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私の婚約者の子を身籠ったと家を去った義妹のおかげで、彼の秘密を知る事が出来ました。
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義妹が、私の婚約者の子を身籠ったので家を去ると言い出した。
見れば、彼女のお腹はふっくらとしており…確かに妊娠して居る様に見えた。
義妹が言うには…二人は、半年前に一度だけ体の関係を持ったそうだ。
「お酒の勢いでそんな事になったとは言え、お姉様にとても顔向けできないわ。この子は私一人で育てるから…お姉様は私の事など忘れ、あの人と幸せになって─。」
そして義妹は、お腹を抱えたまま家を去ったのだった。
私は余りの事に驚き、すぐに婚約者に説明を求めた。
すると彼は…義妹の誘惑に勝てず、確かに彼女と肉体関係を持った…時期的には俺の子だろうと言った。
私は、ショックの余り家を飛び出し…近くに住んで居る幼馴染の元へ駆け込んだ。
そして、義妹の妊娠や彼の浮気について相談したのだが…幼馴染はそれについて、少し気になる事があると言った。
「俺の父は医者をして居て…君や、君の婚約者の主治医も務めて居るだろう?この前、その父の手伝いをして居て…俺は偶然にも、君の婚約者のカルテを見てしまったんだ。するとそこには…彼は、生殖機能に異常がみられると書かれて居た。」
「そんな…。」
「彼は、子を作る事が出来ない身体なのだと思う。そしてそれを隠し、君と婚約したのでは?」
私は、彼がそんな大事な事を隠して居た事にショックを受けた。
でも、だとすると…義妹のお腹のあの膨らみは何だったのか─。
すると幼馴染は…もう一つ、私の婚約者について気になる事があると言った。
「君や義妹が留守の間に、あの家にガラの悪い男達が訪ねて来て…そして、君の婚約者と何事かをやって居る様なんだ。」
「そう言えば…関係あるか分からないけど、地下室を仕事場にするからむやみに近寄るなと言われたわ。ある日、気になって一度そこに入ろうとしたら…彼に見つかり、地下に通じるドアの鍵を取られてしまってそれっきりで─。」
「彼は、そこで何か良くない事をやって居るんじゃないだろうか─。」
婚約者に降りかかった突然の疑惑に…彼は一体いくつ秘密を抱えて居るのだろうかと、私の心は不安を覚えた。
だが…それは翌日、全て解決する事に─。
義妹が、偽札を所持し使用した罪で捕らえられたからだ。
そしてその偽札は…家の地下室に忍び込み、そこから奪ったのだと彼女は証言した。
ただ、義妹はそれを本物のお札だと思って居たらしい。
義理の姉である私が、亡くなった父や継母の遺産をそこに隠し、婚約者と山分けし使おうとして居たのだと思った…それが悔しくて、婚約者を誘惑し私から寝取り…更には服の中に、地下室にあるありったけのお金を詰め込み、彼の子を身籠ったと見せかけて私を傷付けたかったのだそうだ。
そして、後は奪った遺産で悠々自適に暮らして行こうと思ったのに…どうしてこんな事になってしまったのか分からないと、義妹は牢の中で号泣したらしい。
するとこの義妹の証言で、地下室を仕事場に使って居た私の婚約者は捕らえられ、厳しい調べを受ける事になった。
そして彼は…私の婚約者になったのは、私の家の遺産が目当てだった…しかし、実際は大した遺産も無く…落胆して居た所を悪い男達に声をかけられ、偽札作りに手を出してしまったのだと証言した。
また、自分に子を作る能力がほぼない事は何となく分かって居たが…元々遺産を奪い取ったら私の前から消えるつもりだった為、敢えて隠して居た事も告白したのだった。
こうして、義妹が婚約者の子を身籠ったと家を出た事で…私は、婚約者の隠して居た幾つもの秘密を知る事となったのだった。
その結果、私はそれらの事に大変ショックを受ける事になったが…そんな私を、幼馴染が献身的に支えてくれた。
そのおかげで、私はどうにか立ち直り…これまで通りの暮らしを送る事が出来る様になったのだった。
ただ、一つだけ違うのは…幼馴染が、恋人として私の家で暮らし始めた事だ。
彼は、以前から私に恋心を抱いて居たが…医者になる為の勉強が忙しく、またそんな未熟者の自分では私を幸せに出来ないと、その気持ちを言えずに居たらしい。
でも、この度医者になる試験に無事合格し…更には私があの家に一人になってしまった事を機に、自分の気持ちを私に伝えてくれたのだ。
もうこれ以上、私を悪意ある者の餌食にはしたくない…そうならない為にも、俺が君の傍に居て守って見せると言う彼の熱い告白に、私はすっかり心奪われ…彼を幼馴染ではなく、一人の男性として見る様になった。
そして私は、そんな彼の気持ちに喜んで応える事にしたのだ。
その結果、私達は結ばれ共に暮らして居るが…彼はいつだって私を一番大事にしてくれ、私をずっと傍で見守ってくれる。
そんな彼の深い愛情を受け…私は、とても幸せな毎日を送って居るわ─。
見れば、彼女のお腹はふっくらとしており…確かに妊娠して居る様に見えた。
義妹が言うには…二人は、半年前に一度だけ体の関係を持ったそうだ。
「お酒の勢いでそんな事になったとは言え、お姉様にとても顔向けできないわ。この子は私一人で育てるから…お姉様は私の事など忘れ、あの人と幸せになって─。」
そして義妹は、お腹を抱えたまま家を去ったのだった。
私は余りの事に驚き、すぐに婚約者に説明を求めた。
すると彼は…義妹の誘惑に勝てず、確かに彼女と肉体関係を持った…時期的には俺の子だろうと言った。
私は、ショックの余り家を飛び出し…近くに住んで居る幼馴染の元へ駆け込んだ。
そして、義妹の妊娠や彼の浮気について相談したのだが…幼馴染はそれについて、少し気になる事があると言った。
「俺の父は医者をして居て…君や、君の婚約者の主治医も務めて居るだろう?この前、その父の手伝いをして居て…俺は偶然にも、君の婚約者のカルテを見てしまったんだ。するとそこには…彼は、生殖機能に異常がみられると書かれて居た。」
「そんな…。」
「彼は、子を作る事が出来ない身体なのだと思う。そしてそれを隠し、君と婚約したのでは?」
私は、彼がそんな大事な事を隠して居た事にショックを受けた。
でも、だとすると…義妹のお腹のあの膨らみは何だったのか─。
すると幼馴染は…もう一つ、私の婚約者について気になる事があると言った。
「君や義妹が留守の間に、あの家にガラの悪い男達が訪ねて来て…そして、君の婚約者と何事かをやって居る様なんだ。」
「そう言えば…関係あるか分からないけど、地下室を仕事場にするからむやみに近寄るなと言われたわ。ある日、気になって一度そこに入ろうとしたら…彼に見つかり、地下に通じるドアの鍵を取られてしまってそれっきりで─。」
「彼は、そこで何か良くない事をやって居るんじゃないだろうか─。」
婚約者に降りかかった突然の疑惑に…彼は一体いくつ秘密を抱えて居るのだろうかと、私の心は不安を覚えた。
だが…それは翌日、全て解決する事に─。
義妹が、偽札を所持し使用した罪で捕らえられたからだ。
そしてその偽札は…家の地下室に忍び込み、そこから奪ったのだと彼女は証言した。
ただ、義妹はそれを本物のお札だと思って居たらしい。
義理の姉である私が、亡くなった父や継母の遺産をそこに隠し、婚約者と山分けし使おうとして居たのだと思った…それが悔しくて、婚約者を誘惑し私から寝取り…更には服の中に、地下室にあるありったけのお金を詰め込み、彼の子を身籠ったと見せかけて私を傷付けたかったのだそうだ。
そして、後は奪った遺産で悠々自適に暮らして行こうと思ったのに…どうしてこんな事になってしまったのか分からないと、義妹は牢の中で号泣したらしい。
するとこの義妹の証言で、地下室を仕事場に使って居た私の婚約者は捕らえられ、厳しい調べを受ける事になった。
そして彼は…私の婚約者になったのは、私の家の遺産が目当てだった…しかし、実際は大した遺産も無く…落胆して居た所を悪い男達に声をかけられ、偽札作りに手を出してしまったのだと証言した。
また、自分に子を作る能力がほぼない事は何となく分かって居たが…元々遺産を奪い取ったら私の前から消えるつもりだった為、敢えて隠して居た事も告白したのだった。
こうして、義妹が婚約者の子を身籠ったと家を出た事で…私は、婚約者の隠して居た幾つもの秘密を知る事となったのだった。
その結果、私はそれらの事に大変ショックを受ける事になったが…そんな私を、幼馴染が献身的に支えてくれた。
そのおかげで、私はどうにか立ち直り…これまで通りの暮らしを送る事が出来る様になったのだった。
ただ、一つだけ違うのは…幼馴染が、恋人として私の家で暮らし始めた事だ。
彼は、以前から私に恋心を抱いて居たが…医者になる為の勉強が忙しく、またそんな未熟者の自分では私を幸せに出来ないと、その気持ちを言えずに居たらしい。
でも、この度医者になる試験に無事合格し…更には私があの家に一人になってしまった事を機に、自分の気持ちを私に伝えてくれたのだ。
もうこれ以上、私を悪意ある者の餌食にはしたくない…そうならない為にも、俺が君の傍に居て守って見せると言う彼の熱い告白に、私はすっかり心奪われ…彼を幼馴染ではなく、一人の男性として見る様になった。
そして私は、そんな彼の気持ちに喜んで応える事にしたのだ。
その結果、私達は結ばれ共に暮らして居るが…彼はいつだって私を一番大事にしてくれ、私をずっと傍で見守ってくれる。
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