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ボスからの連絡

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その時…残ったうどんをかっ込むサブリナの元へ彼女の事務所から連絡が入った。


「ちょっと……所長さん!!」


「……ああ…ボスレーさん…もぐもぐ…

どうしたの…依頼でも入ったの…⁉︎」



「依頼……って程じゃないけど…前の私達の雇用主…

つまりボスから連絡があってね…」


「ええっ…ボスから…

ああ…懐かしいなぁ…

それでボスは何て……」


「それが…

例の『赤い月』について何でもいいから情報が欲しい…と…


バビロナ王朝から…ボスの所に協力要請があったそうなのよ…」


「バビロナ……」


サブリナとマーブルの視線は自然と優也の方に向けられた…


二人の熱い視線を受けた優也は…


「ぼ、僕は何も聞いてないよ。

ジーナからもジーニャさんからも連絡は来てないし…」


「そ、そうですわよね……」

「バビロナとは同盟国…だからと言って全てが
王女様達と優也様に関わりがある訳は無いですものね…」

「そうだね…」


この時、三人はホッとしたと同時に『赤い月』というワードに胸の奥に何故か理屈では推し量れないようなざわつきを覚えた。


「ねぇ…サブリナさんにマーブルさん…」

「は、はいっ!!」

改めて自分の方へと向き直った優也の呼びかけに二人共、背筋を伸ばして返事をした。


「その……赤い月について…心当たりはあるのかい…?

「………!!!」


優也の言葉に正直、二人は面喰らった。


「ご、ご存知無かったのですか……⁉︎」

「私達と王女様のあの一件のすぐ後に…
魔界の月が赤く大きく輝くようになったのですわ…

美しいと評判ですが…その反面、何かが起こる予兆ではないかと…」



「あ、あはは…魔界には大抵…昼間にお邪魔して、ティナの職務が終わり次第、人間界に帰っちゃうからなぁ…

でも…人間界の月もスーパームーンと言って大きく輝く時もあるし、ムーラン・ルージュと言って赤く輝く月を愛でる風習もあるよ。

月に太陽光が反射する事がそれほど珍しい事にも思えないけど……」



「はい……」

「仰る通りです……」


的を得た言葉に顔を見合わせながら黙ってしまう二人だった…


赤い月……

ブラッドムーンの瞳……



「済まない…

お前に悲しい想いをさせてしまって…」


以前…優也の腕に抱かれながら自身にかけられたいたわりの言葉を思い出す…


カアァァァァァッ……

マーブルの表情は紅潮して真っ赤になっていく…



「あっ!!オバさん!!

何赤くなってるのよ……!!

どうせまた他人の仲を引き裂くような事を企んでたんじゃないの…⁉︎」


「う、うるさいわね……!!

恋愛に縁遠そうなアンタに言われたくないわよ!!

探偵なら探偵らしくサッサと浮気調査でもして来なさいよ!!

それ位があなたにお似合いだわ…!!」


「何ですって…!!」

「何よ!!」


「あのう……」


二人は優也の声で気が付いて周りを見渡すと…

自分達が他の客から注目を集めていることにやっと気付いた。


「そ、そろそろ出ようか…⁉︎」








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