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私に隠れ禁断の関係を続けて居た夫と娘を、この度捨てる事にしました──。
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私には、容姿に恵まれた娘が居る。
すると年ごろになった娘は、母親でありながら全く美人では無い私を見下し嫌うようになった。
また年下の夫も、そんな娘につられ私の容姿を馬鹿にし冷たい態度を取るように─。
二人は私を馬鹿にし嫌う事でその仲を深めて居るようで、いつも一緒に行動して居た。
娘は昔から私より夫の方が好きだったが…婚約の話も出て居るのに、いつまでも父親にベッタリではどうしようもないわね─。
しかしそんな私の心配を他所に娘と夫の仲は益々深まり、そして私への扱いは酷くなって行くのだった。
今の二人は、私の事を母や妻ではなく便利な召使くらいにしか思って居ない。
今迄良き母親、そして妻であろうと努力して来た私にとってこの仕打ちはとても辛いものだった。
そんな中、私は友人から気晴らしにと旅行に誘われ…数日程家を空ける事に─。
するとそれを知った娘と夫は、二人で仲良くやるから一生帰って来なくても構わないなど軽口を叩き私を見送るのだった。
しかしその後、旅行先の天候が悪化…私は予定よりも早く帰宅する事に─。
すると皆が集まる部屋は真っ暗で、代わりに寝室から夫と娘の話し声が聞こえて来た。
不思議に思った私がこっそり近づくと、その話声はやがて喘ぎ声に変わった。
その時点で、私は娘と夫がただならぬ関係にある事に漸く気付いた。
暫くその場で固まって居た私だったが…やがて二人の行為も終わりを迎えたようで、また話し声が聞こえて来た。
私は昔から美形のお父様が好きだったが…今は一人の殿方として恋慕って居る。
私はお母様の本当の子では無いから、お父様を略奪しても何も問題ないわよね?
そう娘が訪ねれば、夫は勿論だと答えた。
そして、あんな年増の地味女より若く愛らしいお前の方が大好きだ─。
他所の男の元になどやらない…あいつとはいずれ離縁するから、その時は俺のものになれと言うのだった。
確かに、娘は私の本当の子では無い。
実はあの子は、今は失踪し何処に居るかも分からない義姉が浮気の果てに身籠り…今は亡き父や継母が反対するのを無視し出産したものの育児を放棄し、私に無理矢理押し付けた子だった。
そして夫は、そう言う事を分かった上で彼女の父親になると言い私と結婚したが…結局は男として可愛い彼女を愛し、私を裏切ってしまったのだった。
こうして二人の関係を知った私は、二人に対し激しい嫌悪感を抱いてしまい…もう共に暮らして行くのは無理だと思うように─。
それから数日後、私は夫に対し離縁したい旨を伝え…娘にも母親として接する事はこの先一生ないと言い、二人とは縁を切ると宣言するのだった。
すると夫は、突然離縁と言われても家の事は誰がやるのか…娘は、一度母親になると決めたら最後まで責任を果たせなどと責めて来たが…家事など自分達でやればいいだけだし、そもそも私は望んで彼女の母親になった訳では無い。
義姉は父の再婚相手の連れ子だった為、私と義姉…そして義姉から生まれた彼女とは血の繋がりも一切ないんだし─。
普段言いなりになって居た私に反論され呆然とする二人に、私は続けてこう言った。
この家は、元々私の実家だ─。
婿入りしたあなたは離縁されればここに居る事は出来ない…その娘を連れ、今すぐここを出て行くように─。
また、父から継いだ事業に関する最終決定は私に任されており…普段から働きが悪いあなたはもう要らないから、新しく仕事を見つけるようクビを宣告した。
この事態に、夫は驚きを隠せないようだったが…それ以上に驚いたのは娘の方だった。
自分達が結ばれ、邪魔になった私は使用人替わりとしてこの家に置いてやろう…そして自分は彼の稼ぎでこのまま優雅な暮らしをして行こうと彼女は考えて居たが、それがもう叶わないと分かったからだ。
すると娘は、この人との事は気の迷いだった…私には婚約話が来て居たはずだから、その人と結ばれるとあっさり態度を変えた。
しかし、その婚約話はもう無しになった…血は繋がって居ないとは言え、父親と関係を持つ女など気持ち悪いという理由で相手方から断りが入ったと説明すれば、娘は真っ青な顔でその場に崩れ落ちるのだった。
その後、元夫は私に慰謝料を払い…そして涙する彼女を連れ、この家を出て行く事に─。
お金も仕事も失った彼は知り合いに頭を下げ日雇いの仕事を貰い、使わない物置に住まわせて貰える事になったが…今までとは全く違うそんな惨めな暮らしをする羽目になった二人は、暗い顔で私の元を去って行くのだった。
こうして家には私一人が残されたが…この件を知り心配した親戚が、知り合いのご子息を婿として紹介してくれる事に─。
お相手の彼は真面目で誠実で、任せた事業にも積極的に取り組んでくれ…それはそれは素晴らしい人だった。
私はそんな彼を大層気に入り、また彼も家庭的な私を気に入ってくれ…私達は結婚すると、すぐに仲の良い夫婦となった。
