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私の留守中に夫が義妹と浮気し、将来一緒になる事を決めてしまったようです。
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王都でのある手続きを終え、一か月ぶりに家に戻って来た私。
思ったよりも時間がかかってしまったから…夫は、さぞや心配して居るだろう。
そう思い、私は報せも出さないままに急いで帰路についた。
そして家に到着後リビングに向かえば…そこには、なんと私の義妹の肩を抱きソファーにくつろぐ夫の姿が─。
それを見た瞬間、私はこれは一体どういう事かと夫に詰め寄った。
すると夫は、一瞬焦りを見せたものの…すぐにお前が悪いんだと、私に怒り始めた。
「お、お前がこんなに長く家を空けるから悪いんじゃないか!夫である俺の事を放っておいて…。そんな寂しい生活を送って居る俺を心配し、お前の妹が気を使ってこうして家に来てくれたんだ。」
「そうよ、旦那さんを大事にしないお姉様が悪いのよ?こんなに何日も家を空けて、一体王都で何をしてたのかしら?もしかして、良い男でも漁りに行ってたんじゃ?そうなた、私たちの事を責められないわよ。」
そう言って、義妹は意地悪く笑ったが…男漁りをしていたのは、あなたの方じゃない。
その尻拭いをする為に、今は亡きお父様や姉である私はどれだけ苦労したか…。
すると何も言わないでいる私に、夫は図星でも突かれたと言ってある物を突きつけて来た。
よく見ると、それは離縁状で…そこには、既に夫のサインが入って居るのだった。
「俺は前から地味でつまらない性格のお前に飽き始めていたんだ。でもそんな中、お前の妹が何度も家に遊びに来てくれて…明るくて可愛い彼女に、俺は次第に心奪われて行った。だから俺はお前と別れ、彼女を新たな妻に迎えたい。」
「そういう事なの、ごめんなさいねお姉様?」
そう言って、二人は私の前で抱き合って見せたが…私はそれを冷めた目で見つめ、離縁状にサラサラと自身の名前を書いた。
「あなたの望み通り、離縁してあげましょう。でも…そうなったらあなたは、この先さぞや苦労するでしょうがね。」
「…何だと?」
私の言葉に、ニヤニヤしていた夫が急に真顔になった。
「あなたの事業が上手く行っていたのは、全て私の亡きお父様のお知り合い方の力添えがあったから。なのにその娘である私が不在の内に浮気をし、離縁を迫ったんですもの…それが表に知られたら、きっともう助にはなってくれないわ。あなたは、ご自分の力で今後事業を盛り立てて行かねばならない。でも、今後の事業資金も私に賄わさせていたくらいだし…その私が去ったら、もうそれも出来ないわ。」
「で、でも血は繋がって居ないとは言えお前の妹を妻にするんだぞ?知り合い方も、他の女を迎えるよりは納得してくれるはず…。」
「私はお姉様と違って可愛いから、お父様のお知り合い方にも好かれて居るわ!失礼な事を言わないで!」
そう義妹は激怒したが…あなたが可愛がられていたのは、子供時代の事でしょう?
年頃になったあなたは男遊びを繰り返すようになり…お父様は勿論、周りの方までそんなあなたに呆れ関わり合いになるのを避けた。
容姿がいい癖に未だまともな殿方と婚約できずに居るのは、そのせいじゃないの…だから、私は王都で─。
「あなたは、その人と一緒にはなれません。と言うのも、私が王都であなたの夫となる殿方を見つけたからです。この辺りでは、あなたを妻にしたいと言う殿方は見つからず…私は、思い切って王都まであなたの夫を探しに行ったんです。」
「な、何ですって!?」
「それでその人との手続きを正式に変わり、今日漸く帰って来たの。と言うか、あなただってその旨を書いた書類にサインしたじゃない。私が出かける前に、その書類を見せたのに…忘れちゃったの?」
どうやら、義妹はまともにその書類を読む事無くサインしてしまったらしい。
昔からまともに勉強もせず、難しい字が読めなかったから仕方ないかしらね…。
「その人ったら気が早いから、今日の昼過ぎに私の元を訪ねて来て…それから、あなたを迎えに行く予定になって居たの。」
私がそう言った時、玄関のドアが開いて一人の殿方が入って来たが…それは義妹の好みとは正反対の、お世辞にも美形とは言えない殿方だった。
それを見た義妹は、すぐにその場から逃げようとしたが…その男の連れて来た従者たちに取り囲まれ、そのまま馬車に乗せられ連れて行かれてしまった。
すると元夫となった彼は、それを呆然と見て居たが…その隙に、私は静かに家を出るのだった。
その後、私の予想通り元夫の事業はすぐに傾いた。
元々人付き合いやお金の計算も苦手だったし、支援する人が一人もいなくなれば当然の結果だろう。
彼はやがて家も土地も全て失い、ひっそりとこの地から出て行ったわ。
一方の義妹は、夫となった男に昼はメイドのようにこき使われ…夜は娼婦のように扱われ、酷い結婚生活を送って居るらしい。
私の居る実家に戻りたいと手紙も送って来たけれど…でも、もうそれは叶わないわ。
と言うのの、私は父の支援者の一人からご子息を紹介され、その方を婿に迎えて幸せに暮らして居るのだから。
元々私とその方は、幼いころに許嫁の話があったけれど…彼が長く体調を悪くした事で、それはしz年と消えてしまった。
でも成長するにつれ、彼はすっかり逞しく素敵なご子息へと成長し…再び再会を果たすと、私を大いに気に入って結婚したいと言って下さったのだ。
