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あーん!!
しおりを挟むトゥルルルル……
優也のデスクの電話が鳴り響く…
内線のランプが点灯しているのを確認した優也は受話器を取った。
「はい…仙石です…」
「仙石様…仙石様宛に外線がございます。
いかが致しましょう…」
「…すみません。どちらからでしょう…」
「法律事務所の輝夜先生からですが…」
「輝夜先生……」
優也は少し目を細める。
「お繋ぎして宜しいでしょうか…?」
「ああ…その…お願いします…」
《今度は一体…何を…》
「…もしもし…先日はどうも…仙石です!!」
『輝夜でございます…
先日は大変失礼を致しました…
非礼をお許しくださいませ…」
弓から謝罪の言葉と反省している様子の声色を耳にした優也…
《馬鹿なコトは諦めてくれたみたいだな…》
「いえ…私は担当者として、輝夜先生にはこれからもお力添えをお願いしなくてはいけないのでこれからも是非宜しくお願い致しますね…」
「あ…ありがとうございます…
正直…驚いています…担当者の方は代わられたと思っていたので…」
「担当者が…?
何故そう思われたのですか…?」
「何故って……」
少しの沈黙の後、優也は一息吐いて…
「先生…私達は仕事の上ではありますが『パートナーシップ』を結ばせて頂いております。
パートナーとはお互いに信頼し合い、情報や利益を共有する間柄ですよね…」
優也は声が他に漏れないように受話器を手で隠すようにして…
「そりゃ、相手の社会的地位を貶《おとし》めるやり方なんかは問題があると思いますが…
話を聞いて欲しい…と言った類《たぐい》の事はむしろ信頼して貰えた証だと思っていますよ…」
「で、では…私の話を改めて聞いて頂けると…」
「勿論です…」
「プ、プライベートに関する事でも…⁉︎」
「僕で宜しければ…」
「じゃあ…今夜…」
優也は弓と今夜…
BARで待ち合わせの約束を交わした…
「では…」
受話器を置いた優也は頭上を見上げて、もう一度フーッと息を吐いた。
あくまで大人の対応をして弓との関係をもう一度フラットから良好な状態にしたい…
仕事も…魔界にまつわることでもしっかりと彼女と話し合い、解決しようと心に決めていたのだった。
そして優也はスマホを取り出してメッセージを打ち始めた…
ピロロン!!
自宅のリビングテーブルにエプロンと一緒に置かれたピンクゴールドのスマホにメッセージが届いた…
———数時間後。
「ただいまぁ…」
ミスとリルを連れて魔界から帰ってきたプラティナ…
荷物を置いてエプロンを身に着けるとスマホを手に取った。
「あら⁉︎」
優也からのメッセージに気づいた…
「ダーリンからだわ!!ウフフッ…」
『ごめんよ…ティナ…
今日は仕事先の人と大事な打ち合わせがあるから子供達と先に食事を済ませておいてくれるかい…?
僕も君に逢いたいからなるべく早く帰るね』
画面を見ながら固まるプラティナ……
「あーん!!ダーリン!!!」
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