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顧問弁護士

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そして次の日……


「あいたたた…」

腰を押さえる優也。


「昨日はちょっと無理し過ぎたかな…

でも体力は二十代に戻っている筈なんだからな…」




「あなた…行ってらっしゃい…

ああ…昨日はずっと一緒にいられたのに…」


「僕も君に早く会いたいから…

頑張って仕事を済ませて早く帰って来るよ…」


「嬉しい…あなた…私も頑張るわ…」



この後、熱い口づけを含めた朝の愛のルーティンを滞りなく済ませ…優也は会社に向かった。



「仙石くん…」

「はい、部長…何でしょうか…?」

「ちょっと私と来てくれないかね…?

社長に呼ばれているんだよ。

君を連れて来るようにと…」




ウイィィィィン……


エレベーターで移動中にも僕は社長に呼ばれた訳を考えていた…


特に仕事でヘマをやった記憶も無い。


「あの……社長は何故僕を…」


「私も知らんのだよ…ただ、『仙石くんを連れて来てくれ…』としか…」


「ご立腹されておられる様子でしたか…?」


「いや…全く…

ゴルフのお供にでも連れて行こうと思っているんじゃないのかね…」


「でも…僕、ゴルフやったことありませんよ…

それなら部長とお二人でお話されるんじゃないでしょうかね…?」


「フム…それもそうだな…まあ…取り敢えず行ってみよう…話はそれからだよ。」



こうして重苦しい社長室のドアの前までやってきた。


コンコン!!

「社長…仙石くんを連れて来ました…」


「ああ…入ってくれ給え…」



「失礼致します…」


僕がドアを開けて部長が入られた後…

続いてお辞儀をしながら部屋へと入った。


「ああ…二人共…遠慮なくかけてくれ…」


社長のお言葉に甘えて頭を上げたその瞬間、


社長と部長ともう一人…

ソファーにかけている女性がいた。


恐らく二十代であろう…赤いフレームの眼鏡がよく似合う誰が見ても整った顔立ちの美人…

黒のスーツに身を包み、エナメルのツヤのあるヒール…胸には金のバッヂが光っていた…


そして…部長に向かって会釈された後、僕の方に向き直って同じように頭を下げられた。

急いで僕も頭を下げようとしたその時…


あ………



突然…目の前の女性が平安時代の衣装を…

十二単じゅうにひとえまとった美しい女性に見えた。


そう…まるで…あの竹取物語の……







…んご…く…


せん……くん!!




「仙石くん!!!」



「あ、はっ…はい!!!」


彼女に見惚れてボーっとしていた僕に部長が呼びかけてくださっていたようだ。



「どうしたんだね…目の前の美しい女性に心を奪われてしまったのかね…

イカンよ…噂では凄い美人の奥さんがいるそうじゃないか…

まぁ…仕方ないがね…こんな美人が急に目の前に現れたら誰でも…」


女性はクスッと笑って…

「まあ…ありがとうございます…

お世辞でも嬉しいですわ…」


その一言に社長も部長も和まれたようで部屋の中の空気が穏やかになった。


「あー紹介しよう…こちらは『かぐや法律事務所』からいらっしゃった…輝夜かぐや ゆみ弁護士だ…」


「べ、弁護士の方ですか…」

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