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新婚の夫には既に何人も子が居る事が発覚しましたが、その裏切りの代償は大きかったのでした。
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これまで殿方に縁がなく、この先も独り身なのかと考えるようになった私。
すると父の知り合いがある殿方を紹介してくれると言い、早速会う事になった。
そして紹介された殿方は、とても物知りで物腰が柔らかく…大人しい私でも楽しく話をする事が出来た。
また読書が好きと言う共通の趣味がある事が分かり、私達の距離はあっと言う間に縮まった。
その後、私達は出会って半年もしない内に結婚…新婚生活をスタートさせた。
だが一緒に暮らし始めた彼には、ある日課があり…私はそれを不思議に思って居た。
彼は毎日のようにあるノートを綴っており、そのノートの表紙には成長記録と題されて居るが…この家では動物は飼って居ないし、植物や野菜も育てて居ない。
では、一体何の成長記録なのだろう─?
それから少しして、彼が朝から家を空ける事に─。
その為、私は彼の机の周りの大掃除を始めた。
だが机を拭いた際、偶々彼が置きっぱなしにして居たあのノートに手が当たり床に落としてしまった。
すると開いたそれには、沢山の女性の名前が書いてあり…そしてその横には彼女の産んだ子と言う一文が書かれ、名前や性別…生まれてから今の年齢になるまでの成長の様子が書かれて居た。
そしてそれぞれの子供の父親の名前だが…全員、私の夫である彼の名前が記載されて居たのだ。
その事実に、私は一度拾い上げたノートをまた床に落としてしまった。
するとその瞬間、部屋のドアが開き…用事が早く終わったと言いながら、出かけて居た夫が入って来た。
そして床に落ちたノートや固まる私を見て一瞬驚きを見せたが…その後はすぐに冷静になり、自らノートを拾い上げた。
私はそんな夫に対し、あなたは私に隠れ浮気して居たのか…そんなにも隠し子を作ってどう言うつもりだと責めた。
だが、夫は悪びれる事無くこう言った。
俺は昔から博学で、運動神経も良い。
そして顔も美形で背も高い。
こんな立派な遺伝子を世に沢山残さないのは勿体ないし、最近世間は少子化だと言うからそれに貢献して居るんだ。
また自分の愛読書の中に、そう言う理由で沢山の子を成し…その子供達はやがて皆立派に育ち、その子供達の父親はまさに神に相応しい存在だと称えられる描写があり…それは自分の理想とする未来と全く同じで感銘を受けた、自分もそれを目指して居るのだと熱く語った。
だが私はそんな彼の思考が全く理解できず…むしろ気持ち悪いとさえ思ってしまった。
すると私が何も言えないのは他の女達に嫉妬して居る為だと夫は受け取ったようで、お前ともその内子を作るから安心しろ…もし生まれたら、その子供は俺に似て素晴らしい人間に育つだろうと慰めて来た。
だが私は、もうあなたの話を聞きたくないと叫び夫から距離を取った。
そして、あなたとはとてもやって行けない…もう離縁して欲しいと告げた。
これに対し、夫は何故だと怒ったが…その女達の中には古い知り合いや遠い親戚の女の名があり、私はその仲間入りを絶対に果たしたくは無かったのだ。
結局、夫の考えは変わらず…また私の気持ちも理解されないまま、私達の短い結婚生活は幕を閉じた。
そして彼の家を出る際、俺の子を産めないなんて勿体ない事をした…きっと将来後悔すると彼は私に言って来たが、私はそれを敢えて無視しその場を去るのだった─。
私はその後、元夫やその元夫と子を作った女達、そして生まれた子供達とは絶対に関わりたくなかった為、実家には帰らず隣国に移り住む事に─。
幸い私は複数の国の言語を習得しており、通訳として生計を立てて居た。
するとその賢さをある大商人に見初められ…私は彼の妻に迎えられる事に─。
彼はお金持ちで容姿も良い為に多くの女達から好かれて居たが、彼は私だけを一途に愛してくれた。
その後は勿論私との間にだけ子を作ってくれ…生まれて来た子供達は皆、とても良い子に成長して居る。
するとそんな中、自国から遊びにやって来た親友が元夫の現在の様子を話してくれた。
彼の子は片手では足りない程居たが…何と全員が非行に走り、ろくでも無い子に育ってしまったらしい。
確かに彼の遺伝子のおかげか、皆容姿は良かったが…中身は揃ってクズだと巷では有名だったと言う。
そしてその子供の一人がお金にとてもがめつく…元夫の所に金をせびりに来ては、彼を困らせて居たらしい。
だがある日、元夫がそれに耐え兼ね要求を拒否した所…逆上した子供に、近くにあった花瓶で頭を殴られてしまった。
その結果、彼は命は無事だったものの身体の半身が不自由になってしまい…一生寝たきりの生活を送る羽目になってしまったのだった。
だが、それを面倒見る子供は誰一人として居らず…また子供を産んだ女達の間で彼が死んだらその遺産を誰が受け取るかと言う醜い争いまで勃発し、彼にとっては毎日が地獄のような日々だと言う。
すると元夫は、こんな事になるなら手当たり次第に子を作るんじゃなかった…自分の考えは間違って居たかもしれないと後悔して居るらしいが、もう何もかもが遅いのだった─。
すると父の知り合いがある殿方を紹介してくれると言い、早速会う事になった。
そして紹介された殿方は、とても物知りで物腰が柔らかく…大人しい私でも楽しく話をする事が出来た。
また読書が好きと言う共通の趣味がある事が分かり、私達の距離はあっと言う間に縮まった。
その後、私達は出会って半年もしない内に結婚…新婚生活をスタートさせた。
だが一緒に暮らし始めた彼には、ある日課があり…私はそれを不思議に思って居た。
彼は毎日のようにあるノートを綴っており、そのノートの表紙には成長記録と題されて居るが…この家では動物は飼って居ないし、植物や野菜も育てて居ない。
では、一体何の成長記録なのだろう─?
それから少しして、彼が朝から家を空ける事に─。
その為、私は彼の机の周りの大掃除を始めた。
だが机を拭いた際、偶々彼が置きっぱなしにして居たあのノートに手が当たり床に落としてしまった。
すると開いたそれには、沢山の女性の名前が書いてあり…そしてその横には彼女の産んだ子と言う一文が書かれ、名前や性別…生まれてから今の年齢になるまでの成長の様子が書かれて居た。
そしてそれぞれの子供の父親の名前だが…全員、私の夫である彼の名前が記載されて居たのだ。
その事実に、私は一度拾い上げたノートをまた床に落としてしまった。
するとその瞬間、部屋のドアが開き…用事が早く終わったと言いながら、出かけて居た夫が入って来た。
そして床に落ちたノートや固まる私を見て一瞬驚きを見せたが…その後はすぐに冷静になり、自らノートを拾い上げた。
私はそんな夫に対し、あなたは私に隠れ浮気して居たのか…そんなにも隠し子を作ってどう言うつもりだと責めた。
だが、夫は悪びれる事無くこう言った。
俺は昔から博学で、運動神経も良い。
そして顔も美形で背も高い。
こんな立派な遺伝子を世に沢山残さないのは勿体ないし、最近世間は少子化だと言うからそれに貢献して居るんだ。
また自分の愛読書の中に、そう言う理由で沢山の子を成し…その子供達はやがて皆立派に育ち、その子供達の父親はまさに神に相応しい存在だと称えられる描写があり…それは自分の理想とする未来と全く同じで感銘を受けた、自分もそれを目指して居るのだと熱く語った。
だが私はそんな彼の思考が全く理解できず…むしろ気持ち悪いとさえ思ってしまった。
すると私が何も言えないのは他の女達に嫉妬して居る為だと夫は受け取ったようで、お前ともその内子を作るから安心しろ…もし生まれたら、その子供は俺に似て素晴らしい人間に育つだろうと慰めて来た。
だが私は、もうあなたの話を聞きたくないと叫び夫から距離を取った。
そして、あなたとはとてもやって行けない…もう離縁して欲しいと告げた。
これに対し、夫は何故だと怒ったが…その女達の中には古い知り合いや遠い親戚の女の名があり、私はその仲間入りを絶対に果たしたくは無かったのだ。
結局、夫の考えは変わらず…また私の気持ちも理解されないまま、私達の短い結婚生活は幕を閉じた。
そして彼の家を出る際、俺の子を産めないなんて勿体ない事をした…きっと将来後悔すると彼は私に言って来たが、私はそれを敢えて無視しその場を去るのだった─。
私はその後、元夫やその元夫と子を作った女達、そして生まれた子供達とは絶対に関わりたくなかった為、実家には帰らず隣国に移り住む事に─。
幸い私は複数の国の言語を習得しており、通訳として生計を立てて居た。
するとその賢さをある大商人に見初められ…私は彼の妻に迎えられる事に─。
彼はお金持ちで容姿も良い為に多くの女達から好かれて居たが、彼は私だけを一途に愛してくれた。
その後は勿論私との間にだけ子を作ってくれ…生まれて来た子供達は皆、とても良い子に成長して居る。
するとそんな中、自国から遊びにやって来た親友が元夫の現在の様子を話してくれた。
彼の子は片手では足りない程居たが…何と全員が非行に走り、ろくでも無い子に育ってしまったらしい。
確かに彼の遺伝子のおかげか、皆容姿は良かったが…中身は揃ってクズだと巷では有名だったと言う。
そしてその子供の一人がお金にとてもがめつく…元夫の所に金をせびりに来ては、彼を困らせて居たらしい。
だがある日、元夫がそれに耐え兼ね要求を拒否した所…逆上した子供に、近くにあった花瓶で頭を殴られてしまった。
その結果、彼は命は無事だったものの身体の半身が不自由になってしまい…一生寝たきりの生活を送る羽目になってしまったのだった。
だが、それを面倒見る子供は誰一人として居らず…また子供を産んだ女達の間で彼が死んだらその遺産を誰が受け取るかと言う醜い争いまで勃発し、彼にとっては毎日が地獄のような日々だと言う。
すると元夫は、こんな事になるなら手当たり次第に子を作るんじゃなかった…自分の考えは間違って居たかもしれないと後悔して居るらしいが、もう何もかもが遅いのだった─。
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