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種族を超えた大切な事
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マーブルは笑顔で優也の顔を覗きこむ…
「いかが…ですか…?」
優也も微笑んで…
「とっても…美味しいです…」
マーブルの笑顔が一層花開いて、
ウフフ…やったわ…これで優也の胃袋を掴んだわ…
この料理は優也の大好物なんでしょ?
きっとまた私の肉じゃがが食べたいってなるに決まっているわ!!
そうして彼は私から離れられなくなっていくのよ…
ざまあみなさい…プラティナ…
「オホホホホホ…」
右手の手の甲を口に近づけて笑うマーブル…
その時…
「あの…王女様…優也様…
先日のお礼に私も優也様にその…『肉じゃが』という料理をお作りさせて頂いて宜しいでしょうか…?」
……!!
サブリナの言葉に驚く一同だったが…
「あ、あら…あなた…
何もわざわざ私に対抗しなくてよろしいんじゃないかしら…」
「対抗してる訳ではありません…
私も優也様に作って差し上げたいだけなのです…」
少し俯き加減に話すサブリナ…優也とプラティナは顔を見合わせてまた微笑んだ…
「サブリナさん…ありがとう…
肉じゃがは僕の母親の得意料理で小さな頃からの大好物なんです…
折角だからサブリナさんの料理を頂いてみたいなぁ…」
優也の言葉に今度はサブリナが驚いた…
涙が浮かんでくるのを必死に堪えながら彼女は椅子から立ち上がった…
マーブルと同じように右手の人差し指に全神経を集中して彼女も食材をキッチンの一角へと用意した…
そしてまた両手で指揮を執るように魔法の粒子を使って調理を始めた…
宙に舞った鍋やお皿がカタカタ動くのを見ている優也はプラティナに話しかけた。
「ねぇ…やっぱり魔法使いの人々って凄いね…
あんな風に調理が出来るなんて…」
珍しそうに様子を眺めている優也のその言葉にニッコリと笑いながらプラティナは呟くように言った…
「あら…私だって水道や電気、スマホなんかを
あなたから教えてもらった時、人間って私達とは違う凄い魔法が使えるんだとビックリしたわよ…
魔法使いも人間も形は違えども自然の理を上手く利用して生活を豊かにしているわね…
でもね、私…人間界に来て…あなたと出逢えて…
魔法使いにも人間にとってももっと大事な事があるって気づいたの…」
「…そう。」
「…あら、あなた…答えを分かってらっしゃるの?」
「そりゃ、毎日君の手料理を頂いてるからね。
いつも早く家に着かないかなって待ち遠しいよ…」
そう言って優也もプラティナの手を握って微笑んだ…そしてまたサブリナの方に視線を移した。
小皿のつゆを口へと運ぶサブリナ…
目を閉じて味わう彼女が呟く…
「もう少しだわ…」
「いかが…ですか…?」
優也も微笑んで…
「とっても…美味しいです…」
マーブルの笑顔が一層花開いて、
ウフフ…やったわ…これで優也の胃袋を掴んだわ…
この料理は優也の大好物なんでしょ?
きっとまた私の肉じゃがが食べたいってなるに決まっているわ!!
そうして彼は私から離れられなくなっていくのよ…
ざまあみなさい…プラティナ…
「オホホホホホ…」
右手の手の甲を口に近づけて笑うマーブル…
その時…
「あの…王女様…優也様…
先日のお礼に私も優也様にその…『肉じゃが』という料理をお作りさせて頂いて宜しいでしょうか…?」
……!!
サブリナの言葉に驚く一同だったが…
「あ、あら…あなた…
何もわざわざ私に対抗しなくてよろしいんじゃないかしら…」
「対抗してる訳ではありません…
私も優也様に作って差し上げたいだけなのです…」
少し俯き加減に話すサブリナ…優也とプラティナは顔を見合わせてまた微笑んだ…
「サブリナさん…ありがとう…
肉じゃがは僕の母親の得意料理で小さな頃からの大好物なんです…
折角だからサブリナさんの料理を頂いてみたいなぁ…」
優也の言葉に今度はサブリナが驚いた…
涙が浮かんでくるのを必死に堪えながら彼女は椅子から立ち上がった…
マーブルと同じように右手の人差し指に全神経を集中して彼女も食材をキッチンの一角へと用意した…
そしてまた両手で指揮を執るように魔法の粒子を使って調理を始めた…
宙に舞った鍋やお皿がカタカタ動くのを見ている優也はプラティナに話しかけた。
「ねぇ…やっぱり魔法使いの人々って凄いね…
あんな風に調理が出来るなんて…」
珍しそうに様子を眺めている優也のその言葉にニッコリと笑いながらプラティナは呟くように言った…
「あら…私だって水道や電気、スマホなんかを
あなたから教えてもらった時、人間って私達とは違う凄い魔法が使えるんだとビックリしたわよ…
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でもね、私…人間界に来て…あなたと出逢えて…
魔法使いにも人間にとってももっと大事な事があるって気づいたの…」
「…そう。」
「…あら、あなた…答えを分かってらっしゃるの?」
「そりゃ、毎日君の手料理を頂いてるからね。
いつも早く家に着かないかなって待ち遠しいよ…」
そう言って優也もプラティナの手を握って微笑んだ…そしてまたサブリナの方に視線を移した。
小皿のつゆを口へと運ぶサブリナ…
目を閉じて味わう彼女が呟く…
「もう少しだわ…」
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