126 / 132
義母の勧めで私に内緒で跡継ぎを作ろうとする夫とは、これを機に離縁する事にします。
しおりを挟む
私と夫は結婚し五年経つが、未だに子に恵まれなかった。
そしてその負い目があったからだろう、私は夫にいつでも尽くす様にした。
子に注ぐ愛情を夫に注いでいる…そう思えば夫婦二人暮らしも悪くない、私はそう思って居た。
だがそんな中、これまで離れて暮らして居た義母との同居話が舞い込んだ。
我がままで気位が高い義母との同居か…。
これまで離れて居たから、直接何かされる事はなかったが…同居となるとそうも行かないだろう。
私は不安を夫に伝えたが…母さんも歳を取って少しは丸くなっているから大丈夫、心配しすぎだと軽くあしらわれるだけだった。
そうして、義母との同居が始まったが…私の心配通り、相変わらず我儘な彼女に私は召使のようにこき使われた。
そしてそれを見て居る夫は、嫁のお前がが世話をするのは当たり前だと何も協力してくれない。
それどころか最近では留守がちで、家には私と義母の二人と言うのが大半だった。
そんなある日、夜遅くになって夫が家に帰って来た。
それに気づいた私は夫が寝室に来るのを待って居たが、彼はいつまで経っても部屋に入って来ない。
その為こちらから夫を出迎える為に部屋を出てみれば、義母の部屋から夫の声がすることに気づいた。
「…あいつとの結婚は失敗だったよ。ちっとも子が授からないから、母さんにもこんなに心配をかけてしまって…。」
「だったら早く別れてよ。紹介したあの子と、今日あって来たんでしょう?あの子なら若くて可愛いし、きっと元気な子が生まれるわ。」
「確かに、俺好みの良い女だった。でも、離縁と言うのは何かと面倒だし…彼女は、愛人として傍に置くのでは駄目だろうか?愛人の産んだ子を、孤児院から引き取った子だと偽り養子に…跡取りにするって事もあると聞くし。妻は鈍感だから、きっとその子を憐れんで大事にするだろう。」
「まぁ、それは困るわ。あちらのお母様には、いずれ嫁にしたいって言ってあるんだから。」
「だよなぁ。いっそ、妻のあいつから別れるっていってくれたらな。」
何よそれ…今日夫が遅かったのは、義母から紹介された女と会って居たからって事?
今日だけじゃないく、最近留守にしていたのもその女と会って居たからじゃ…。
この二人ときたら、私に内緒で跡継ぎ問題をそんな形で解決しようとして居たのね…。
それが、私の心をどれほど気づ付けるのかも考えずに─。
私は二人の裏切りが許せず、父にこの件を報告した。
するとそれを知った父も激しい怒りを見せ…夫の事業に今後は何も協力しないと決めた。
また私も、継母の世話を一切放棄し…彼女に強請られるまま与えていたお小遣いも、一切渡すのを辞めた。
でもそれも当然よ。
元は私が内職で得たお金、何もせずだらけてばかりの継母に丸々全部渡して居た今までがおかしかったんだわ!
するとこの事態に気づいた夫と義母は、私を人でなしと罵って来たが…二人の企みは全て知って居る、これを機に離縁するからいくら文句を言われても何も思わないと返した。
「何て生意気な嫁かしら!」
「こっちこそ離縁で結構!俺には、あの彼女が居るからな…。資産家の娘と聞くし、何よりお前より若く可愛いんだから新しい妻にするには十分だ。」
「あぁ、彼女ですがもう資産家の娘ではないです。父の情報では、彼女の家は近く資金繰りが悪化し破産すると。嫁に迎えてもいいですが、借金も一緒に抱えこむことになるでしょうね。」
「そんな…。母さん、話がが違うよ!」
「で、でも…彼女のお母様が、うちの家はお金持ちっていつも自慢してたし…。」
「ただの見栄だったんでしょう。お母様の人を見る目のなさが一番の原因ですね。」
私にした事で父からの援助を失った挙句、跡継ぎ問題の解決策にと考えて居た女のあてが外れた二人は互いを醜くののしり合い始めたが…その後父が雇った弁護士が来ると、漸く反省の色を見せ始め大人しくなるのだった。
それから一週間後、私たち夫婦は正式に離縁し…私の元には、義母にお小遣いとして与えていたお金全てと、多額の慰謝料が入る事となった。
するとそのせいか、事業の上手く行かなくなった夫と私にお金を頼っていた義母は生活に困窮する事となった。
すると二人は、今度は跡継ぎを産んでくれる女ではなく自分たちを養ってくれる女ならば年齢は問わないと言って探し回るようになったが…私にした仕打ちが知らず知らずの内に世間に広まっていたらしく、相手にする女は誰もいないのだった。
そして暫くすると、義母は一気に体が弱り病で亡くなり…家も土地も人手に渡る事となり、天涯孤独となった元夫は浮浪者となるのだった。
そうなって彼は、妻として私が傍に居た日々を恋しがり…別の女に跡取りを求めたことを心から悔いてを嘆い居る層だが今更遅いわ。
と言うのも、私は父が付けてくれた弁護士の殿方から告白され…彼と順調に交際を重ね、再婚することが決まったのだから─。
彼は以外にも尽くされるよりも尽くしたい性格の様で、私の事をそれはもう大事にしてくれる。
今まで夫に尽くしてばかり居た私はそれがとても嬉しく…そんな彼を一生大事にしたい、愛して行こうと思って居るわ─。
