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あのっ!!
しおりを挟む長い長い赤信号が終わり信号が変わった瞬間…
私は角を曲がって見えなくなったその人を追いかけて…そして追いつくことが出来た。
「はぁっ…はぁっ…あ、あの…」
息を切らしながら私が呼びかけたその声は小さくて雑踏にかき消されたようで届いてはいなかった…
当然…その人が振り返ることはなく、何事も無かったように三条大橋の方へ向かおうと赤信号の横断歩道の前で立ち止まった。
私はスウッと息を吸い込み…
さっきより大きめの声で彼の背後から再び呼びかけた。
「あ、あのっ…!!」
「わわっ…!!!」
その人は驚いたように振り返り……
キョロキョロと周りを見渡しながら自分の顔を指差して……
「お、俺だよね…」
振り返ったその人とは…彼と一緒に電車に乗っていた友達らしき人物であった。
私はコクンと頷き、
「す、すみません…
ちょっと…お聞きしたいことがあるんです…」
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