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第六章 君の一つ一つの言葉が
1 ほろ苦いチョコレート
しおりを挟む 通り沿いのニ家に泊めて貰い順調に進んだ。
ニ家でも話はデイオン家やマルコス家と似たような感じだ。
問題のない家を選んでくれただけある。
食事面はやっぱ薄味ではあったけど、国賓を迎えるために豪華だったし。
王都に近付いているので人が多くなってきた。さすがに通行制限はしているものの封鎖はしてなくて。すれ違いの馬車がいたり、歩きの冒険者パーティがいたり。
『『景色が都会になってきたと言うところか』』
草原や岩場混じりの場所が少なくなってきた。
街道の舗装もしっかりしてる。
(グレーデン周辺の新しい道も綺麗だけどね☆)
『もうじきガルフ侯爵領ですからね。おしゃれな街が見えてきますよ』
ルルゥは行ったことがあるらしい。
『『ほう、おしゃれな街とな』』
『ご夫人がこだわった街づくりをなさってるの』
んー、口調が!猫被りが嫌になった?声は低めのままだけどなんか出てるよ!
『『正直、この馬車で野営がしてみたかったぞ』』
そう、ガルフ侯爵家を出たら、一回休憩で王都に入るので野営チャンスがないのだ。
『この馬車が良いのは確かですけど、野営は仕事じゃ寝るか見張かで楽しいものじゃないのですよ』
そうかな?ルルゥたち、野営の時は結構楽しんでる感じだけどね。
『ジト目で見ないの!貴方がグレーデンに来る前は兵糧に肉を焼くだけだったし、狩は楽しいけどただの作業だったのよ』
いっぱい狩れても料理に幅が無かったから食糧確保してるだけで、楽しいとまでは思ってなかったんだって。
今は何を狩ってもどんな美味しいものになるかと期待しながらだから、以前よりたくさん狩ってるんだと力説。
『『美味しいとやる気になるのは確かだな』』
私が云々はスルーしてくれたっぽい。
『『私たちはこの国に来てから料理も楽しみだがデザートはより楽しみだ』』
嬉しいことを言ってくれたので、何かすんごいもの用意したいなぁ。
ケーキも飴細工やマジパンで飾ったり。
が!私はそこまで出来ないからね。
ルルゥのセンスと腕に頼って、頑張ってもらおう。
ガルフ侯爵領の入場門は大きくて立派だった。
行列もいっぱいだったけど、私たちは侯爵家の専用門を通過した。
そこでガルフ騎士団が挨拶に出てきて、団長さんとセリウスさまで所管のやり取りをして出発。
なんて言うか王都の街並みよりセンスがいい建物と街灯など、水路も整備されていて、んー、地球でいう中世のイギリスっぽい?
グレーデン周辺はイタリアな感じで、ここは近代都市っぽい。
かなり時代の流れが違う気がしちゃう。
『『これがおしゃれの街』』
ん?おしゃれだとパリ?フランスの方かな。
馬車で進むと突然広い庭園が広がって、中央にお城みたいな建物が!
『この空間を取れるのが財力と権力ってね』
『ルルゥも侯爵家でしょ?』
『うちも確かに大きいけど、街から屋敷までここまでの距離とってない』
ほほー。
グレーデンは街じゃなくて居住区域まで、もっと庭(空き地)広いけどね~!!
