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病で寝込む妻の私よりも幼馴染を溺愛し、彼女の言う事を真に受ける夫とはお別れですね…。
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病弱になり寝込むようになった私を、夫は冷めた目で見ると家を出て行った。
夫はここ最近毎日のように外出しある人物と過ごして居るが…それは幼馴染の女で、確か今日は彼女の買い物に付き合うと言って居た。
だが思い返せば、あの人は前から私より幼馴染の彼女を優先して居た。
結婚前デーとの待ち合わせにちっとも現れなくて家まで迎えに行けば、彼は幼馴染と仲良くお茶を楽しんで居た。
私が責めると彼女がせっかく遊びに来てくれたから断る訳にはいかないと言い、ずっと待って居た私の事などまるでお構いなしだった。
一番驚いたのは、結婚式場を彼の幼馴染が決めてしまった事だ。
彼女が素敵だと言うからここにしておいたと彼に事後報告された時は、驚いたと同時にとても悲しかった。
いくら家同士の関係で結婚するとは言え、私の気持ちも聞いて欲しかった…。
そうして色んな事を思い返す内、私は思わず泣けて来てしまった。
するとその時、ある人物が私を訪ねて来て…その人物と色々話をした私は、夫との今後について考える事にした。
そしてその夜─。
日付が変わる頃になり漸く帰って来た夫に、私は大事な話があると伝えた。
だが夫は、お前は一日中ゴロゴロ寝てばかり居たから良いが俺は幼馴染と遊んで来て疲れて居るんだ…夫の身体の事も考えられないとは馬鹿な妻だと罵った。
しかし私は、本当に馬鹿なのはあなたの方だ─。
あなたがあんな女に溺れるから、私がこんな身体になったんじゃないかと夫に詰め寄った。
その言葉に、夫は意味が分からないと首をかしげて居たが…私がここまで体が弱くなったのは、夫が幼馴染から教わった民間療法を私に試したからだった。
私が最初に体を壊したのはあくまでただの風邪だったが…それをうっかり夫が幼馴染に話すと、彼女は私を元気にする良い方法があると夫にそれを教えた。
それは彼女が偶然手にした古い本に書かれて居たらしく…現代で確かな効果があるか分からないのに、昔から彼女を溺愛して居る夫はあっさりそれを信じたようだ。
またお金にケチな夫は私に無駄な医療費を使うより、彼女との遊びに金を使う方が良いとその民間療法だけで対処しようと思ったのだろう。
だがその時の私は、早く体が元気になりたいが為に夫から教えられた事を実行して居たが…かえって体が弱くなる一方で、一度医者にかかりたいと夫に訴えた。
しかし夫はそれは許可せず、それどころか心配して色々教えてくれた優しい幼馴染を疑うとは何事かと激怒した。
そこで私は自ら医者であるかつての級友に連絡を取り、今日の昼に身体を診て貰う事にした。
その結果、私がやらされて居た治療法は全くの出鱈目で何の効果も無い事が明らかとなったのだ。
結局私は医師の彼からまともな治療をして貰い、今後も彼を主治医として治療を続けて行く事となったが…実は夫の幼馴染がこの民間療法を気に入らない相手にわざと教え広めて居る事が、少し前から医師の間で問題視されて居たらしい。
更に彼女はその被害者達から連名で訴えられる事が既に決まって居るらしく、その賠償額はとんでもないものになるとの事だった。
するとそれを聞いた夫は怖気づき…幼馴染とは縁を切る、これからは私を大事にすると言い出した。
しかし私はそれを拒否─。
あなたの傍に居ては気が休まらないから離縁し実家に戻る…これまで辛い思いをさせられた分、慰謝料はしっかり払って貰うと夫に告げた。
その後…私は多額の慰謝料を貰い実家に戻り治療を続け、以前のような元気な身体に戻る事が出来た。
それもこれも、今や名医と呼ばれる彼のおかげだ。
すると元気になった私に彼は、同じ学園に居た時から好きだったと告白してくれた。
そして、この先またあんな酷い目に遭わないようずっと傍で君を守るとまで言ってくれ…彼に特別な感情を抱くようになって居た私は、喜んでその気持ちに応えるのだった。
一方、私を酷い目に遭わせた元夫の幼馴染は…やはり被害者達から訴えられ、裁判沙汰になって苦しい日々を送る事に─。
自分で蒔いた種とは言え、賠償金の支払いに追われすっかり窶れ以前のような可愛さは無くなってしまったと言う。
また元夫は妻よりもそんな悪女を大事にした酷い男だと悪評が立ち、事業が傾き遂に負債を抱える事に─。
すると余りの心労で、重い病に罹り寝たきりの日々を送る事になったが…そこで漸くあの時の私の辛さを理解し私にした事を後悔して居るそうだが、もう何もかもが遅いのだった─。
夫はここ最近毎日のように外出しある人物と過ごして居るが…それは幼馴染の女で、確か今日は彼女の買い物に付き合うと言って居た。
だが思い返せば、あの人は前から私より幼馴染の彼女を優先して居た。
結婚前デーとの待ち合わせにちっとも現れなくて家まで迎えに行けば、彼は幼馴染と仲良くお茶を楽しんで居た。
私が責めると彼女がせっかく遊びに来てくれたから断る訳にはいかないと言い、ずっと待って居た私の事などまるでお構いなしだった。
一番驚いたのは、結婚式場を彼の幼馴染が決めてしまった事だ。
彼女が素敵だと言うからここにしておいたと彼に事後報告された時は、驚いたと同時にとても悲しかった。
いくら家同士の関係で結婚するとは言え、私の気持ちも聞いて欲しかった…。
そうして色んな事を思い返す内、私は思わず泣けて来てしまった。
するとその時、ある人物が私を訪ねて来て…その人物と色々話をした私は、夫との今後について考える事にした。
そしてその夜─。
日付が変わる頃になり漸く帰って来た夫に、私は大事な話があると伝えた。
だが夫は、お前は一日中ゴロゴロ寝てばかり居たから良いが俺は幼馴染と遊んで来て疲れて居るんだ…夫の身体の事も考えられないとは馬鹿な妻だと罵った。
しかし私は、本当に馬鹿なのはあなたの方だ─。
あなたがあんな女に溺れるから、私がこんな身体になったんじゃないかと夫に詰め寄った。
その言葉に、夫は意味が分からないと首をかしげて居たが…私がここまで体が弱くなったのは、夫が幼馴染から教わった民間療法を私に試したからだった。
私が最初に体を壊したのはあくまでただの風邪だったが…それをうっかり夫が幼馴染に話すと、彼女は私を元気にする良い方法があると夫にそれを教えた。
それは彼女が偶然手にした古い本に書かれて居たらしく…現代で確かな効果があるか分からないのに、昔から彼女を溺愛して居る夫はあっさりそれを信じたようだ。
またお金にケチな夫は私に無駄な医療費を使うより、彼女との遊びに金を使う方が良いとその民間療法だけで対処しようと思ったのだろう。
だがその時の私は、早く体が元気になりたいが為に夫から教えられた事を実行して居たが…かえって体が弱くなる一方で、一度医者にかかりたいと夫に訴えた。
しかし夫はそれは許可せず、それどころか心配して色々教えてくれた優しい幼馴染を疑うとは何事かと激怒した。
そこで私は自ら医者であるかつての級友に連絡を取り、今日の昼に身体を診て貰う事にした。
その結果、私がやらされて居た治療法は全くの出鱈目で何の効果も無い事が明らかとなったのだ。
結局私は医師の彼からまともな治療をして貰い、今後も彼を主治医として治療を続けて行く事となったが…実は夫の幼馴染がこの民間療法を気に入らない相手にわざと教え広めて居る事が、少し前から医師の間で問題視されて居たらしい。
更に彼女はその被害者達から連名で訴えられる事が既に決まって居るらしく、その賠償額はとんでもないものになるとの事だった。
するとそれを聞いた夫は怖気づき…幼馴染とは縁を切る、これからは私を大事にすると言い出した。
しかし私はそれを拒否─。
あなたの傍に居ては気が休まらないから離縁し実家に戻る…これまで辛い思いをさせられた分、慰謝料はしっかり払って貰うと夫に告げた。
その後…私は多額の慰謝料を貰い実家に戻り治療を続け、以前のような元気な身体に戻る事が出来た。
それもこれも、今や名医と呼ばれる彼のおかげだ。
すると元気になった私に彼は、同じ学園に居た時から好きだったと告白してくれた。
そして、この先またあんな酷い目に遭わないようずっと傍で君を守るとまで言ってくれ…彼に特別な感情を抱くようになって居た私は、喜んでその気持ちに応えるのだった。
一方、私を酷い目に遭わせた元夫の幼馴染は…やはり被害者達から訴えられ、裁判沙汰になって苦しい日々を送る事に─。
自分で蒔いた種とは言え、賠償金の支払いに追われすっかり窶れ以前のような可愛さは無くなってしまったと言う。
また元夫は妻よりもそんな悪女を大事にした酷い男だと悪評が立ち、事業が傾き遂に負債を抱える事に─。
すると余りの心労で、重い病に罹り寝たきりの日々を送る事になったが…そこで漸くあの時の私の辛さを理解し私にした事を後悔して居るそうだが、もう何もかもが遅いのだった─。
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