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…ヒック!!
しおりを挟む「ええ…その名の通り…秘薬…
エルフ族の力を代表するような不思議なアイテムです。
効能は服用した者の生命力を爆発的に上昇させて…更に眠っている力を引き出してくれる…
副作用などはなく…別名『不老不死の薬』とも呼ばれています…
「あれが……秘薬……
父から聞いたことがあります…
森の中で傷ついて倒れていた父が偶然木の実を取りに来ていた母に介抱して貰ったと…
その時…
飲ませてくれたのがあの秘薬だったと…」
ジーニャは微笑んで…
「そう…素敵なロマンスね…
憧れてしまいますわ…」
「でも…当然ですが…
お互いの立場の違いに周りからすごく反対されて…
故郷を離れて…人里離れた村に移り住んだと聞いています。」
「まあ…ゴメンなさい…
辛い話を思い出させてしまったわね…」
「いえ…
それでも父と母は幸せだったと思います。
私も…」
憂いを帯びた表情で微笑むサブリナの前にナイト老師が歩み寄って来た…
「ど、どうされたのですか…⁉︎」
老師はシワだらけのかおでニコッと微笑むと…
「嬢にも少しやろう…ほれ…」
差し出された小さな盃を受け取ると…
サブリナは澄みきったその液体を一気に飲み干した…
「☆$¥%♪〒*€○#=★!!!!!」
サブリナの顔は一気に紅潮し…
飛び上がったり…
咳込んだり…
時間が経つと…少しは落ちついたようだが…
それでも二、三時間位は吃逆が止まることは無かった…
そんなサブリナの変化を見かねて…
マーブルが彼女に駆け寄る…
「ちょっと…あなた…大丈夫なの…⁉︎」
「らいじょーぶ…らいじょーぶ…ヒック!!
さあ…
おーじょ…さまのところへいかないとね!!
ウィ~ヒック……!!」
「薬を飲んで酔っぱらうなんて…ハァ…
ホントにダメな人ねぇ…」
ジュエラ王国の北側…
ソーディア王国とミラール王国の国境に程近いカルデラ湖のほとりに建てられた立派な建物…
中央魔法図書館の特別室の机に積まれた多くの資料…
自身の顔がすっぽりと隠れるような大きな魔法書をプラティナは眺めていた…
「ハァ……」
ため息を一つ吐くとまるで自分のベッドの枕のように分厚い本の中に顔を埋めた…
王宮を守るためとは言え…
一度は攻撃魔法を放ったマーブルさんに手助けしろだなんて虫が良すぎるわね…
ハァ……
あなた…一体…今、どこにいるのよ…
モテたことなんて無いって言ってたけど…
私が知っている可愛い女性は…
みんなあなたが大好き…
私はあなたの妻なのに妬いてばかりなんですからね…
ああ…ダーリン…逢いたいよ…グスッ…
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