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真相

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表情を引きらせながら(?)マザーハーロットは皆に一千年前の話の続きを語り始めた…



———大臣とその一味が企てたクーデターにより、バビロナ王朝が終焉を迎えたその時…



現在の王女…ジーニャ達は精霊達の手引きにより…海岸近くの密林へと逃げ込んだ…


そして最後まで王朝を守るために当時のバビロナ王朝の王子…シャブリヤールは反逆派の前に立ち塞がった…


そして…王子達は…







自身の記憶にベールを被せるかの様に…

目をつむり…顔を背けるジーニャ。







構わずマザーハーロットは続けた。







「しかし…

この話にはまだ続きがあったのじゃ…」



「……ええっ⁉︎」



ジーニャは目を見開いてマザーハーロットの方へと向き直った。



「マザーハーロット様!!

王子は…

シャブリヤール様はどうなされたのですか…!!!」



興奮気味のジーニャとは逆にマザーハーロットはゆっくりとした口調でその問いに答えた…




「あやつはのう……宇宙へと昇って行った…」


「宇宙へ……⁉︎

宇宙へ上がって行ったというのは…

シャブリヤール様のことなのですか……⁉︎」



マザーハーロットは黙って頷き…天を仰いだ…



「うむ…あやつは…魔法使いにとっても精霊われわれにとってもどうしても失ってはいけない人物であったのじゃ…

そして…もう一人もな…」


「もう一人……⁉︎」



マザーハーロットがジッと見つめたその先への視線を皆が辿たどってゆくと…






「えっ…⁉︎







わ、わたし…ですの…⁉︎」






戸惑うケイティ……





「そなたらには架空の話を信じこませてしまった…本当に済まぬ…」





マザーハーロットがこうべを垂れると同じように…




「ワシも同罪じゃ……片棒を担いだのは事実じゃからのう…この通りじゃ…」




「ろ、老師様まで…

お二人とも…お顔をお上げください!!」





ジーニャとサブリナは二人の思わぬ行動に顔を見合わせ…そしてケイティは呆気に取られてポカンとした表情をしていた。




マザーハーロットはケイティを見据えたまま…続ける…



「宇宙へ昇るのは容易な事ではない。

王子の側で彼を支える者が必要不可欠。

当然…この嬢の父に当たる科学者も…」







「………!!!」








「聡明なあの王子は大臣の動向などとうに見抜いておったのじゃろう…


大臣の手下がその科学者に毒を盛ろうとした時、すり替えてあたかも暗殺されたように見せかけ…



そして…科学者の持っておった自らの技術で顔を変えさせ…自分の側近として側に置いていたのじゃ…」







「父上…


それで…父上はどうなりました……ですの⁉︎」
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