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醜い顔を晒すなと言う婚約者にずっと従って来たのに…そんな私を捨て、彼は可愛い義妹を選びました。
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家同士の約束で、幼い頃から婚約関係にある私と彼。
しかし彼は、そんな私の事を醜いと言って嫌って居た。
と言うのも、私は彼と婚約してすぐに階段から落ちて顔に大きな怪我を負った。
そのせいで顔に大きな傷跡が残ってしまい…それを見た彼は、そんな容姿になった私に嫌気が差したらしい。
それ以降、彼は私にその醜い顔を晒すなと言い…常にベールを付け顔を隠すよう命じた。
家同士の関係が悪くなるのを恐れた私は、大人しくそれに従い…そしてそれは現在まで守られて居る。
すると最近、そんな私に血の繋がらない義妹が出来た。
彼女は元は父の知り合いの娘だったが、両親が亡くなり他に頼る者が居ない為引き取る事にしたらしい。
そんな彼女は、私と違い傷一つない真っ白な肌をして居て…人形のような顔立ちで、それはそれは可愛らしかった。
すると義妹を見た私の婚約者は、その可愛さにすぐに彼女に夢中になった。
そして婚約者の私ではなく、彼女とばかり過ごすように─。
やがてそんな彼から、私は一方的に婚約破棄を告げられる事になった。
余りに急だった為、私は考え直して欲しいと彼に言ったが…可愛い義妹が現れた以上、醜いお前などもう要らない…いくらベールで醜さを隠し誤魔化しても実際の所は結局醜いんだから意味が無いと、彼は私の容姿を散々馬鹿にするのだった。
そんな彼の言葉に、私は心底悲しくなり…とてもこの人とはやって行けないと思い、結局別れを受け入れる事に─。
本当は今日、彼にある事を報告する予定だったが…もうそんな事など、私はどうでもよくなってしまった。
その後、義妹は家を出て彼の新たな婚約者として彼の元で暮らす事に─。
二人は幸せな日々を送るのだった。
だが、それは長くは続かなかった。
と言うのも、酒に酔った義妹が階段から転落…それに彼も巻き込まれ、二人は大怪我を負う事になったからだ。
結果、義妹はその怪我が元で寝たきりとなり診療所に送られ…元婚約者の彼は、自慢の顔に一生残る傷を負った。
するとそれ以降、それを恥じた彼は目元を隠すマスクを着け、極力顔を人前に晒さない生活を送るように─。
だがプライドの高い彼は、そんな自分が中々受け入れられず…それはそれは苦しい日々を送って居ると言う。
そんな彼と、私は偶然にもあるパーティーで再会した。
今までの彼なら、皆の輪の中心に居たのに…今の彼は誰にも相手にされず、壁際に一人佇んで居た。
そんな彼に、私は敢えて声をかけてみる事に─。
だが彼は、私が元婚約者とは気付いて居ないようで…今の自分は誰からも相手にされないので話しかけて貰えて嬉しい、良かったら俺の恋人になってくれないかと求愛して来た。
その為、一度婚約破棄になった相手とは付き合えないと返せば…彼は漸く私が元婚約者だと気付いたようで驚きの声を上げた。
でもそうなるのも当然だ。
私の顔の傷は、ある秘薬を長年塗り続けたおかげですっかり消えて居たからだ。
それに今日はパーティーだし、普段より美しく着飾って居る。
顔を隠し地味な格好ばかりして居た私しか知らない彼にとっては、まるで別人にしか見ないのでしょう─。
すると彼は、その秘薬を自分も欲しいと訴えたが…あれはもう私が使い切った、そもそもあれは私の幼馴染が独自に調合した物で…もう材料が無い為に作れないから無理だと私は断った。
それを聞いた彼はガクリと肩を落とし…私がそんな顔になって居たと知って居たら、義妹を選ばなかったかも知れない…そうしなければ自分はこんな顔にならずに済んだのにと大いに悔やむのだった。
そして彼はその場で号泣、私はそんな彼をどうしたものかと見て居たが…ある人物に呼ばれた為、その場を去る事に─。
そして向かった先には、現在の婚約者であり…私に秘薬を作ってくれた幼馴染が居た。
彼は顔を隠す私が堂々と生きられるようにしたいと、そんな薬を作ってくれ…それは見事に成功─。
だが結局婚約破棄されてしまった私を、幼馴染は自身の婚約者に迎えてくれた。
と言うのも、彼はから私の事が好きだったようで…薄情なあの男に代わり、自分が私を幸せにしたいと思ったらしい。
私はそんな優しい幼馴染にすっかり心奪われ、彼の気持ちに応える事に─。
そして今日、婚約者となった彼とこのパーティーに参加したのだ。
