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到着
しおりを挟む「生きた…証拠…⁉︎」
ユミルの隣のネザーと目が合う…
優也の驚いたような表情に彼女も少しあどけなさの残る…照れた表情で微笑み返した。
そう…まるで…
妹のような…
包んであげたくなるような女の子…
優也は瞼の裏に彼女の笑顔に自分の大切な存在…
バビロナのジーナ姫の笑顔を重ね合わせていた。
ネザーの顔をじっと見つめる優也…
同じようにそんな彼の様子を見つめていたユミルはふと我に返ると不思議そうに優也の顔を覗き込んだ…
「………優也様…⁉︎」
「…あっ…!!…ゴ、ゴメンなさい。
それじゃ…彼女は…」
「左様でございます。
ここにいる彼女こそが…
『錬金術師』
の異名を持つデヴォン様の一番弟子です。」
「錬金術師……」
「は、恥ずかしいから止めてよ…
私は昔からモノを作るのに興味があって…
デヴォン先生が優しく教えてくださったから…」
頬を真っ赤に染めて隣のユミルに詰め寄るネザー。
ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!
「こちらヴァルハラ入港管理局……
そちらの機体管理No.は…⁉︎」
突然鳴り響いたブザー音とスピーカーから聞こえてきた男性の声に優也とヴァルプルギスは一瞬驚いて声の方を見つめたが…
車内に設置されたマイクを右手で取ったユミルは落ち着いた様子で…
「こちら機体No.M502185648…
東エリアで起こった砂嵐の調査から帰還するところである…
着港をお願いしたい…」
「了解!!
そちらの機体No.を確認した…
3番ゲートから着港されたし…
お気をつけて!!」
「ありがとう!!」
通信が終わり、マイクを元の位置に戻したユミルは緊張していたのか一つ大きな息を吐いた。
「ふう……」
「大丈夫……⁉︎」
「うん!!デヴォン様の言われた通り…
上手く行ったようだわ…」
「さて…」
優也はニヤリと笑いながらユミルとネザーの肩に手を置いた。
「僕が解放すべき仕掛けがこのヴァルハラの中に存在するんだよね…
君達はその為に僕をここへ連れて来たのだから…」
「………!!!」
二人は全てを見透かしたような笑みを浮かべる優也の言葉にに目を丸く見開いた後…俯いたまま、黙ってしまった。
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