また年齢的に子は難しいと思われて居た私だったが、奇跡的に彼の子を身籠り無事に出産…本当の子を持つ事も出来た。
そして今は愛する我が子と夫と、仲睦まじい暮らしを送って居る─。
すると年ごろになった娘は、母親でありながら全く美人では無い私を見下し嫌うようになった。
また年下の夫も、そんな娘につられ私の容姿を馬鹿にし冷たい態度を取るように─。
二人は私を馬鹿にし嫌う事でその仲を深めて居るようで、いつも一緒に行動して居た。
娘は昔から私より夫の方が好きだったが…婚約の話も出て居るのに、いつまでも父親にベッタリではどうしようもないわね─。
しかしそんな私の心配を他所に娘と夫の仲は益々深まり、そして私への扱いは酷くなって行くのだった。
今の二人は、私の事を母や妻ではなく便利な召使くらいにしか思って居ない。
今迄良き母親、そして妻であろうと努力して来た私にとってこの仕打ちはとても辛いものだった。
そんな中、私は友人から気晴らしにと旅行に誘われ…数日程家を空ける事に─。
するとそれを知った娘と夫は、二人で仲良くやるから一生帰って来なくても構わないなど軽口を叩き私を見送るのだった。
しかしその後、旅行先の天候が悪化…私は予定よりも早く帰宅する事に─。
すると皆が集まる部屋は真っ暗で、代わりに寝室から夫と娘の話し声が聞こえて来た。
不思議に思った私がこっそり近づくと、その話声はやがて喘ぎ声に変わった。
その時点で、私は娘と夫がただならぬ関係にある事に漸く気付いた。
暫くその場で固まって居た私だったが…やがて二人の行為も終わりを迎えたようで、また話し声が聞こえて来た。
私は昔から美形のお父様が好きだったが…今は一人の殿方として恋慕って居る。
私はお母様の本当の子では無いから、お父様を略奪しても何も問題ないわよね?
そう娘が訪ねれば、夫は勿論だと答えた。
そして、あんな年増の地味女より若く愛らしいお前の方が大好きだ─。
他所の男の元になどやらない…あいつとはいずれ離縁するから、その時は俺のものになれと言うのだった。
確かに、娘は私の本当の子では無い。
実はあの子は、今は失踪し何処に居るかも分からない義姉が浮気の果てに身籠り…今は亡き父や継母が反対するのを無視し出産したものの育児を放棄し、私に無理矢理押し付けた子だった。
そして夫は、そう言う事を分かった上で彼女の父親になると言い私と結婚したが…結局は男として可愛い彼女を愛し、私を裏切ってしまったのだった。
こうして二人の関係を知った私は、二人に対し激しい嫌悪感を抱いてしまい…もう共に暮らして行くのは無理だと思うように─。
それから数日後、私は夫に対し離縁したい旨を伝え…娘にも母親として接する事はこの先一生ないと言い、二人とは縁を切ると宣言するのだった。
すると夫は、突然離縁と言われても家の事は誰がやるのか…娘は、一度母親になると決めたら最後まで責任を果たせなどと責めて来たが…家事など自分達でやればいいだけだし、そもそも私は望んで彼女の母親になった訳では無い。
義姉は父の再婚相手の連れ子だった為、私と義姉…そして義姉から生まれた彼女とは血の繋がりも一切ないんだし─。
普段言いなりになって居た私に反論され呆然とする二人に、私は続けてこう言った。
この家は、元々私の実家だ─。
婿入りしたあなたは離縁されればここに居る事は出来ない…その娘を連れ、今すぐここを出て行くように─。
また、父から継いだ事業に関する最終決定は私に任されており…普段から働きが悪いあなたはもう要らないから、新しく仕事を見つけるようクビを宣告した。
この事態に、夫は驚きを隠せないようだったが…それ以上に驚いたのは娘の方だった。
自分達が結ばれ、邪魔になった私は使用人替わりとしてこの家に置いてやろう…そして自分は彼の稼ぎでこのまま優雅な暮らしをして行こうと彼女は考えて居たが、それがもう叶わないと分かったからだ。
すると娘は、この人との事は気の迷いだった…私には婚約話が来て居たはずだから、その人と結ばれるとあっさり態度を変えた。
しかし、その婚約話はもう無しになった…血は繋がって居ないとは言え、父親と関係を持つ女など気持ち悪いという理由で相手方から断りが入ったと説明すれば、娘は真っ青な顔でその場に崩れ落ちるのだった。
その後、元夫は私に慰謝料を払い…そして涙する彼女を連れ、この家を出て行く事に─。
お金も仕事も失った彼は知り合いに頭を下げ日雇いの仕事を貰い、使わない物置に住まわせて貰える事になったが…今までとは全く違うそんな惨めな暮らしをする羽目になった二人は、暗い顔で私の元を去って行くのだった。
こうして家には私一人が残されたが…この件を知り心配した親戚が、知り合いのご子息を婿として紹介してくれる事に─。
お相手の彼は真面目で誠実で、任せた事業にも積極的に取り組んでくれ…それはそれは素晴らしい人だった。
私はそんな彼を大層気に入り、また彼も家庭的な私を気に入ってくれ…私達は結婚すると、すぐに仲の良い夫婦となった。
また年齢的に子は難しいと思われて居た私だったが、奇跡的に彼の子を身籠り無事に出産…本当の子を持つ事も出来た。
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