そしてその負い目があったからだろう、私は夫にいつでも尽くす様にした。
子に注ぐ愛情を夫に注いでいる…そう思えば夫婦二人暮らしも悪くない、私はそう思って居た。
だがそんな中、これまで離れて暮らして居た義母との同居話が舞い込んだ。
我がままで気位が高い義母との同居か…。
これまで離れて居たから、直接何かされる事はなかったが…同居となるとそうも行かないだろう。
私は不安を夫に伝えたが…母さんも歳を取って少しは丸くなっているから大丈夫、心配しすぎだと軽くあしらわれるだけだった。
そうして、義母との同居が始まったが…私の心配通り、相変わらず我儘な彼女に私は召使のようにこき使われた。
そしてそれを見て居る夫は、嫁のお前がが世話をするのは当たり前だと何も協力してくれない。
それどころか最近では留守がちで、家には私と義母の二人と言うのが大半だった。
そんなある日、夜遅くになって夫が家に帰って来た。
それに気づいた私は夫が寝室に来るのを待って居たが、彼はいつまで経っても部屋に入って来ない。
その為こちらから夫を出迎える為に部屋を出てみれば、義母の部屋から夫の声がすることに気づいた。
「…あいつとの結婚は失敗だったよ。ちっとも子が授からないから、母さんにもこんなに心配をかけてしまって…。」
「だったら早く別れてよ。紹介したあの子と、今日あって来たんでしょう?あの子なら若くて可愛いし、きっと元気な子が生まれるわ。」
「確かに、俺好みの良い女だった。でも、離縁と言うのは何かと面倒だし…彼女は、愛人として傍に置くのでは駄目だろうか?愛人の産んだ子を、孤児院から引き取った子だと偽り養子に…跡取りにするって事もあると聞くし。妻は鈍感だから、きっとその子を憐れんで大事にするだろう。」
「まぁ、それは困るわ。あちらのお母様には、いずれ嫁にしたいって言ってあるんだから。」
「だよなぁ。いっそ、妻のあいつから別れるっていってくれたらな。」
何よそれ…今日夫が遅かったのは、義母から紹介された女と会って居たからって事?
今日だけじゃないく、最近留守にしていたのもその女と会って居たからじゃ…。
この二人ときたら、私に内緒で跡継ぎ問題をそんな形で解決しようとして居たのね…。
それが、私の心をどれほど気づ付けるのかも考えずに─。
私は二人の裏切りが許せず、父にこの件を報告した。
するとそれを知った父も激しい怒りを見せ…夫の事業に今後は何も協力しないと決めた。
また私も、継母の世話を一切放棄し…彼女に強請られるまま与えていたお小遣いも、一切渡すのを辞めた。
でもそれも当然よ。
元は私が内職で得たお金、何もせずだらけてばかりの継母に丸々全部渡して居た今までがおかしかったんだわ!
するとこの事態に気づいた夫と義母は、私を人でなしと罵って来たが…二人の企みは全て知って居る、これを機に離縁するからいくら文句を言われても何も思わないと返した。
「何て生意気な嫁かしら!」
「こっちこそ離縁で結構!俺には、あの彼女が居るからな…。資産家の娘と聞くし、何よりお前より若く可愛いんだから新しい妻にするには十分だ。」
「あぁ、彼女ですがもう資産家の娘ではないです。父の情報では、彼女の家は近く資金繰りが悪化し破産すると。嫁に迎えてもいいですが、借金も一緒に抱えこむことになるでしょうね。」
「そんな…。母さん、話がが違うよ!」
「で、でも…彼女のお母様が、うちの家はお金持ちっていつも自慢してたし…。」
「ただの見栄だったんでしょう。お母様の人を見る目のなさが一番の原因ですね。」
私にした事で父からの援助を失った挙句、跡継ぎ問題の解決策にと考えて居た女のあてが外れた二人は互いを醜くののしり合い始めたが…その後父が雇った弁護士が来ると、漸く反省の色を見せ始め大人しくなるのだった。
それから一週間後、私たち夫婦は正式に離縁し…私の元には、義母にお小遣いとして与えていたお金全てと、多額の慰謝料が入る事となった。
するとそのせいか、事業の上手く行かなくなった夫と私にお金を頼っていた義母は生活に困窮する事となった。
すると二人は、今度は跡継ぎを産んでくれる女ではなく自分たちを養ってくれる女ならば年齢は問わないと言って探し回るようになったが…私にした仕打ちが知らず知らずの内に世間に広まっていたらしく、相手にする女は誰もいないのだった。
そして暫くすると、義母は一気に体が弱り病で亡くなり…家も土地も人手に渡る事となり、天涯孤独となった元夫は浮浪者となるのだった。
そうなって彼は、妻として私が傍に居た日々を恋しがり…別の女に跡取りを求めたことを心から悔いてを嘆い居る層だが今更遅いわ。
と言うのも、私は父が付けてくれた弁護士の殿方から告白され…彼と順調に交際を重ね、再婚することが決まったのだから─。
彼は以外にも尽くされるよりも尽くしたい性格の様で、私の事をそれはもう大事にしてくれる。
今まで夫に尽くしてばかり居た私はそれがとても嬉しく…そんな彼を一生大事にしたい、愛して行こうと思って居るわ─。
51
お気に入りに追加
414
あなたにおすすめの小説


