『恋愛短編集①』離縁を乗り越え、私は幸せになります──。

Nao*

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夫は病で苦しむ私を捨て義妹を新たな妻に迎えましたが、今はそれを後悔するばかりです。

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 少し前から、原因不明の病で苦しむ事になった私

 するとそれをどこで知ったのか、私の義妹が…家の事が何も出来ないのは大変だろう、私が手助けしてあげると言って我が家へとやって来た。



 すると夫は、可愛く愛嬌のある義妹の事をすっかり気に入り…病で寝込む私に対し、お前などと結婚して損した…義妹のような元気な子と結婚すればよかったと愚痴をこぼすようになった。



 そして次第に…お前に治療費を払うのが勿体ない、寝てばかり居るお前が鬱陶しいなどと、私の存在を否定するような事まで言うように─。

 

 義妹が家に来てくれた事は有難いけれど、でも夫との仲にここまで亀裂が走る要因になってしまうなんて…。


 
 私は考えた末、自分の貯金で使用人を雇う…だからあなたはもう実家に戻ってくれて構わないと、義妹にお願いした。



 すると義妹は、せっかくお姉様の役に立てると思ったのに…そんなふうに私を邪魔者扱いするなんて酷いと言って、夫に泣きつくのだった。



 そして義妹の言葉にしか耳を貸さない夫は、私を維持の悪い姉だと言って怒り…また、人の行為に感謝しない奴など妻にしておきたくないと言って、私に離縁を告げたのだ。



 更に夫は、私の代わりに義妹を妻に迎える…彼女にはそのままここに住んで貰うから、今すぐ家を出て行くよう私に命じた。



 それに対し、私はもう少し体調が良くなってからにして欲しい…急には無理だと夫にすがった。



 しかし、夫はそれを許さず…また義妹も私の顔なども生みたくないと言って、二人係で私を家からたたき出してしまうのだった。



 そこで私は、仕方なく実家に戻る事に─。

 だが私を待って居たのは、継母と離縁したばかりの父だった。



 驚いて離縁の理由を尋ねれば、義妹の素行の悪さが原因だ…義妹を人として正しく導かねばならないのに、継母は甘やかすばかりでどうにもならなかったと父は答えた。



「…それで、母娘揃って家から追いだしたんだが…。お前には、その事を綴った手紙を送ったが?」

「揃ってって…。あの子なら、今私の元夫と仲良くやってるわ。と言うか、あの子は私の家に来た時に何も教えてくれなかった。きっと手紙も、家の事を任されていたあの子が勝手に処分したのよ。」

「まさかお前の元夫は、あの子を新しい妻にしたいのか?きっととんでもない事になるぞ…。」



 それから一ヶ月後…父の言った通り、元夫は窮地に陥っていた。

 と言うのも、義妹は金遣いが荒く…また大変な男好きで周囲の男たちをたぶらかし、次々と問題を起こしたからだ。


 
 元夫はその尻ぬぐいとして、義妹の被害者となった女たちに慰謝料を払う事になり…しかし反省を見せない義妹には贅沢三昧をされ、遂に財産がそこを尽きてしまった。


 
 するとこの件で元夫と義妹の仲は急速に冷え切ってしまったが…そんな中で二人は揃って病にかかり、命は助かったものの後遺症に苦しめられる事に─。



 でもそれを治療するお金もなく、元夫は苦しい日にを送って居る。

 そしてそうなって、病に苦しむ私に酷い仕打ちをしてしまったと漸く気づき…私に後悔の旨を綴った手紙を送りつけて来た。


 
 そこにはさりげなく、復縁を希望していると言った事も書かれていたが…誰がそれに応えるものですか。


 
 あれから実家に帰った私は、田舎の澄んだ空気と水のおかげか次第に元気を取り戻すと、父の知り合いの息子だと言う真面目で誠実な殿方を婿として迎える事が出来た。


 
 今ではその彼の事の子供を望めるまでに元気になっており、元夫と義妹に受けた仕打ちは過去のものとなって居る。


 
 元妻のよしみで治療費を恵んでくれとも書かれていたけれど…私があの二人を助ける事は絶対にないわね─。
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