奥様は魔王女 4th season 〜fly me to the moonな件〜

奏 隼人

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———月面都市(ヴァルハラ)


優也とその一行はその美しい都市の…

狭い路地裏に身を隠していた。



優也は物陰からそっと顔を出し、キョロキョロと辺りを見渡す…


行き交う人々を見ると…

老若男女色々な人種がいるようだが…


そのほとんどが…男性はバーテンダーの服、

女性はバニースーツに身を包んでいる…



「うっ!!」


優也の目の前をバニースーツ姿の年配の女性が通って行ったのを見て、彼は大きなため息を一つ吐いた。




「ハア……

最初は君達の姿がなんてふざけた格好なんだと思っていたけど…

まさか…ねぇ…」


ユミルとネザーの方に向き直ると優也は彼女達の姿をあらためて見つめる…


…ポヨヨヨーン!!


「ううっ!!」


そして、その非日常的なセクシーなボディーラインを見てまた赤面してしまった。


その反応を見て…ユミルもネザーも同じように頬を赤らめる…


「わ、私達の元の世界では…ヴァルハラは幾重にも着物をまとうのが常でございますが…

現代ではこの格好が正装であり…国民にとって一般的でございます。」


「なるほど…納得したよ…」


「優也!!優也!!わらわも見てくれ!!」

「ん…⁉︎  わわっ!!!」



振り返った優也の目に…

真っ赤なバニースーツに身を包んだヴァルプルギスが飛び込んできたのだった。



「わらわが一番綺麗じゃろ…

さあ…存分に褒めちぎって良いのじゃぞ…

オホホホホ…」



「ダメだよ…」


「……優也…」


「その色は目立つからさ…

それにやっぱりヴァルは黒が似合うと思うよ…」



……ズッキューン!!!



出逢ってから二人はそんなに長い時間を一緒に過ごしてきた訳ではないが…


ヴァルプルギスは自分の野望もプライドも生命さえも投げうって優也に尽くしている。


そしてそんな彼女の気持ちを全て理解して一緒に寄り添っている優也…


しかし…いくら心が通じ合っていても、ヴァルプルギスはやはり女性であった。

自分を最強の魔女だと恐れおののく者ばかりで、出会った時から一人の女性として大切にしてくれた存在は優也ただ一人…


その彼が自分は黒が似合うと…

ああ…



ハートを撃ち抜かれて瞳がハートになっ
てしまった彼女であった…





ユミルとネザーはそんな二人を見て言葉を失っていたがやがてお互いに顔を見合わせて…




「ね、ねぇ…王様と王妃様ってこんなにデレデレだったかしら…」


「す…すごい…」





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