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林檎黙示録

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#1 ウメコ・ハマーナットの長い一日

番外編 用語解説集1

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【スカラボウル】
 星あるいは地域。虫によって成り立っているためか、いつからかこう呼ばれた。スカラベ+ボールまたはボウル。ボウルは盆。そこはクレーターかもしれない。



捕虫要員バグラー
 スカラボウル開拓開発のために必要なエネルギー「クラック虫」を獲得するため採用される捕虫労民の中の現場要員。より高いクラック値の虫を求められるため、「ティンカーズ・センス」(「虫運」「虫の知らせ」などとも)と呼ばれる虫の声を感じ取る特殊な能力の有無を問われる。特に前線捕虫要員となると、バグモタの操縦技術も必要。


【開拓労民 開拓連合労民】
 スカラボウル開拓推進事業により、約80年前に入植した民間企業人たちと、それを引き継いで開拓推進に従事する者の身分。たいてい子供は親の所属企業にそのまま所属する。ウメコはかつて<エクスクラム!!!>に所属していたが、現所属はその子会社のバグモタ・チューニングメーカー<ベロ>。しかし、エクスクラム系開拓労民という種別に変わりはない。
 捕虫労、技術労、治安労などの、身分がある。


【クラック虫】
 スカラボウルをその数と、まき散らす煙で覆い尽くし、破裂する虫。捕虫要員は、クラック値が高い虫を捕りに派遣される。速裂度が低ければ尚いい。


【クラック値】
 クラック虫の破裂威力の度合い。数値の高いほど強力。v(ヴァリュー)で表される。


【速裂度(または癇癪速度)】
 クラック虫の破裂の非耐性速度。この値が高い方が破裂しやすいということ。当然、スカラボウル中心部は低く、外縁に向かって高くなっていく。前線捕虫要員の苦労を推して知るべし。tmp(テンパー)で表される。


【虫密度】
 覆い尽くす虫の数の度合い。地上から2メートルの高さ、10㎥内に飛び回っている虫の量を各セグメントの任意の場所にて計測している。

【虫霧】
 クラック虫が排出する煙が立ち込めて視界を閉ざす状態。スカラボウルでは、これが常態化し、虫霧濃度として計測し、発表している。tu(チューム)で表す.




【バグモーティヴ 略称バグモタ】 
 クラック虫の破裂力を利用して発動するエンジンの総称。イデムシ・クラックワークスとエントモービル社との共同開発。大型のナット級、中型のベリー級、小型のシード級がある。
 乗用人型二足歩行機クラックウォーカーのことを指し、特にそう呼ぶことがあるが、それは、我々の世界で言えば「電気」という言葉の使い方に似ている。電気というと現象やエネルギーの意味だが、特に照明器具のことに限ってそう呼ぶようなもの。例えば「電気つけて?」と言われた場合、テレビだってエアコンだって電気なのに、照明器具のことを大抵の場合は差すように。解りやすくあてはめれば、「電気」という言葉をバグモーティヴに、「蛍光灯」や「LED」をクラックウォーカー、「照明器具」を乗用人型二足歩行機、という感じにあてはめたらわかりやすいでしょうか。


【ウィキッドビューグル】
 スカラボウル開拓推進事業のイメージキャラクター。資源ゼロの不毛な地に破裂する虫というエネルギーをもたらしたとされ、ラッパに乗った姿で描かれる伝説の魔女。現在スカラボウルのカレンダーを動かしている4人のウィキッドビューグル(のちに記す)にたいして、最初のウィキッドビューグル、マザーウィキッドビューグルなどと呼ばれる。


【セグメント】
 スカラボウルを区分する12区画の名称。円形であるスカラボウルは、中心地から放射状に開拓されていった。円周に沿って12等分された土地を地図にするとき、さながらレモンやオレンジなどを輪切りにしたような図に見立てた。そこから柑橘類の実の房の意味のセグメントと名付けられる。セグメント1区は0度~30度、2区は30度~60度というように区切られている。ちなみにウメコが籍を置く8区は210度~240度区画。


【エクスクラム!!!】
 バグモーティヴ乗用機メーカー。スカラボウル開拓推進事業連合中心企業G6の1社。スカラボウル開拓事業の当初から参加。イデムシが開発した、クラック虫発動機クラックワーカーを搭載した乗用人型二足歩行機クラックウォーカーを開発、生産。イデムシ、エントモービル両企業によるバグモーティヴ開発においても協力し、現在のバグモーティヴ・クラックウォーカーへとおおいに進化させた。ウサギ型のラビットベリーが人気。


【トランストロン】
 コンピューターの名称。元はスカラボウル開拓当初から参加の企業名でもあったが、現在はトランスネットに吸収。


【トランスヴィジョン】
 虫による視界不良 いわゆる虫霧禍 の中で、活動するために整備されたトランスネットアンテナによって、逐一更新される情報から、合成映像による仮想マップで空間を転写させる映像受信端末機。様々な情報の送受信のツールである。フラットディスプレイ、トラメットバイザー視界などに使用。また、それらを提供するトランスネット傘下の企業。開拓推進事業のイメージキャラクター、ウィキッドビューグルを一社独占で奉っている。


【トランスネット】
トランストロン・コンピューター社によって、スカラボウルの虫霧禍に約100メートル間隔で設置されたアンテナ網の名称。また、それを設置、管理し、それによって得られるデータを提供する企業の名。現在はトランストロン・コンピューターから独立し、トランストロン、トランスヴィジョン両事業を統括する企業となる。開拓推進事業連合中心企業G6の一社であり、現首席企業。また、捕虫圏アンダーネットとは、このトランスネットが整備されているエリアのことである。
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