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婚約破棄によって暴力男から解放された私は、漸く幸せを手にする事ができたのでした。
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私には婚約中の相手が居るが…彼はとても気分野で、一度怒り出すと手が付けられなくなる暴力的な人だった。
そんな彼と、私はついに婚約破棄する事が出来た。
と言うのも…彼が事業で不正を犯して居る事を突き止め、これ以上人に暴力を振るうなら、これを公のものすると話したのだ。
すると彼はそんな私に恐れをなしたのか面倒だと思ったのか、別れを告げて来て…そうして私は、やっと彼の呪縛から逃れ無事に実家へと戻った。
そして両親に彼の本当の顔を話すと、両親はそんな私を優しく慰めてくれたのだった。
そんな私の耳に、最近になりある話が飛び込んで来た。
それは、あの男が私の友人の婚約者に選ばれたと言う話だった。
あの男は、口が上手く外面がいいから…きっと、友人も心を許してしまったんだろう。
そして、今は私と同じ様に酷い目に遭って居るはず。
彼女には、何故か最近避けられ悲しい思いをして居たが…それでも、私は彼女が大事だった。
あの男…よりにもよって、どうして私の友人に─。
どうやら私は、あの男の呪縛から完全に逃れる事は出来て居なかった様ね─。
そこで私は、覚悟を決め友人の元を訪ねる事に─。
そして、扉を開け出てきた友人の顔は…酷くやつれ、その頬には獏られた様な痣があった。
それを見た私は…彼の暴力が原因で、縁が切れた事を彼女に伝えた。
すると彼女は…私が自分の浮気を隠す為に彼を脅した事で、彼が別れを決めたと聞いて居たと、泣きながら語った。
「そんなの嘘よ!だから、あなたは私を避けて居たのね。全く…あの男ときたら、どこまでも最低ね!」
すると…家のドアが開き、彼が帰って来てしまった。
「お前…!今更何の用だ?」
「あなた…もう暴力は振るなと話したでしょう!?」
「…お前には振って無いからいいじゃないか。」
「私は、今後一切、誰にも暴力を振るうなと言う意味で言ったのよ!あなたは約束を破った。あなたの不正は、もう隠しておかないから。」
それを聞いた彼は、真っ青な顔になった。
「あの証拠、実は捨ててはいなかったの。今頃はそれを元に、私の両親があなたの悪事を知り合いの貴族の方々達に話して居るでしょうね。あなたは近く、社会的に死を迎えるわ!」
「お前、俺を騙したな─!」
彼は、私に手を上げその頬を打とうとしたが…その手が私に振り下ろされる事は無かった。
彼の手を掴んで居たのは、友人の兄だった。
「最近、妹が元気が無いから来てみれば…それは、お前が原因だったんだな。お前の様な暴力的な男、もう妹とは別れて貰う!」
彼は元婚者を床に引き倒し、気絶させてしまった。
そして、私に近づくと…妹を守ってくれてありがとうと頭を下げた。
「君はとても勇気がある女性だ。でも、あまり無茶をしては駄目だ。」
「は、はい─!」
彼の優しさと逞しさに、私は思わず頬が赤くなってしまった。
その後彼は、寝室のシーツで元婚約者を縛り…そのまま憲兵に突き出すと話した。
それを見守る私に、友人はこう言った。
「あなたの事、信じなくてごめんなさい。今度は、私があなたにお礼をしないとね。」
「え…?」
「お兄様、とても優しい人だから…あなたの事も、きっと大事にしてくれるわ。あなた…お兄様に一目ぼれしたんでしょう?」
「それは、その…。」
「ウフフ…私が仲を取り持つから、任せておいて!」
その後、女性への暴力や事業の不正が明らかとなった元婚約者は、牢に入れられる事となった。
牢から出て来ても、裏の顔が皆にバレたからには前と同じ暮らしは出来ないわ…さぞや苦労するでしょうね─。
そして、私と友人の関係はすっかり修復され…また前の様に仲良く出来る様になった。
そんな彼女の助けもあり、私は彼女のお兄様とも仲良くなる事が出来た。
そして…私達は互いを意識し合う様になり、ついに恋人として交際する事に─。
すると友人の力添えもあり、私達は婚約する事が決まったのだ。