彼は体が丈夫なだけでなく、真面目で優しいし…元夫と違い、きっと私だけを大事にしてくれるだろうと私は考え…そして実際に結婚してみれば、それが間違いではなかった事を確信して居るわ─。
思ったよりも時間がかかってしまったから…夫は、さぞや心配して居るだろう。
そう思い、私は報せも出さないままに急いで帰路についた。
そして家に到着後リビングに向かえば…そこには、なんと私の義妹の肩を抱きソファーにくつろぐ夫の姿が─。
それを見た瞬間、私はこれは一体どういう事かと夫に詰め寄った。
すると夫は、一瞬焦りを見せたものの…すぐにお前が悪いんだと、私に怒り始めた。
「お、お前がこんなに長く家を空けるから悪いんじゃないか!夫である俺の事を放っておいて…。そんな寂しい生活を送って居る俺を心配し、お前の妹が気を使ってこうして家に来てくれたんだ。」
「そうよ、旦那さんを大事にしないお姉様が悪いのよ?こんなに何日も家を空けて、一体王都で何をしてたのかしら?もしかして、良い男でも漁りに行ってたんじゃ?そうなた、私たちの事を責められないわよ。」
そう言って、義妹は意地悪く笑ったが…男漁りをしていたのは、あなたの方じゃない。
その尻拭いをする為に、今は亡きお父様や姉である私はどれだけ苦労したか…。
すると何も言わないでいる私に、夫は図星でも突かれたと言ってある物を突きつけて来た。
よく見ると、それは離縁状で…そこには、既に夫のサインが入って居るのだった。
「俺は前から地味でつまらない性格のお前に飽き始めていたんだ。でもそんな中、お前の妹が何度も家に遊びに来てくれて…明るくて可愛い彼女に、俺は次第に心奪われて行った。だから俺はお前と別れ、彼女を新たな妻に迎えたい。」
「そういう事なの、ごめんなさいねお姉様?」
そう言って、二人は私の前で抱き合って見せたが…私はそれを冷めた目で見つめ、離縁状にサラサラと自身の名前を書いた。
「あなたの望み通り、離縁してあげましょう。でも…そうなったらあなたは、この先さぞや苦労するでしょうがね。」
「…何だと?」
私の言葉に、ニヤニヤしていた夫が急に真顔になった。
「あなたの事業が上手く行っていたのは、全て私の亡きお父様のお知り合い方の力添えがあったから。なのにその娘である私が不在の内に浮気をし、離縁を迫ったんですもの…それが表に知られたら、きっともう助にはなってくれないわ。あなたは、ご自分の力で今後事業を盛り立てて行かねばならない。でも、今後の事業資金も私に賄わさせていたくらいだし…その私が去ったら、もうそれも出来ないわ。」
「で、でも血は繋がって居ないとは言えお前の妹を妻にするんだぞ?知り合い方も、他の女を迎えるよりは納得してくれるはず…。」
「私はお姉様と違って可愛いから、お父様のお知り合い方にも好かれて居るわ!失礼な事を言わないで!」
そう義妹は激怒したが…あなたが可愛がられていたのは、子供時代の事でしょう?
年頃になったあなたは男遊びを繰り返すようになり…お父様は勿論、周りの方までそんなあなたに呆れ関わり合いになるのを避けた。
容姿がいい癖に未だまともな殿方と婚約できずに居るのは、そのせいじゃないの…だから、私は王都で─。
「あなたは、その人と一緒にはなれません。と言うのも、私が王都であなたの夫となる殿方を見つけたからです。この辺りでは、あなたを妻にしたいと言う殿方は見つからず…私は、思い切って王都まであなたの夫を探しに行ったんです。」
「な、何ですって!?」
「それでその人との手続きを正式に変わり、今日漸く帰って来たの。と言うか、あなただってその旨を書いた書類にサインしたじゃない。私が出かける前に、その書類を見せたのに…忘れちゃったの?」
どうやら、義妹はまともにその書類を読む事無くサインしてしまったらしい。
昔からまともに勉強もせず、難しい字が読めなかったから仕方ないかしらね…。
「その人ったら気が早いから、今日の昼過ぎに私の元を訪ねて来て…それから、あなたを迎えに行く予定になって居たの。」
私がそう言った時、玄関のドアが開いて一人の殿方が入って来たが…それは義妹の好みとは正反対の、お世辞にも美形とは言えない殿方だった。
それを見た義妹は、すぐにその場から逃げようとしたが…その男の連れて来た従者たちに取り囲まれ、そのまま馬車に乗せられ連れて行かれてしまった。
すると元夫となった彼は、それを呆然と見て居たが…その隙に、私は静かに家を出るのだった。
その後、私の予想通り元夫の事業はすぐに傾いた。
元々人付き合いやお金の計算も苦手だったし、支援する人が一人もいなくなれば当然の結果だろう。
彼はやがて家も土地も全て失い、ひっそりとこの地から出て行ったわ。
一方の義妹は、夫となった男に昼はメイドのようにこき使われ…夜は娼婦のように扱われ、酷い結婚生活を送って居るらしい。
私の居る実家に戻りたいと手紙も送って来たけれど…でも、もうそれは叶わないわ。
と言うのの、私は父の支援者の一人からご子息を紹介され、その方を婿に迎えて幸せに暮らして居るのだから。
元々私とその方は、幼いころに許嫁の話があったけれど…彼が長く体調を悪くした事で、それはしz年と消えてしまった。
でも成長するにつれ、彼はすっかり逞しく素敵なご子息へと成長し…再び再会を果たすと、私を大いに気に入って結婚したいと言って下さったのだ。
彼は体が丈夫なだけでなく、真面目で優しいし…元夫と違い、きっと私だけを大事にしてくれるだろうと私は考え…そして実際に結婚してみれば、それが間違いではなかった事を確信して居るわ─。
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