整備された庭園だから手間とお金は相当掛かってるとは思う。
やっとガルフ家の門を通り抜けるとさらに庭!街からのよりは狭い?けれどまだ庭続くのかって気分にはなった。
うちの魔馬たちが全力疾走しても平気そうな庭だったなぁ。地面が抉れちゃうからダメだけど。
やっと馬車寄せで止まった頃には、王女さまたちも無口だったよ。
先にガルフ侯爵が着いて出迎えるかたちで準備してくれてた。
『ようこそ、我が家へ』
『遠いところからようこそお出でくださいました』
『お待ちしておりました』
ガルフ侯爵の横にいるのが夫人でその横が息子さんかな。
『ファリン殿下、ルアラン殿下、グレーデン辺境伯夫人、こちらが妻のラピスで、隣が息子のラスティです』
ラピス夫人は、薄い水色の髪に紺碧の瞳が印象的な優しそうな女性で、ラスティ卿は若いガルフ侯爵って感じだ。
『『世話になる。ここに来られて嬉しく思う』』
王女さまたちはナギ式の礼をした。
『ガルフ侯爵夫人、お会いできて嬉しいです』
確か初めましてじゃないはず。個々での会話はなかったけど、王宮で挨拶をした記憶がある。
『ラピスと呼んでくださいませ。ファリン殿下、ルアラン殿下、グレーデン辺境伯夫人、私、今日と言う日を心待ちにしておりましたのよ』
ラスティ卿の奥さんとお子様やガルフ侯爵の他の息子さんは王都のタウンハウスにいるそう。
まずは一旦お部屋に案内してもらって、休憩と着替えを済ませることに。
夫人は今すぐにでも「お茶をしましょう」な勢いだったけれど、「さすがにそれは我慢します」って笑ってくれた。
用意されたお部屋の中もすごかった。写真でしか見たことないけど、ヨーロッパの名城のような感じだ。
派手さと品の良さを兼ね備えるとは、あの夫人侮りがたし。
バロックとゴシックどっちだっけ。
「王宮の建物とはまた違った趣きですね」
「そうだねー、新築なのかな。すごいね」
グレーデン家もお義母さまの好みで整えられてるけど、頑丈で無骨な外観は残ってるし、元々の建物をいじった感じなので、ここまでにはならないよ。
「お金持ちだったハーボット家も見たくなるよね」
「あくどい稼ぎをする人間はこんな手間暇のかけた贅沢はしないんじゃないですか」
ニーナが辛辣だよ。
「どうせ見るならセンスもいいものを見た方がいいですよ」
それもそうだね。
ラピス夫人にセンスを学ばなければ。
ニ家でも話はデイオン家やマルコス家と似たような感じだ。
問題のない家を選んでくれただけある。
食事面はやっぱ薄味ではあったけど、国賓を迎えるために豪華だったし。
王都に近付いているので人が多くなってきた。さすがに通行制限はしているものの封鎖はしてなくて。すれ違いの馬車がいたり、歩きの冒険者パーティがいたり。
『『景色が都会になってきたと言うところか』』
草原や岩場混じりの場所が少なくなってきた。
街道の舗装もしっかりしてる。
(グレーデン周辺の新しい道も綺麗だけどね☆)
『もうじきガルフ侯爵領ですからね。おしゃれな街が見えてきますよ』
ルルゥは行ったことがあるらしい。
『『ほう、おしゃれな街とな』』
『ご夫人がこだわった街づくりをなさってるの』
んー、口調が!猫被りが嫌になった?声は低めのままだけどなんか出てるよ!
『『正直、この馬車で野営がしてみたかったぞ』』
そう、ガルフ侯爵家を出たら、一回休憩で王都に入るので野営チャンスがないのだ。
『この馬車が良いのは確かですけど、野営は仕事じゃ寝るか見張かで楽しいものじゃないのですよ』
そうかな?ルルゥたち、野営の時は結構楽しんでる感じだけどね。
『ジト目で見ないの!貴方がグレーデンに来る前は兵糧に肉を焼くだけだったし、狩は楽しいけどただの作業だったのよ』
いっぱい狩れても料理に幅が無かったから食糧確保してるだけで、楽しいとまでは思ってなかったんだって。
今は何を狩ってもどんな美味しいものになるかと期待しながらだから、以前よりたくさん狩ってるんだと力説。
『『美味しいとやる気になるのは確かだな』』
私が云々はスルーしてくれたっぽい。
『『私たちはこの国に来てから料理も楽しみだがデザートはより楽しみだ』』
嬉しいことを言ってくれたので、何かすんごいもの用意したいなぁ。
ケーキも飴細工やマジパンで飾ったり。
が!私はそこまで出来ないからね。
ルルゥのセンスと腕に頼って、頑張ってもらおう。
ガルフ侯爵領の入場門は大きくて立派だった。
行列もいっぱいだったけど、私たちは侯爵家の専用門を通過した。
そこでガルフ騎士団が挨拶に出てきて、団長さんとセリウスさまで所管のやり取りをして出発。
なんて言うか王都の街並みよりセンスがいい建物と街灯など、水路も整備されていて、んー、地球でいう中世のイギリスっぽい?
