56 / 70
55
しおりを挟む天使君が知っているきのこ山のきのこ知識によると、なんとなく僕の考えていたきのこのルールと当たっていた。結局どんなに魅力のある人間に見えてもきのこだから人間が収穫して食べる意思を示さなければ、きのこから近づく事もできないらしい。
ただ、天使君自体も自分の事に関しては分かるが、他の一般的なきのこの知識は接点が無い分ほとんど分からないらしい。
まっ天使君は毒きのこだもんね。
「だからニールは迂闊過ぎるんだ。きのこ達は自分が人間に興味を持って貰う為に、芳醇な香りを放ったり、魅惑的な姿になっていたりととにかく色々な方法で人間の五感を刺激して食べて貰おうとするから食べたいと思う迄は遠目からよく観察してから行動しろ」
「僕がバカな奴なのはわ、わかったってば。」
天使君は親切にも僕にきのこの忠告もしてくれた。言われた事がいちいち正論過ぎて今迄の僕の行動が迂闊過ぎた事がよく分かり、このきのこ山に入ってからの自分の行動を振り返ると恥ずかしくなってきた。
そうして天使君と一緒に歩いて分かったのが、他のきのこ達に一切声をかけられなくなった事だ。
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)

悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる