恋が生まれた日 〜sweet sweet early day〜

忘れよう…

そしてある日…


私はいつものように改札口の前に立って行き交う人を見つめていた…


そしてふと…あの時の事を思い出して…

外の方に振り返ると…


降っていない雨の景色をそこに見ていた。




彼の笑顔はモノクローム…だった……




私はふと我に返った。



私が生きている街は彩り豊かな街……



日が少し傾いてもうすぐ街がオレンジ色に染まり始めていく…



駅の前に植えられた街路樹も…

石畳も…

向こうに見えるビルの二階も…



何もかもが変わっていく…




そして…



あの日の…あんなに土砂降りの雨も…

今はもう…上がっている…











忘れよう……！！



これ以上、私のワガママでみんなに心配をかける訳にはいかない。



今日、日が暮れたら…

いつもの私に戻ろう！！


明日からは…友達と一緒に帰って…

帰りにクレープ食べて…

友達の恋バナ聞いて…








…………はぁ。



……でも……本当は、もう一度……

会いたかったよぉ……ううっ…






景色が涙で滲んだ…





…ん⁉︎





…あれは…⁉︎






見間違いかもしれない…！！







私は制服の袖で涙を拭いて…

もう一度瞳を凝らした。



　
ま、間違い無い！！


　
少し離れた所にある地下鉄の改札に向かって二人組の男性が歩いて行く…



その内の一人は…


間違い無く…あの時の彼だ！！





『と、とにかく…追いかけなきゃ…！！』