グレーデン周辺はイタリアな感じで、ここは近代都市っぽい。
かなり時代の流れが違う気がしちゃう。
『『これがおしゃれの街』』
ん?おしゃれだとパリ?フランスの方かな。
馬車で進むと突然広い庭園が広がって、中央にお城みたいな建物が!
『この空間を取れるのが財力と権力ってね』
『ルルゥも侯爵家でしょ?』
『うちも確かに大きいけど、街から屋敷までここまでの距離とってない』
ほほー。
グレーデンは街じゃなくて居住区域まで、もっと庭(空き地)広いけどね~!!
整備された庭園だから手間とお金は相当掛かってるとは思う。
やっとガルフ家の門を通り抜けるとさらに庭!街からのよりは狭い?けれどまだ庭続くのかって気分にはなった。
うちの魔馬たちが全力疾走しても平気そうな庭だったなぁ。地面が抉れちゃうからダメだけど。
やっと馬車寄せで止まった頃には、王女さまたちも無口だったよ。
先にガルフ侯爵が着いて出迎えるかたちで準備してくれてた。
『ようこそ、我が家へ』
『遠いところからようこそお出でくださいました』
『お待ちしておりました』
ガルフ侯爵の横にいるのが夫人でその横が息子さんかな。
『ファリン殿下、ルアラン殿下、グレーデン辺境伯夫人、こちらが妻のラピスで、隣が息子のラスティです』
ラピス夫人は、薄い水色の髪に紺碧の瞳が印象的な優しそうな女性で、ラスティ卿は若いガルフ侯爵って感じだ。
『『世話になる。ここに来られて嬉しく思う』』
王女さまたちはナギ式の礼をした。
『ガルフ侯爵夫人、お会いできて嬉しいです』
確か初めましてじゃないはず。個々での会話はなかったけど、王宮で挨拶をした記憶がある。
『ラピスと呼んでくださいませ。ファリン殿下、ルアラン殿下、グレーデン辺境伯夫人、私、今日と言う日を心待ちにしておりましたのよ』
ラスティ卿の奥さんとお子様やガルフ侯爵の他の息子さんは王都のタウンハウスにいるそう。
まずは一旦お部屋に案内してもらって、休憩と着替えを済ませることに。
夫人は今すぐにでも「お茶をしましょう」な勢いだったけれど、「さすがにそれは我慢します」って笑ってくれた。
用意されたお部屋の中もすごかった。写真でしか見たことないけど、ヨーロッパの名城のような感じだ。
派手さと品の良さを兼ね備えるとは、あの夫人侮りがたし。
バロックとゴシックどっちだっけ。
「王宮の建物とはまた違った趣きですね」
「そうだねー、新築なのかな。すごいね」
グレーデン家もお義母さまの好みで整えられてるけど、頑丈で無骨な外観は残ってるし、元々の建物をいじった感じなので、ここまでにはならないよ。
「お金持ちだったハーボット家も見たくなるよね」
「あくどい稼ぎをする人間はこんな手間暇のかけた贅沢はしないんじゃないですか」
ニーナが辛辣だよ。
「どうせ見るならセンスもいいものを見た方がいいですよ」
それもそうだね。
ラピス夫人にセンスを学ばなければ。
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