完 運命のお相手は真っ黒でグロテスク

鈴鈴躊躇

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「コッチ?コッチ?何か叫び声が聞こえたけれども……うわっ!!なんだお前のそのちんちんは!!アーン……そうかそうかっ!!お前ももう17になったんだもんなあ。へぇー!!お前の運命の相手って凄い物を持っているじゃないか!!」


「うひゃっ違っ!!見ないでドラフ兄さん!!」


 誰にも見られずに今日は部屋で過ごしてやろうと思っていた早々、自分の叫び声のせいで心配して部屋まで見にきてくれた兄に自分の運命の相手の股間がバレてしまった。
 ああ……もう駄目だ。
 それでも自分の股間を素早く隠してドラフ兄の方を睨んでみるが、兄は兄で僕のついている股間を一瞬だけ見た後、笑いながらうんうんと感心している様子だった。

「何をそんなに笑っているのさ!!そんなに僕を笑い者にするなんて酷い!!」

 そう言ってドラフ兄を睨んでいると、兄は首を左右に振りながら笑って「違うんだ。別に笑い者にしてないから」と言った。

「あのねコッチ、俺はコッチの事が大好きだよ。だから可愛いくて身体も細いコッチが心配なんだ。今まではコッチが誰かに襲われないかと家族が気にかけていたけれど、それもいつかはコッチ1人で生きていかなきゃならない。
 だけど、コッチの運命の相手の性器をね、さっきチラッと見た感じだと凄い物を持っているよね。誰にも敵わないような……だから俺は安心したんだよ」

 兄や家族が僕を心配しているのは知っている。
 うちの2人の兄達は父に似て身体も大きく生まれたけど、僕だけ美しい母に似てしまって、身体もそこまで大きくならなかった。家族はそんな末っ子の僕をそれはそれは可愛がってくれたし、僕だって別に母が嫌いじゃない。ちゃんと好きだ。でも僕も兄達みたいに身体の大きな父に似たかった。

「そんな事言ったって僕は今日の股間を誰にも見せたくないし僕の部屋から外に出るつもりなんかないから!!」
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