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≪本編≫
【本編3】
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あの仕事がメディアに流れると、俺への仕事依頼が増加した。
なぜか“爽やか系にこやか王子”という良く解らないキャッチを付けられたけど。
そして本日、2つの問題にぶち当たっている。
一つは、今担当してくれているヘアメイクの朝倉さんじゃ、あの時みたいにクライアントさんのリクエストに答えられないという問題。
「もう、嫌です!何度も変えさせられて…私にはどうしたらいいか解りませんっ!」
朝から何度もダメ出しをくらい、とうとう朝倉さんは泣き出してしまった。
今日は事務所の社長である母さんも見に来ていたから張り切っていただけに、いたたまれない。
いくらベテランでも、俺の担当からは外されるだろうな。
…まぁ、仕事にかこつけて色目使ってきてたり、ベタベタ触ってきた時点で俺にはお断りな人だったけど。
今日のもう一つの問題は、ソロの撮影じゃなくて、相手がいる事だった。
「すいません、次の仕事に行かなければならないので待てて後1時間です」
衣装が特殊な為、今日のモデルさんはモデル界でも珍しい、小柄でスレンダーな女性だった。
スケジュールが詰まっているらしく、しきりに時間を気にしていた。
「この間のヘアメイクをしてくれた葉月さんは呼べますか?」
俺はこれ以上時間をかける訳にもいかないと思って提案した。
「…あっ!あの‥その…」
朝倉さんはばつが悪そうな顔をして俯いた。
「この間のヘアメイク?どういうことかしら?」
「え?」
何と、朝倉さんはダブルブッキングの話を事務所に通していなかった。
聞くと、他の事務所の仕事でダブルブッキングした為に、こっちの事務所には報告せずに勝手に呼びつけていたらしい。
さらに、葉月さんの手によって俺の人気が出たのにも関わらず、それすらも自分の手柄のように各所に話していたとか言うからびっくりした。
「言い訳は後でいいから、連絡が取れるならさっさと連絡して頂戴」
母さんが怒りを押さえて連絡を取るように促す。
とにかく追求は後だ。
その辺は母さんに任せる。
「…はい」
朝倉さんが連絡を取っている間に、母さんには前回は葉月さんと言う、新人のヘアメイクさんが担当してくれたお陰で大絶賛をもらった事を話した。
「いいわね。欲しいわ。その子フリーなら契約してくれないかしら?」
「どうかな?」
ただ、何故か、俺もあの人ならって思った。
会話してない…の前に男か女かも解らないけどね。
そんな話をしていたら、また新たな問題が起きた。
朝倉さんは葉月さんと面識が無く、更に葉月さんは携帯を持っていないらしい。
前回の時は回り回って葉月さんまで話が行ったんだと。
って、事は。
あの時のギャラってどうなってるの?
葉月さんノーギャラ?
仕事を疎かにした挙げ句、知らない奴に仕事を投げるとか意味解らない。
更にギャラ着服とか…。
朝倉さんは俺の中で解雇決定。
2度と一緒に仕事したくないです。
母さんに目配せすると、ため息を吐きながら頷いてくれた。
意思は通じたらしい。
とにかく連絡を回してもらい、連絡が来るまで待機となってしまった。
「大変申し訳ないんですが、これ以上待てないので私は上がらせて頂きます」
本当に申し訳ない顔をしてスレンダー女性モデルは帰っていった。
これで、彼女の違約金はウチの事務所から支払われる事になる。
クライアントの中澤さんもカメラマンの山田さんもイライラがピークに達した頃に、葉月さんと連絡がついたという連絡が来た。
20分でスタジオに行きますと言う伝言を預かった人からの伝言が届いたらしい。
…ややこしいな。
それ、信じていいの?
なぜか“爽やか系にこやか王子”という良く解らないキャッチを付けられたけど。
そして本日、2つの問題にぶち当たっている。
一つは、今担当してくれているヘアメイクの朝倉さんじゃ、あの時みたいにクライアントさんのリクエストに答えられないという問題。
「もう、嫌です!何度も変えさせられて…私にはどうしたらいいか解りませんっ!」
朝から何度もダメ出しをくらい、とうとう朝倉さんは泣き出してしまった。
今日は事務所の社長である母さんも見に来ていたから張り切っていただけに、いたたまれない。
いくらベテランでも、俺の担当からは外されるだろうな。
…まぁ、仕事にかこつけて色目使ってきてたり、ベタベタ触ってきた時点で俺にはお断りな人だったけど。
今日のもう一つの問題は、ソロの撮影じゃなくて、相手がいる事だった。
「すいません、次の仕事に行かなければならないので待てて後1時間です」
衣装が特殊な為、今日のモデルさんはモデル界でも珍しい、小柄でスレンダーな女性だった。
スケジュールが詰まっているらしく、しきりに時間を気にしていた。
「この間のヘアメイクをしてくれた葉月さんは呼べますか?」
俺はこれ以上時間をかける訳にもいかないと思って提案した。
「…あっ!あの‥その…」
朝倉さんはばつが悪そうな顔をして俯いた。
「この間のヘアメイク?どういうことかしら?」
「え?」
何と、朝倉さんはダブルブッキングの話を事務所に通していなかった。
聞くと、他の事務所の仕事でダブルブッキングした為に、こっちの事務所には報告せずに勝手に呼びつけていたらしい。
さらに、葉月さんの手によって俺の人気が出たのにも関わらず、それすらも自分の手柄のように各所に話していたとか言うからびっくりした。
「言い訳は後でいいから、連絡が取れるならさっさと連絡して頂戴」
母さんが怒りを押さえて連絡を取るように促す。
とにかく追求は後だ。
その辺は母さんに任せる。
「…はい」
朝倉さんが連絡を取っている間に、母さんには前回は葉月さんと言う、新人のヘアメイクさんが担当してくれたお陰で大絶賛をもらった事を話した。
「いいわね。欲しいわ。その子フリーなら契約してくれないかしら?」
「どうかな?」
ただ、何故か、俺もあの人ならって思った。
会話してない…の前に男か女かも解らないけどね。
そんな話をしていたら、また新たな問題が起きた。
朝倉さんは葉月さんと面識が無く、更に葉月さんは携帯を持っていないらしい。
前回の時は回り回って葉月さんまで話が行ったんだと。
って、事は。
あの時のギャラってどうなってるの?
葉月さんノーギャラ?
仕事を疎かにした挙げ句、知らない奴に仕事を投げるとか意味解らない。
更にギャラ着服とか…。
朝倉さんは俺の中で解雇決定。
2度と一緒に仕事したくないです。
母さんに目配せすると、ため息を吐きながら頷いてくれた。
意思は通じたらしい。
とにかく連絡を回してもらい、連絡が来るまで待機となってしまった。
「大変申し訳ないんですが、これ以上待てないので私は上がらせて頂きます」
本当に申し訳ない顔をしてスレンダー女性モデルは帰っていった。
これで、彼女の違約金はウチの事務所から支払われる事になる。
クライアントの中澤さんもカメラマンの山田さんもイライラがピークに達した頃に、葉月さんと連絡がついたという連絡が来た。
20分でスタジオに行きますと言う伝言を預かった人からの伝言が届いたらしい。
…ややこしいな。
それ、信じていいの?
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