幸せそうな私に、友人は大いに喜び…そんな私達の様子を、彼はにこやかな笑みを浮かべ見て居る。
その彼の笑顔を見て…私は完全にあの男の呪縛から逃れ、幸せを手にした事を実感したのだった─。
そんな彼と、私はついに婚約破棄する事が出来た。
と言うのも…彼が事業で不正を犯して居る事を突き止め、これ以上人に暴力を振るうなら、これを公のものすると話したのだ。
すると彼はそんな私に恐れをなしたのか面倒だと思ったのか、別れを告げて来て…そうして私は、やっと彼の呪縛から逃れ無事に実家へと戻った。
そして両親に彼の本当の顔を話すと、両親はそんな私を優しく慰めてくれたのだった。
そんな私の耳に、最近になりある話が飛び込んで来た。
それは、あの男が私の友人の婚約者に選ばれたと言う話だった。
あの男は、口が上手く外面がいいから…きっと、友人も心を許してしまったんだろう。
そして、今は私と同じ様に酷い目に遭って居るはず。
彼女には、何故か最近避けられ悲しい思いをして居たが…それでも、私は彼女が大事だった。
あの男…よりにもよって、どうして私の友人に─。
どうやら私は、あの男の呪縛から完全に逃れる事は出来て居なかった様ね─。
そこで私は、覚悟を決め友人の元を訪ねる事に─。
そして、扉を開け出てきた友人の顔は…酷くやつれ、その頬には獏られた様な痣があった。
それを見た私は…彼の暴力が原因で、縁が切れた事を彼女に伝えた。
すると彼女は…私が自分の浮気を隠す為に彼を脅した事で、彼が別れを決めたと聞いて居たと、泣きながら語った。
「そんなの嘘よ!だから、あなたは私を避けて居たのね。全く…あの男ときたら、どこまでも最低ね!」
すると…家のドアが開き、彼が帰って来てしまった。
「お前…!今更何の用だ?」
「あなた…もう暴力は振るなと話したでしょう!?」
「…お前には振って無いからいいじゃないか。」
「私は、今後一切、誰にも暴力を振るうなと言う意味で言ったのよ!あなたは約束を破った。あなたの不正は、もう隠しておかないから。」
それを聞いた彼は、真っ青な顔になった。
「あの証拠、実は捨ててはいなかったの。今頃はそれを元に、私の両親があなたの悪事を知り合いの貴族の方々達に話して居るでしょうね。あなたは近く、社会的に死を迎えるわ!」
「お前、俺を騙したな─!」
彼は、私に手を上げその頬を打とうとしたが…その手が私に振り下ろされる事は無かった。
彼の手を掴んで居たのは、友人の兄だった。
「最近、妹が元気が無いから来てみれば…それは、お前が原因だったんだな。お前の様な暴力的な男、もう妹とは別れて貰う!」
彼は元婚者を床に引き倒し、気絶させてしまった。
そして、私に近づくと…妹を守ってくれてありがとうと頭を下げた。
「君はとても勇気がある女性だ。でも、あまり無茶をしては駄目だ。」
「は、はい─!」
彼の優しさと逞しさに、私は思わず頬が赤くなってしまった。
その後彼は、寝室のシーツで元婚約者を縛り…そのまま憲兵に突き出すと話した。
それを見守る私に、友人はこう言った。
「あなたの事、信じなくてごめんなさい。今度は、私があなたにお礼をしないとね。」
「え…?」
「お兄様、とても優しい人だから…あなたの事も、きっと大事にしてくれるわ。あなた…お兄様に一目ぼれしたんでしょう?」
「それは、その…。」
「ウフフ…私が仲を取り持つから、任せておいて!」
その後、女性への暴力や事業の不正が明らかとなった元婚約者は、牢に入れられる事となった。
牢から出て来ても、裏の顔が皆にバレたからには前と同じ暮らしは出来ないわ…さぞや苦労するでしょうね─。
そして、私と友人の関係はすっかり修復され…また前の様に仲良く出来る様になった。
そんな彼女の助けもあり、私は彼女のお兄様とも仲良くなる事が出来た。
そして…私達は互いを意識し合う様になり、ついに恋人として交際する事に─。
すると友人の力添えもあり、私達は婚約する事が決まったのだ。
幸せそうな私に、友人は大いに喜び…そんな私達の様子を、彼はにこやかな笑みを浮かべ見て居る。
その彼の笑顔を見て…私は完全にあの男の呪縛から逃れ、幸せを手にした事を実感したのだった─。
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