絵姿
金峯蓮華
恋愛
お飾りの妻になるなんて思わなかった。貴族の娘なのだから政略結婚は仕方ないと思っていた。でも、きっと、お互いに歩み寄り、母のように幸せになれると信じていた。
それなのに……。
独自の異世界の緩いお話です。


病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで
あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。
怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。
……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。
***
『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』

【完結】アナタが選んだんでしょう?
BBやっこ
恋愛
ディーノ・ファンは、裕福な商人の息子。長男でないから、父から預かった支店の店長をしている。
学生でいられるのも後少し。社交もほどほどに、のんびり過ごしていた。
そのうち、父の友人の娘を紹介され縁談が進む。
選んだのに、なぜこんなけっかになったのだろう?

あなたの瞳に映るのは妹だけ…闇の中で生きる私など、きっと一生愛されはしない。
coco
恋愛
家に籠り人前に出ない私。
そんな私にも、婚約者は居た。
だけど彼は、随分前から自身の義妹に夢中になってしまい…?

その婚約破棄喜んで
空月 若葉
恋愛
婚約者のエスコートなしに卒業パーティーにいる私は不思議がられていた。けれどなんとなく気がついている人もこの中に何人かは居るだろう。
そして、私も知っている。これから私がどうなるのか。私の婚約者がどこにいるのか。知っているのはそれだけじゃないわ。私、知っているの。この世界の秘密を、ね。
注意…主人公がちょっと怖いかも(笑)
4話で完結します。短いです。の割に詰め込んだので、かなりめちゃくちゃで読みにくいかもしれません。もし改善できるところを見つけてくださった方がいれば、教えていただけると嬉しいです。
完結後、番外編を付け足しました。
カクヨムにも掲載しています。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる