上 下
43 / 86

…ヒック!!

しおりを挟む

「ええ…その名の通り…秘薬エリクサー


エルフ族の力を代表するような不思議なアイテムです。


効能は服用した者の生命力を爆発的に上昇させて…更に眠っている力を引き出してくれる…


副作用などはなく…別名『不老不死の薬』とも呼ばれています…


「あれが……秘薬エリクサー……

父から聞いたことがあります…

森の中で傷ついて倒れていた父が偶然木の実を取りに来ていた母に介抱して貰ったと…


その時…

飲ませてくれたのがあの秘薬だったと…」




ジーニャは微笑んで…



「そう…素敵なロマンスね…

憧れてしまいますわ…」




「でも…当然ですが…

お互いの立場の違いに周りからすごく反対されて…

故郷を離れて…人里離れた村に移り住んだと聞いています。」



「まあ…ゴメンなさい…

辛い話を思い出させてしまったわね…」



「いえ…

それでも父と母は幸せだったと思います。

私も…」



憂いを帯びた表情で微笑むサブリナの前にナイト老師が歩み寄って来た…



「ど、どうされたのですか…⁉︎」



老師はシワだらけのかおでニコッと微笑むと…


「嬢にも少しやろう…ほれ…」


差し出された小さな盃を受け取ると…

サブリナは澄みきったその液体を一気に飲み干した…






「☆$¥%♪〒*€○#=★!!!!!」







サブリナの顔は一気に紅潮し…

飛び上がったり…

咳込んだり…



時間が経つと…少しは落ちついたようだが…




それでも二、三時間位は吃逆しゃっくりが止まることは無かった…





そんなサブリナの変化を見かねて…
マーブルが彼女に駆け寄る…




「ちょっと…あなた…大丈夫なの…⁉︎」


「らいじょーぶ…らいじょーぶ…ヒック!!

さあ…

おーじょ…さまのところへいかないとね!!


ウィ~ヒック……!!」



「薬を飲んで酔っぱらうなんて…ハァ…

ホントにダメな人ねぇ…」















ジュエラ王国の北側…

ソーディア王国とミラール王国の国境に程近いカルデラ湖のほとりに建てられた立派な建物…





中央魔法図書館の特別室の机に積まれた多くの資料…


自身の顔がすっぽりと隠れるような大きな魔法書をプラティナは眺めていた…


「ハァ……」


ため息を一つ吐くとまるで自分のベッドの枕のように分厚い本の中に顔をうずめた…










王宮を守るためとは言え…

一度は攻撃魔法を放ったマーブルさんに手助けしろだなんて虫が良すぎるわね…



ハァ……




あなた…一体…今、どこにいるのよ…

モテたことなんて無いって言ってたけど…

私が知っている可愛い女性は…

みんなあなたが大好き…


私はあなたの妻なのに妬いてばかりなんですからね…



ああ…ダーリン…逢いたいよ…グスッ…







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

神々に天界に召喚され下界に追放された戦場カメラマンは神々に戦いを挑む。

黒ハット
ファンタジー
戦場カメラマンの北村大和は,異世界の神々の戦の戦力として神々の召喚魔法で特殊部隊の召喚に巻き込まれてしまい、天界に召喚されるが神力が弱い無能者の烙印を押され、役に立たないという理由で異世界の人間界に追放されて冒険者になる。剣と魔法の力をつけて人間を玩具のように扱う神々に戦いを挑むが果たして彼は神々に勝てるのだろうか

奥さまは魔王女

奏 隼人
ファンタジー
仙石優也はひょんなことからプラティナという美女と恋に落ちた… 二人は普通の恋、普通の結婚、普通に子育てをして幸せに暮らすのだが一つだけ普通じゃないことが… そう…奥さまは魔王女だったのです⁉︎

処理中です...