きのこ狩りツアーに親友と参加した

鈴鈴躊躇

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 霧は一向に晴れないが、親切なボルチーニさんが教えてくれたこの道は山道だというのに、小さな馬車なら1台余裕で通れる道幅もあり、道自体も整備されて木の根や枝を気にする事もないので歩きやすい。
 やはりこの道はきのこ山の中心道路だ。
 このまま登っていけば頂上迄は簡単に行けそうだった。だから迷わない様にするにはこの道から大きく外れない事だ。


「えーん、えーん」
「ねえ、君、この木で少し休んで行かないかい?」
「お兄さん、俺と温まろうよ」
「お帰りなさいませ、ご主人様!!」

「ごめんねー!!今、先を急いでいるんだ」


「そっかー」
「じゃあね」
「行ってらっしゃませご主人様!!」


 山頂に向かって歩いていると、僕に向かって誘う声や泣き声が聞こえたのを今でははっきりと認識できた。というか、そもそも僕が幻覚だと思っていただけでずっと聞こえていたんだ。そんな声にも今の僕は上手にあしらう事も出来る様になってきた。

 よく見れば姿や顔はそれぞれ毎回微妙に違うけど、大体の姿形は一緒だった。泣き声の可愛い少年はしめじ君、黄色い頭と黒い頭はなめ茸さんとキクラゲさん。他に椎茸さんもしょっちゅう見かける。

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