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そろそろ…

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そのまま優也達はソーディアの要人達と会食の時間を過ごした…

「あはは…」

「ウフフッ…」

「そうですわね…」


優也の付き添い人として紹介されたサブリナとマーブルの二人は優也と同じテーブルについて豪華な食事を目の前にするも…

彼と王女達の優雅な会話の内容は全く頭に入ってはこなかった…



「と、とにかく優也様をジュエラ王宮に無事、お連れして帰るのが私の仕事…

こんな色ボケオバさんの言う事に惑わされて自分の任務を忘れたらダメだわ…」


「フン…本当に邪魔な探偵ね…

さて…これからどうやって優也を誘惑してやろうかしら…」



その時…


ボオォォォォォォォ…ン…

ボオォォォォォォォ…ン…


王宮の晩餐室から見える蔦が絡まった時計塔から二回鐘の音が鳴りひびいた…

会食をしていた何人かが時計の盤を眺め、サブリナとマーブルを窓から時計塔の針を見ると針はセクンダと書かれた場所を指していた。


「いけない!!もうこんな時間だ…!!」


サブリナは優也の元へと駆け寄り、彼に耳打ちをした…

「優也様…もうセクンダホーラを過ぎましたよ…」


「えっ…セクンダホーラ?」


「あっ、そうか…えーっと…

人間界でいうとお昼の1時と2時の間位ですね…

なので…そろそろ…」



「そうだね…分かったよ!!」

優也はナプキンをたたんで椅子の上に置いてナギとジーニャの元へと挨拶へ向かった。


「ナギさん、ジーニャさん…そろそろジュエラに戻らないといけなくて…」



「まぁ…こちらこそありがとうございました!!」

「またバビロナにも遊びにいらして下さいね!!」


「はい!!今日は本当にありがとうございました。

先程、ミラールに向かって発たれたマサムネさんにもよろしくお伝え下さい…」




「はあ…何事もなく帰れるわ…」



サブリナがそう思った矢先、テーブルからレーヴァ師団長を含めた数人の屈強な男達が立ち上がった…


「ええっ!!優也様…もうお帰りなのですか…?
まだ良いではないですか…?」


「あなた方…ご無理を言ってはいけませんよ…

優也さんもジュエラに帰らなければいけない理由があられるのですから…」


「わ、分かりました…」
 

「すみません…レーヴァ将軍…」


「いいえ…優也様には何の落ち度もございません!!
しかし…名残惜しいですなあ…」



…女性だけじゃなくて…男性にも…

本当に凄い人気だわ…




小さなため息を吐くサブリナの元に笑顔の優也が歩み寄ってきた…




「ゴメンね…待たせちゃって…」

「いいえ…とんでもないです…」



「またいつでもお越しください…お気をつけて!!」


気さくな王女達はサブリナやマーブルにまで席を立ってお辞儀をした…

「あっ…」


王族達との会食が初めてのサブリナとマーブルは慌てて深々とお辞儀を返す…





晩餐室を出た優也達…

「じゃあ…サブリナさん…済まないけどジュエラまで…」

そう言いかけた優也の元にサブリナの横をすり抜けてマーブルが駆け寄った。


「優也様…実は…」

瞳に涙を浮かべながら優也の耳元で何かを囁くマーブル…


「何だって…」

優也の表情が変わっていく…



「何…⁉︎このオバさん…優也様に今、何を…?」


急いでサブリナも優也の元へと駆け寄る。


「優也様…そろそろ…」



「ゴメン…サブリナさん…ジュエラには先に帰っててくれないかな…

少し寄らなきゃいけない所が出来てしまって…」






クラッ…

軽い目眩に襲われるサブリナ。


「い、いけませんわ…優也様…王女様…

プラティナ様がお待ちですから…」



「ゴメン!!ティナには僕から話すよ…

とにかく行かないと…」



マーブルは優也の後ろからヒョコッと顔を出して…

また左の口角を上げてニヤリと微笑みながら慌てふためくサブリナを見つめていた…
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