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P・F
しおりを挟むブウゥゥゥゥゥン!!!
こ、この振動は!!!
…ま、間違いない…
「あ…す、すみません…
ちょっとお手洗いに…アハハハ…」
弓は優也にニッコリと笑って頷いた…
そして…
優也が居なくなるのを見計らって…
カウンターの向こうの白髪のマスターに目配せをした…
マスターも弓と一瞬だけ視線を合わせるとまたカクテルを作り始めた。
———未読メッセージ 21件。
ダーリンへ
お仕事お疲れ様でした。私は今、夕飯の支度をしています。
いつもならもうすぐダーリンが帰って来てくれるからここからテンション爆上がりなのに…
ダメダメ…お仕事だもんね…頑張ってね!!
ダーリンへ
あっ!!ちょっといい忘れてた事があったんだ…
王宮の側のローズ・ガーデンに私達が植樹したピンクの薔薇が綺麗に咲いたんだって…
そう…あなたが私の名前を付けようって言ってくれたあの《プラティナ》っていう薔薇だよ…
お仕事中なのにゴメンね…
でも…どうしてもダーリンに聞いてほしくて…
あなたのお帰りを心待ちにしています…
ダーリンへ
今、ミスとリルと夕飯を食べています…
リルにね『ママ…げんきないね…』って言われちゃった…
私…母親失格だね…
ミスが『ダメよ…ママはパパがげんきのもとなんだから…』って庇ってくれてね…
そして『わたしもパパがいないとさびしい…』
だって!!
私が言わせたんじゃないからね…
ミスが自分で言ったんだよ…
みんな待ってるから早く帰って来てね…
…優也は全てのメッセージに目を通したが、内容は後になるに連れてエスカレートしてきている…
勿論…今日は特別な記念日などではなく、ごくごくありふれた平日である。
マ…マズイ…
今日は彼女の話をゆっくりと聞こう…
それがひいては妻の為…ジュエラの為…
自分自身の為にもなると思ったんだけど…
僕は今、妻を悲しませている…
これじゃ本末転倒じゃないか!!
僕は妻をいつまでも幸せにすると誓った…
だから僕の行動理念は全てP・Fでないとダメだ!!
今日のところは一杯だけ付き合って…後日込み入った話を聞くことにして貰おう…
「お待たせしました…」
「いえ…あっ、お飲み物がこちらに…」
どうやら優也が席を外した間にマスターが置いてくださったようだ。
優也がマスターに会釈すると彼はグラスを拭く手を止めて笑顔で軽く返した…
その笑顔のマスターの背後のドアの更に奥…
薄暗い電球の灯りで照らされた倉庫の片隅で誰にも聞こえない位に小さな呻き声が響いていた…
「ムグッ…ムグッ…!!」
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