するとそんな幸せそうな私達を、元婚約者は悔しそうな目で見て来たが…私達はそんな彼を無視し、皆の輪に入ると楽しいひと時を過ごすのだった─。
しかし彼は、そんな私の事を醜いと言って嫌って居た。
と言うのも、私は彼と婚約してすぐに階段から落ちて顔に大きな怪我を負った。
そのせいで顔に大きな傷跡が残ってしまい…それを見た彼は、そんな容姿になった私に嫌気が差したらしい。
それ以降、彼は私にその醜い顔を晒すなと言い…常にベールを付け顔を隠すよう命じた。
家同士の関係が悪くなるのを恐れた私は、大人しくそれに従い…そしてそれは現在まで守られて居る。
すると最近、そんな私に血の繋がらない義妹が出来た。
彼女は元は父の知り合いの娘だったが、両親が亡くなり他に頼る者が居ない為引き取る事にしたらしい。
そんな彼女は、私と違い傷一つない真っ白な肌をして居て…人形のような顔立ちで、それはそれは可愛らしかった。
すると義妹を見た私の婚約者は、その可愛さにすぐに彼女に夢中になった。
そして婚約者の私ではなく、彼女とばかり過ごすように─。
やがてそんな彼から、私は一方的に婚約破棄を告げられる事になった。
余りに急だった為、私は考え直して欲しいと彼に言ったが…可愛い義妹が現れた以上、醜いお前などもう要らない…いくらベールで醜さを隠し誤魔化しても実際の所は結局醜いんだから意味が無いと、彼は私の容姿を散々馬鹿にするのだった。
そんな彼の言葉に、私は心底悲しくなり…とてもこの人とはやって行けないと思い、結局別れを受け入れる事に─。
本当は今日、彼にある事を報告する予定だったが…もうそんな事など、私はどうでもよくなってしまった。
その後、義妹は家を出て彼の新たな婚約者として彼の元で暮らす事に─。
二人は幸せな日々を送るのだった。
だが、それは長くは続かなかった。
と言うのも、酒に酔った義妹が階段から転落…それに彼も巻き込まれ、二人は大怪我を負う事になったからだ。
結果、義妹はその怪我が元で寝たきりとなり診療所に送られ…元婚約者の彼は、自慢の顔に一生残る傷を負った。
するとそれ以降、それを恥じた彼は目元を隠すマスクを着け、極力顔を人前に晒さない生活を送るように─。
だがプライドの高い彼は、そんな自分が中々受け入れられず…それはそれは苦しい日々を送って居ると言う。
そんな彼と、私は偶然にもあるパーティーで再会した。
今までの彼なら、皆の輪の中心に居たのに…今の彼は誰にも相手にされず、壁際に一人佇んで居た。
そんな彼に、私は敢えて声をかけてみる事に─。
だが彼は、私が元婚約者とは気付いて居ないようで…今の自分は誰からも相手にされないので話しかけて貰えて嬉しい、良かったら俺の恋人になってくれないかと求愛して来た。
その為、一度婚約破棄になった相手とは付き合えないと返せば…彼は漸く私が元婚約者だと気付いたようで驚きの声を上げた。
でもそうなるのも当然だ。
私の顔の傷は、ある秘薬を長年塗り続けたおかげですっかり消えて居たからだ。
それに今日はパーティーだし、普段より美しく着飾って居る。
顔を隠し地味な格好ばかりして居た私しか知らない彼にとっては、まるで別人にしか見ないのでしょう─。
すると彼は、その秘薬を自分も欲しいと訴えたが…あれはもう私が使い切った、そもそもあれは私の幼馴染が独自に調合した物で…もう材料が無い為に作れないから無理だと私は断った。
それを聞いた彼はガクリと肩を落とし…私がそんな顔になって居たと知って居たら、義妹を選ばなかったかも知れない…そうしなければ自分はこんな顔にならずに済んだのにと大いに悔やむのだった。
そして彼はその場で号泣、私はそんな彼をどうしたものかと見て居たが…ある人物に呼ばれた為、その場を去る事に─。
そして向かった先には、現在の婚約者であり…私に秘薬を作ってくれた幼馴染が居た。
彼は顔を隠す私が堂々と生きられるようにしたいと、そんな薬を作ってくれ…それは見事に成功─。
だが結局婚約破棄されてしまった私を、幼馴染は自身の婚約者に迎えてくれた。
と言うのも、彼はから私の事が好きだったようで…薄情なあの男に代わり、自分が私を幸せにしたいと思ったらしい。
私はそんな優しい幼馴染にすっかり心奪われ、彼の気持ちに応える事に─。
そして今日、婚約者となった彼とこのパーティーに参加したのだ。
するとそんな幸せそうな私達を、元婚約者は悔しそうな目で見て来たが…私達はそんな彼を無視し、皆の輪に入ると楽しいひと時を過ごすのだった─。
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