「は、はい!!!」
マーブルが優也に応えると…
「お、お嬢様…私は…どうしたら…」
居場所が無さそうに下を向きながら話すテラゾー…
バシィィィィィィィ…ン!!!
マーブルは目に涙を残しつつ…しかし、口元はニヤリと笑ってテラゾーの頬を思いっきり平手で打った…
勢いよく尻餅をつく彼に向かって…
「あなた…私をひとりで行かせる気なの⁉︎」
そう言うと優也の後を追いかけて彼女は駆け出して行った…
「お、お待ち下さい…お嬢様…いや、 社長!!」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる