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私に嘘を付き愛人と旅行に出かけた夫ですが、帰って来たら地獄が待って居ました。
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事業の関係で、暫く家を空けると出て行った夫─。
だが私は、それが嘘だと知って居た。
少し前に、所有する別荘に遊びに行くとこの地を出た私の親友─。
実は、その彼女と夫は愛人関係にあったのだ。
始めこそ信じたくなかった私だが…ここまで証拠が揃っては、もう事実だと受け入れるしかなかった。
そして私は、こんな事をしでかした夫に罰を与える事にした。
俺の事業と夫は言うが…今の彼の立場は、所詮は私の亡き父から与えられたものに過ぎない。
実質事業の事を任されて居るのは娘の私で、私は夫よりも商才があった。
今までは彼の妻と言う立場があったから、大人しく彼を立てて居たが…もうそんな下手に出る必要は無いわね─。
その後、夫は何食わぬ顔で家に帰って来た。
私の機嫌を取る為か、土産まで手にして居たが…愛人の彼女と一緒に選んだ物だと分かって居るので、とても受け取る気にはならなかった。
そして私は、夫に離縁を告げたが…突然の事に、夫は納得できないと言った。
「あなたにこれを拒否する権利などないわ。だって、私の親友を愛人にして浮気して居たんですもの。」
「お前、気付いて居たのか!?」
「私の友人の中に、探偵や記者をやって居る者が居てね。皆私を心配し、無償であなたと彼女の仲を調べてくれたの。」
そして離縁するにあたり、夫にはこの家を出て行って貰う事─。
更に、もうこの家の事業に関わる事は許さないと告げた。
「そんな事されたら、俺は住む家も職も一度に失うじゃないか!だったらせめて、俺が貯めたへそくりだけは渡してくれ!」
「それは私への慰謝料に充てるから無理です。後は、あなたが彼女の為に使い込んだこの家の財産の穴埋めに使わせて貰うわ。」
「そ、そんな…。」
「自分が入り婿の立場である事をすっかり忘れ、私を裏切るからよ。それに私と結婚した時…もしあなたが不貞を犯したら、私が与える罰を素直に受け入れると言う約束に承諾したでしょう?あなたがそうしてくれたから、あなたの実家を未だ援助して居るのに…その恩を忘れこんな事をして、本当に最低よ─。」
その後、家を出た元夫は実家を頼ろうとしたが…此度の離縁のせいでもう援助を受けられなくなった彼の実家は、そんな彼をあっさり追い返した。
すると元夫は、愛人だった私の親友を頼ろうと彼女の家に出向いたが…人様の夫に手を出した彼女は家の恥とされ、修道院へ送られた後だった。
その後、元夫は助けを求め知り合いを渡り歩く事になったが…結局誰からも相手にされず、遂には路頭に迷う事になったと言う。
一方、私はと言うと…夫が居た頃よりも事業を拡大させ、生き生きとした日々を送って居た。
すると、ある実業家の殿方と知り合いとなり…すっかり意気投合した私達は、近く再婚する事に─。
彼は賢く真面目で誠実な人で…何より私だけを一途に愛してくれ、元夫のように女性関係を心配する必要は全く無かった。
そんな彼となら、きっと穏やかな結婚生活が送れるだろうと…私は今から期待に胸を弾ませるのだった─。
だが私は、それが嘘だと知って居た。
少し前に、所有する別荘に遊びに行くとこの地を出た私の親友─。
実は、その彼女と夫は愛人関係にあったのだ。
始めこそ信じたくなかった私だが…ここまで証拠が揃っては、もう事実だと受け入れるしかなかった。
そして私は、こんな事をしでかした夫に罰を与える事にした。
俺の事業と夫は言うが…今の彼の立場は、所詮は私の亡き父から与えられたものに過ぎない。
実質事業の事を任されて居るのは娘の私で、私は夫よりも商才があった。
今までは彼の妻と言う立場があったから、大人しく彼を立てて居たが…もうそんな下手に出る必要は無いわね─。
その後、夫は何食わぬ顔で家に帰って来た。
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そして私は、夫に離縁を告げたが…突然の事に、夫は納得できないと言った。
「あなたにこれを拒否する権利などないわ。だって、私の親友を愛人にして浮気して居たんですもの。」
「お前、気付いて居たのか!?」
「私の友人の中に、探偵や記者をやって居る者が居てね。皆私を心配し、無償であなたと彼女の仲を調べてくれたの。」
そして離縁するにあたり、夫にはこの家を出て行って貰う事─。
更に、もうこの家の事業に関わる事は許さないと告げた。
「そんな事されたら、俺は住む家も職も一度に失うじゃないか!だったらせめて、俺が貯めたへそくりだけは渡してくれ!」
「それは私への慰謝料に充てるから無理です。後は、あなたが彼女の為に使い込んだこの家の財産の穴埋めに使わせて貰うわ。」
「そ、そんな…。」
「自分が入り婿の立場である事をすっかり忘れ、私を裏切るからよ。それに私と結婚した時…もしあなたが不貞を犯したら、私が与える罰を素直に受け入れると言う約束に承諾したでしょう?あなたがそうしてくれたから、あなたの実家を未だ援助して居るのに…その恩を忘れこんな事をして、本当に最低よ─。」
その後、家を出た元夫は実家を頼ろうとしたが…此度の離縁のせいでもう援助を受けられなくなった彼の実家は、そんな彼をあっさり追い返した。
すると元夫は、愛人だった私の親友を頼ろうと彼女の家に出向いたが…人様の夫に手を出した彼女は家の恥とされ、修道院へ送られた後だった。
その後、元夫は助けを求め知り合いを渡り歩く事になったが…結局誰からも相手にされず、遂には路頭に迷う事になったと言う。
一方、私はと言うと…夫が居た頃よりも事業を拡大させ、生き生きとした日々を送って居た。
すると、ある実業家の殿方と知り合いとなり…すっかり意気投合した私達は、近く再婚する事に─。
彼は賢く真面目で誠実な人で…何より私だけを一途に愛してくれ、元夫のように女性関係を心配する必要は全く無かった。
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